三十六章
次の時間が体育だったのだが、顔色の悪い俺を先生は心配して、休めと言ったが俺はそれを「大丈夫」と言って拒んだ。
先生はそんな俺に「気分が悪くなったら直ぐに止めろよ」と言って体育に参加した
全員が宮野を忘れているという世界の理不尽さに対する怒りと俺を含め三人しか覚えていないという恐怖
「(大丈夫だ。大丈夫、俺は大丈夫……じゃないと………)」
フラッシュバックする宮野の死ぬ瞬間
「うっ…」
「大丈夫かタカト!」
「あぁ、大丈夫だ。」
「保健室に行こうぜ……」
「悪い……まだ、大丈夫だから……」
クラスメイトの言葉さえ、今の俺の心には届かない……
だが、次の瞬間、おれは急激な立ち眩みにあい、体が前に倒れそうになった時、誰かに支えられた
「『 』」
何かを言っているみたいだがもう、俺には何も聞こえず、闇に身を委ねた
―――――――――――
目を覚ました時には保健室のベッドで寝ていた
「俺……」
「気がついたか?」
保健室のカーテンを開けて、声をかけてきたのは
「セリニさん!?」
セリニさんだった
「どうしてここに……」
「教育実習?」
「学校の先生だったんですか!?」
「いや、ネイティブ的な感じかな?一応英語出来るから」
そう言って俺の横に椅子を持ってきた
「あの……」
「気分が悪いなら無茶はするな」
「……すみません」
「……ミヤノって子が全員の記憶に残っていないのが辛いんだな」
セリニさんも宮野が消されたことを知っているみたいだった。だから俺は、はいと答えるしかなかった
辛くて、悲しくて、でも周りに当たるわけにもいかなくて
「セリニさんにはわからないと思いますよ。俺の気持ち」
俺がそう言うと、セリニさんは俺にデコピンをした




