三十四章
セリニさんはしいなに言われた通り、俺を送ってくれた
星も月も、何もかもが何時ものようだ。違うのは、宮野がこの世にいないこと…
俺はふとあることが気になりセリニさんに聞いてみた
「セリニさんはいつ契約したんですか?」
「俺が八歳のとき」
「嫌じゃなかったんですか?」
セリニさんは歩みを止めた。そして、苦笑をしながら言う
「俺に、選択肢はないんだ」
「えっ?」
「俺は元々心臓が悪く、長くは生きられなかったんだ」
セリニさんは簡潔にしいなとの出会いを語った
赤ん坊の頃から心臓が弱く、いつ発作が起きるかわからず、病院で寝たきりに近かったそうだ
普通の子と違う自分。それにストレスを感じそして、自殺をしようと思った時に、目の前にしいなが現れ、生きるか死ぬかの選択肢を与えたそうだ。
セリニさんは迷わず生きるを選択し、しいなはセリニさんの心臓病を治した。かわりにセリニさんは戦いに身を投じることとなった
たった八歳の子供に残酷な世界を教え、戦わせるなんて、残酷だと感じるが、セリニさんは自分のした選択を間違えたなんて思わない。いや、思いたくないのかもしれない
「セリニさん……」
「悲観しなくてもいい。それが、正しい選択なのかどうかだって、まだ誰にもわからないから………」
「……」
「今日の月は綺麗だな……」
セリニさんの言葉を聞いて、俺も空を見る。
セリニさんの言う通り、今日の月もこの世界が残酷な世界だとしる前、何気ない日常と変わらぬ、何時もの綺麗な月だった




