第68話 セッツ攻防 その2
皆様ご無沙汰してます。
弁解の余地はありません。
今回は作者の遅筆が原因です。
今、敏文達はセッツに向かって、イブキの手に掴まれた球体の中にいた。
「ぎゃうっ!」
敏文の肩に乗っている双頭虎が片手で顔を擦っている。
そのまま見ていると猫が顔を擦っているのとそう変わらない光景に敏文には見えた。
「そう言えば、お前たち自分の名前はあるのか?」
敏文がそう双頭虎に尋ねると、男の声で右の頭が答える。
「いや、我らは名を持たぬ。お互いと子等さえ認識出来れば構わなかった故な」
「あなたが名付けてくれるかしら?」
左の頭からそう言われた敏文は双頭虎の両脇を掬うようにして掴むと自分と相対するように正面に抱えた。
「そうだな。ならば、雄のお前を傲風、雌のお前は傲雷にしよう。二人同時に呼ぶときは傲と呼ぼうと思うんだが、それでいいか?」
「好きに呼べばよい」
ゴウフウがそう言う。
「そうか、じゃあ宜しくな、ゴウフウ、それにゴウライ」
「ああ」
「ええ」
その敏文の後ろではサラがピュアを胸に抱いて頭を撫でていた。
「いいなぁ……」
その様子を羨ましそうに見るシオリ。
ミサキがそんな妹の姿に彼女の肩に手を置いて励ましの言葉を贈る。
「私達にも出来ることはあるわ。あなたのそのワンドもこれから始まる戦いには大きな力になるはず」
「うん、そうだね」
「もうまもなくセッツだな」
敏文の耳にイブキの声が聞こえてくる。
その声を聞いた敏文は≪遠視≫の技を使ってセッツの様子を伺うとすぐに叫んだ。
「おい、まずいぞっ。セッツの街中や防壁の周りはもう魔獣であふれてる! 皆すぐに戦闘になる! 備えてくれ!」
その頃セッツの街には阿鼻叫喚の光景が広がっていた。
国軍兵やトーヨ子爵の領主軍の大半、主力となる高位の探検者達の多くが海岸の防壁に詰めており、海からの魔獣の襲来に備えていた為、街中には領主軍の一部と国軍の予備戦力や低ランクの探検者達しか残っていなかったのだ。
その為、アイアンクラブの襲来に耐えきれなかった探検者や街の住民が次々と犠牲になっていた。
逃げ惑い右往左往する人々、体の一部を失った痛みに泣き叫ぶ人々、そして物言わぬ亡骸。
それでも探検者や兵たちは何とか住民を避難させようと懸命に戦っていた。
「おい、何だよこりゃあっ!」
セッツの市街地、港近くの商店街の中で、ランク赤の探検者シュンは自慢のハルバートでアイアンクラブの甲羅を叩き割りながら叫んでいた。彼の金色の長い髪が汗で顔に貼りついて、うっとおしそうに手甲で拭っている。
彼は同じ探検者チーム、ランク赤の【ギフーの翼】の仲間たち3人とギフーの商人のセッツまでの護衛依頼を終えてセッツの探検者組合に完了報告に立ち寄ったばかりの所だった。
セッツ支部にたどり着いた彼らは何も事情が飲み込めないまま足留めを受けた上、有無を言わさず拒否権のない緊急依頼に駆り出されていた。
「何なんだよっ! こんなバカデカイ蟹、どっから湧いて来やがったんだっ! 殺っても殺っても減らねえじゃねえかっ! 全く誰の仕業だっ! ふん捕まえてワビ入れさせてやるっ!」
厚刃のバスタードソードをアイアンクラブに叩きつけた黒髪のツンツン頭の男カイトが、斜め上から振り下ろされてきた別のアイアンクラブの蟹爪をかわしながら愚痴を溢す。
「貴方達っ! 無駄口叩いてる暇あったら、1匹でも潰しなさいよっ!」
淡く青みがかった髪をポニーテールにしている魔法士ナナが、二人に向かって叫ぶ。彼女は叫びながらも初級の雷魔法《雷弾》を飛ばしてアイアンクラブを牽制する一方、《雷球》の魔法を手にしたメイスに纏わせ、近づくアイアンクラブの眼や脚の付け根等の弱い部分を殴り付けていた。
その背後ではチームの治癒担当の水魔法士サクラがアイアンクラブに襲われて怪我をした少年の治療を行っていた。
「お願い、もう少し頑張って! 後少しでこの子の脚が……」
「おう、サクラ、任せとけっ!」
カイトがサクラに向かって叫ぶ。
その様子を見ながら、ナナは魔力回復薬の瓶の蓋を開けて一気に飲み干すと、その瓶を投げ捨ててメイスを構え直す。
「私達いつまでこいつらの相手を……このままだとそんなに長くは……」
そう、折れそうな心をナナは歯をくいしばって奮い起たせる。
「でも、やって見せるっ!」
その時サクラが叫んだ。
「みんなっ! この子の治療終わったわっ! 闘技場まで連れていきましょうっ!」
彼女達は避難が必要な住民がいた場合、セッツの闘技場に連れて行くよう、組合から指示を受けていた。闘技場はその外周に防御魔法を張ることが出来るようになっており、いざという時の住民の避難場所に指定されていたのだ。
「よしっ! じゃあ、移動しようぜっ!」
アイアンクラブの脚を切り飛ばしながらシュンが叫ぶ。
4人は保護した少年をかばいつつ、移動を開始した。
その頃、街を見下ろす小高い丘の上に建てられていたセッツ領主トーヨ子爵の館では、当主のトーヨ子爵トミゾーが執事達に叫び散らかしていた。
「早く荷物をまとめるんだぁ! つめるだけ馬車に詰めこめぇ!」
トーヨ子爵は自分だけ、街を見捨てて逃げ出そうとしていた。
トーヨ子爵家は先代当主トミジの領地経営と公正な差配の評価を受け、このセッツの領主として転封されてきた家だった。トミジは領民を慈しみ、領内の整備と港の構築に力を注ぎ、現在のような商業の盛んな一大港湾都市に発展していた。
コーベンに集中していた港湾業務の大半をセッツに移行することで、コーベンの負担を軽減、王都としての壮麗さと美しい街並みを整備するきっかけを作っていた。
そのため、先王からの評価もきわめて高く、それまで男爵であったトミジは子爵となり、現在の家の繁栄の礎を築いていた。
そのトミジの晩年唯一の悩みが、継子がトミゾー一人しかおらず、しかも、その能力・性分に少なからず課題を抱えていたことだった。
トミゾーはトミジの良いところを継ぐことなく、猜疑心が強く、強きにへつらい弱きを挫く性格の持ち主だった。一見容姿も整っていており、公の場では品行方正な態度をとっていたので、一般の民衆はその素性を知ることはなかったが、その仮面の下には別の顔を隠していたのだ。
トミジが公正な経営を行い、賄賂などの不正行為に極めて厳しく臨んでいた一方で、トミゾーは夜な夜な不埒な輩とつるんでは、夜のセッツで豪遊を繰り返していた。多忙なトミジが私邸になかなか帰宅できない一方で、早くに母を亡くし幼いころから乳母が面倒を見ていたのだが、トミゾーに極めて甘かったため一歩公の場から離れると思うが儘の暮らしをしており、品行方正という言葉がお世辞にも使えないような生活を送っていた。
トミジが病に倒れた時、トミゾーは自分の時代が来たとほくそ笑む。
そして、早々にトミジが身罷ると子爵家を世襲した彼は箍が外れ、それまで公正な領地経営だったトーヨ子爵家に賄賂と不正の横行という結果を持ち込んだ。
現在の彼は暴飲暴食淫行の限りを尽くした結果、見た目も見る影もなく、ブクブクと膨れ上がってたるんだ腹と顎の肉が歩くたびにタプタプと揺れていた。いつもニタニタと気味の悪い笑みを浮かべ、儲け話と聞くやえげつなく噛みこんではセッツで商売を行う商人たちから、甘い蜜を吸い続けていた。
その彼が珍しくその気味が悪い笑みを消し、必死な表情で執事たちに指示を飛ばしていたのだ。
「女たちも馬車にのせろぉ。急いでつれて行くんだぁっ!」
彼の眼には、混乱を極める街の様子や、巨大魔獣の影がちらつく港の様子が見えていた。領主として防衛の指揮を執るどころか、一刻も早くこの光景から逃げ出したい一心だったのだ。
その時、領主軍の司令官、子爵の甥のトールが部屋に飛び込んでくる。
「叔父貴っ! 防壁がやばいぞっ! 街中も魔獣が溢れて住民にも被害が……って何やってんだよっ! 何だよこの有様はっ! まさか自分だけ逃げ出そうってんじゃないよなっ!」
そのトールの剣幕にトーヨ子爵はでっぷりと太った体を落ちつかなげにゆすり、脂汗を垂らしていた。そしてその目は激しく泳いで明らかに挙動不審な態度をとっていた。
「あ、当たり前ではないかっ。私はこの街の領主だぞ……。そ、そうだ、私は国王陛下にこの状況を直接ご報告して援軍を呼ばねばならん。そうだ、だから一刻も早く出発せねばっ」
そうは言うが、子爵のその様子は言葉と裏腹にまったく説得力を伴っていなかった。本心ではトールが指揮をとって魔獣を防いでいる間に、自分たちは彼らの犠牲によって王都コーベンの自分の上屋敷に逃げ込もうと思っていたのだから。
もし敵前逃亡の罪を国王に問われるようなら豪勢に金をかけて作られた所有客船で溜め込んだ私財をもって国外に亡命することも考えて、王都の上屋敷の留守を預かっていた自分の長男には指示を出してもいたのだった。
「叔父貴ぃ。そうはさせねぇぞっ! あんたの領地だろっ! ここで命運を共にしてもらうぜっ! おいお前たち、領主様はお疲れだっ! 部屋で休んでいただけっ! 魔獣がこれだけ周囲にいるんだ、何が起きてもおかしくないからな。一緒に部屋にいてお守りしろっ! 決して何人たりとも出入りをさせるなっ!」
トールは自分がつれてきた領主軍の兵たちにそう指示すると、ため息をついた。
「領主軍の司令官なんてお飾りみたいなもんだと思ったから引き受けたのになぁ。なんだよこりゃ。とんだ貧乏くじじゃねぇかっ……」
すると、傍にいた副官シンタがニコリと笑って声を上げる。
「仕方ありませんな。閣下の肩に住民の安全がかかっておりますれば」
トールはもうひとつ大きなため息をつく、苦笑いをしながら、シンタの肩を叩いた。
「そうだな。仕方ねぇ。給料分の仕事をしようかと言いたいが、超過勤務手当もほしいところだな」
「そうですね。是非私もいただきたいと思います。生き残って」
シンタは爽やかに笑顔を見せる。
「お前無駄に爽やかな笑顔だな。ふっ、まあいいさ。叔父貴があんなだからな、せめて領民のためにあがいてみるとしようか」
「はい」
そう言って二人は住民の避難誘導や防御の指揮を執るために部屋を出て行った。
その頃、闘技場へ向かっていたシュンたち【ギフーの翼】の4人は途中で、逃げ遅れていた母娘や腰が抜けて動けなくなっていた老人をつれて、もう間もなく闘技場というところまで近づいていた。
「ケンっ! もう少しだっ。闘技場につけば魔法障壁があるっていうし、一息つけるからなっ」
黒髪のカイトがバスタードを肩に担ぎながら、サクラに治療されて歩けるようになった少年ケンを励ます。
「はいっ。ありがとうございますっ! カイトさんやサクラさん達のおかげですっ」
そう言いながらもケンは、傍にいるサクラの方を頬を赤くして見つめている。
どうやらサクラに治療中に優しく声をかけ続けられていた結果、少年時代にありがちな年上の女性に憧れる状況が発生しているようだ。
「おい……励ましているのは俺なんだがな……」
ため息をつきながらも自分も少年時代に隣に住む年上の女性に憧れていたこともあり、ケンの気持ちも理解できるカイトだった。
「おい、止まれっ! そこで待ってくれっ!」
先頭を歩いていたシュンが、闘技場へ通じる道へと入る曲がり角を曲がろうとしたその時、急停止して後ろを振り返った。
その顔は険しいものになっている。
「どうしたのっ! 地図通りなら、この角の先に闘技場が見えるはずでしょ?」
そうナナがシュンに問いただす。
「ああ、そうなんだがな……。まずい状況になっちまったようだ」
その深刻なシュンの様子に、怪訝な表情を浮かべたナナとサクラは建物の角でひょいと顔だけを通りの向こうに覗かせた。
そして次の瞬間、二人同時に青ざめた顔で、後ろにいた皆に向かってつぶやいた。
「シュンの言うとおり、極めてマズイわね……」
「闘技場がカニでいっぱいになってるっ」
呆然とするナナと建物の壁に寄り掛かるサクラ。
二人が見たのは魔法障壁を張った状態の闘技場が大量のアイアンクラブに群がられている状態だった。
「どうすればいいんじゃあ」
「そんなぁ、やっとここまで逃げてきたのに……」
「ママぁ」
その場に力なくへたり込む老人と母娘。ケンはサクラにしがみついて震えている。
「俺たちはこの街は初めてで土地勘がねぇ。おいお前たち、他にどこか避難できる場所を知らねぇか?」
そう言うカイトに老人は首を振りながら答える。
「先代様の時でしたら、領主様のお館に向かえば助けてもらえたかもしれねぇが、今は……」
「え、領主様のところで助けてくれないっていうの?」
ナナの問いに、母親が答える。
「今の領主様はあまり民のことを考えてくれる人では……。行っても追い返されるのがオチです」
「そんなっ」
サクラも驚く。
「そうだ、トール様なら助けてくれるかも……」
その時、老人がつぶやいた。
「トールって?」
カイトが老人に尋ねると老人は表情を明るくして叫んだ。
「そうだっ! トール様のところに行けばいいっ! トール様はいつも困ったことがあったら言えって言ってくださっておったっ!」
「トール様は領主様の甥で、領主軍の司令官をされています。あの丘の上の領主様のお屋敷の下に領主軍の建物があるはずです。そこに行ければっ! お願いです。そこまで私たちを連れて行ってください」
母親も少し希望を見出したように、カイトに頼んできた。
「おい、ナナ。場所わかるか?」
地図を覗き込んでいるナナにカイトが尋ねるとナナが顔を上げる。
「ええ。ここから、歩いて15分ってとこかしら」
「じゃあ、そこに行きましょうっ!」
サクラがそういってケンを支えながら立ち上がった時、シュンが苦しげな声を上げる。
「行きたいのは山々だがな、そう簡単ではなさそうだぜ」
そう言ってシュンが指差したのは、今までたどってきた道の方からワサワサと近づいてくるアイアンクラブの大群だった。
一方、港前の防壁は、惨憺たる状況になりつつあった。
防壁の内側からは無数のアイアンクラブが襲い掛かる中、海上の巨大触手魔獣が防壁に張られた魔法障壁を侵食していたのだ。
さらには防壁の海岸との付け根部分では、これも巨大化した海蛇が魔法障壁の発生装置が守られた両端の尖塔にそれぞれ取り付き、尖塔自体を破壊しようとしていた。
「おい、まずいっ! 尖塔が壊されたらこの魔法障壁も消えちまうっ! そうなったら、ここも持ちこたえられねぇっ! なんとかしないとっ!」
国軍兵が叫ぶが、周囲の兵や探検者たちは目の前のアイアンクラブから身を守ることで手一杯だった。
多くの兵や探検者たちが、アイアンクラブの鋏に体をえぐられ、両断される一方で、アイアンクラブの数はますます増え続けている。
時折、魔法士が散発的にシースネークへ基本属性魔法を放っているが多少の傷を与える程度で、シースネークの尖塔破壊を防ぐような攻撃にはなっていなかった。
「くそっ! こんなのやってられるかっ! 街にはマリナがっ! ちきしょうっ! 俺はもうここの守備はやめたっ! マリナを助けるんだっ!」
そう言って、探検者の1人サッタが防壁を陸側に向かって走り出す。
「おいっ! お前自分だけ逃げるなっ!」
彼の仲間が呼び止めようとするが、アイアンクラブがその口から吐き出した高速の体液に上半身を持っていかれ、激しい血飛沫とともに下半身だけがその場に崩れ落ちる。
そんな仲間を見向きもせずに、サッタは恋人の名前を叫びながら、防壁の上を走っていく。
それを見た探検者や、もともと戦意が低い領主軍の兵に動揺が奔る。
「ここにいてもジリ貧だ……。今のうちに……」
「……ああ」
そういうと、一人、二人と持ち場を離れて街へ向かおうとする。
「お前ら、ここで踏ん張らないと街がっ!」
そういって止めようとした国軍兵を突き飛ばして数人の探検者や領主軍の兵が街へむけて走り出した。
もはや、防壁上の彼らの戦意は失われようとしていた。
3枚あった魔法障壁もすでに2枚が巨大触手の魔獣に侵食されている。
尖塔の崩壊も時間の問題。
(もう、ここはもたない……)
国軍の指揮官も限界を悟りつつあった。
「総員……」
指揮官が周囲の兵士たちに撤退を指示しようと口を開いたその時、轟音とともに両側の尖塔が崩壊した。
「なんてことだっ!」
指揮官の叫びとともに、彼らの命綱だった魔法障壁が消失する。
もはや、彼らを巨大な触手魔獣から守るものはない。
シースネークも街へ向かうものがある一方、防壁の兵士たちにも襲い掛かった。
「うわぁ、もうだめだぁっ!」「ひいっ!」
何とか踏ん張っていた探検者たちや国軍兵の戦意も底をつき、一気に戦線が崩壊し始めた。
我先にと街へ向かって逃げ出そうとする彼らに無数の触手が襲い掛かる。
「ぎゃあっ! 誰か助けてくれぇっ!」
「ちきしょうっ、こんな触手なんかにっ! ぐわっ!」
次々と触手に絡め捕られて海上へと連れ去られる探検者や兵士たち。
「あ……あ……、くそっ! 俺はマリナのところに……、マリ……ナ……」
その時、サッタは襲ってきたシースネークに牙を腰に立てられて咥えられていた。そしてそのあまりの痛みに気を失いそうになっていた。
もはや、彼の視界は揺れるセッツの街並が微かに見えるだけ。
彼は眼を瞑り、涙が頬をつたうその脳裏には愛しいマリナの姿が浮かび、最後の刻を迎えようとしていた。
その時、耳をつんさぐような轟音と共に、サッタは大きく揺さぶられ腰からシースネークの牙が抜けた。
そして周囲から、シースネークやアイアンクラブがうごめく気配が消える。
キシャャァアアアアアアッ!
そして、防壁のすぐそばからおぞましい悲鳴のような叫び声もあがった。
「な、なんだ?」
地面に倒れていたサッタは眼を見開いて、周囲の様子を見る。
その場に生き残っていた兵士や探検者たちも自分に何が起こったのか理解できなかったようだ。
しきりに周囲を見回してざわめいていた。
そして彼らが見たものは。
今までそこに無数に這い回っていたアイアンクラブとシースネークの体中に無数の穴が穿たれ、おびただしい血と体液を撒き散らして息絶えている姿と、あの巨大な触手の魔獣の無数の触手がほとんど切り落とされて海に漂っている様だった。
「な、何が……起こったんだ……」
そう呟いたサッタは、そのまま気を失ってその場に崩れ落ちた。
最後まで読んで下さってありがとうございます。
文章を書くということは本当に難しいですね。
スラスラ出るときはすぐに書けるのに……。〇田さんの言うケチャップドバドバみたいにドバッとアイデアが浮かべばいいのですが……。
dailyで更新を続けられている方達のこと、本当に尊敬です。




