第43話 ムーンライトな時間
2014.4.18 話を大きく修正しました。
「ああ、あった。アヤメ、ここだわ」
「よかった。見つけられて。さ、入ってみようよ」
アヤメとサラは、今王都の中央第2区にあるとある場所に来ている。
その場所の名は[ムーンライト]。ちょっと奥まった場所にある隠れ家的な料理店で、女性のオーナーが美味しい料理とお酒を出してくれる店だ。
1年くらい前に出来た店で、王都の女性の間では密かな噂になっていた。
「こんなところにお店があったんだ。あら、意外にお洒落じゃない」
後でそう言っているのはミシェル。アヤメ達がこの店に向かおうと歩いていたら、声をかけてきたのだ。彼女は土魔法の使い手でもあるから、道路や建物の復旧を手伝った帰りだった。
これから一人で食事をして帰るところだというので一緒に連れて来た。
アヤメ達は店の扉を開けて中に入る。
すると、扉の上からフクロウの鳴き声がしたと思ったら、店の奥から女性が現れた。
「いらっしゃいませ」
「あの、アオイさんの名前で予約が入っていると聞いているのですが」
「はい、伺っていますよ。お一人お客様が増えたことも伺っております。どうぞこちらに」
◇◇◇◇◇
7日前、あの日の翌日の探検者組合の帰り道だった。アヤメの《遠話の腕輪》に突然カオリからの連絡が入った。
「あ、アヤメさん? 私は[純白の朝顔]のカオリ。わかるかしら」
「えっと、双子の……」
「あ、髪が赤い方。今話してもいい?」
「え、いいけど。どうしたの?」
アヤメはいきなりの話だったので少し驚いたが話を聞いてみた。
「もしよかったらなんだけど、今度私達と一緒にご飯でもどうかなって思って。一緒にあんなことに巻き込まれたのも何かの縁だし。《遠話の腕輪》も登録したしね。どう?」
「あれ、トシフミじゃなくて私?」
「そう。あ、サラさんもね。女の子だけでご飯てどうかなぁって思ってさ。どう?」
「え、ちょっと待って。……サラっ! ちょっと来て!」
アヤメはブンゾーと話していたサラを呼んで《遠話の腕輪》の会話に入るように耳打ちする。少しキョトンとしたが、サラは《遠話の腕輪》を使って会話に入ってきた。
「あ、カオリさん?」
「あ、サラさんも会話に入ったのね。今、アヤメさんに私達と女の子だけでご飯のお誘いをしたところなんだけど」
「え……女の子だけ?」
「そう」
「え、うん! 行くよ。行く行く! で、いつにする?」
サラは行くって決めちゃった。私まだ返事してないのに……。ま、でもいいか!
「カオリさん。私も行くわ」
「そう、ありがとう。日付と場所はどうしようか。もし、特別に駄目な日がなければこちらで決めてもいい?」
「ええ、こっちは大丈夫だからお願い」
その時サラが思いついた様に言う。
「あと女の子二人連れてきたらダメかなぁ?」
「え、いいけど。誰?」
「[漆黒の猟犬]のサリナとレイカって言うんだけど知ってる?」
「ああ、あの二人ね。ええ、いいわよ。二人の連絡はじゃお願いね」
「わかった! じゃあね!」
サラはアヤメが口を挟む暇なく通信を終わらせてしまった。
◇◇◇◇◇
そうして、アヤメ達は今日ここ[ムーンライト]にやって来たところだ。
通された部屋には、アオイが一人待っていた。
「遅くなってごめんなさい」
アヤメは謝った。
「いえ、大丈夫よ。逆にごめんなさい。姉と妹達は、土魔法士だから復旧の手伝いに行っていて少し遅くなるみたい」
「急に飛び入りで参加してごめんなさい。大丈夫かしら?」
ミシェルが聞くとアオイはにっこり笑って大丈夫だと答えた。
暫くすると、サリナとレイカが、続けてミサキ達が店に現れ、メンバーが全員揃った。
飲み物が配られるとカオリが立ち上がる。
「今日は集まってくれてありがとう。まずはここの料理とお酒を楽しみましょう。仲良くなる為に“さん”付けで呼ぶのは禁止! みんなフランクにね。せっかく野暮な野郎共は居ないから心置きなく飲んで食べましょう。じゃ、かんぱ~い!」
アヤメは乾杯のお酒を口にすると少し驚いてグラスを見る。
(あ、このお酒美味しい。口当たりが軽くって飲みやすい)
「一応皆顔見知りでいいのかな? あ、ミシェルは[漆黒の猟犬]の二人とは……」
「初めまして……かな」
サラの問いにミシェルが答えた。
「じゃ、取り合えず簡単に自己紹介からにしようか」
アオイの言葉に皆それぞれ手短に自己紹介する。
自己紹介が終わった時、前菜とサラダが運ばれてきた。シオリがサラダを取り分けてくれる。
「ここのお店ってどうやって知ったの?」
「私がここのオーナーの女性と知り合いなの」
サラの質問にミサキが答えた。
「彼女昔から料理がとても上手で、もし店を構えたら、絶対に行くって言ってあったから連絡もらえたの。それからよく通うようになったのよ」
アヤメはサリナとレイカに声をかけた。
「黒い服以外大丈夫になったんだ。その服とってもいいよ」
以前定期船で一緒になった時、ケイジのポリシーで黒以外着ちゃだめだって言われてるって聞いた時はアヤメも驚いた。
(プライベートでもダメって言われるとちょっと驚いちゃうよね)
「あの後、ケイジと話したのよ。それでね。この《速替の指輪》を二人とも手に入れたの。いざという時直ぐに装備を変えられるからね」
サリナが嬉しそうに言う。
「あのリーダー、そんなとこで縛るんだ」
出てきた料理を前にカオリが言う。
「彼なりのこだわりなのよ。普段は色々気を使ってくれたり、とても優しいの」
「サリナってケイジと付き合ってるの?」
カクテルを手にサラが聞く。ストレートな質問に驚いた顔をしたアヤメにサラはにこっと笑って言った。
「女の子しか居ないんだから、ストレートでいいじゃない」
「そうそう」
カオリが頷いてさらに突っ込んだ。
「で、どうなの?」
「カオリ……」
ミサキがたしなめるような表情で言うがお構い無しだ。
「う~ん。付き合ってるかな。ちょっとはっきりしないかも。ケイジは少し硬い所があってね。皆の前では一切そう言うの見せないし。一緒にいるときも普段とあまり変わらないしね。あたしはその気だったりするんだけど」
「じゃレイカは? 彼氏いるの?」
(もうカオリを止めるのは無理かも……)
アヤメにはそう思えてきた。
「えっ、いや私は……」
「この娘はジョウジに昔から……ね」
「もうっ、サリナ!」
「いいじゃない。ジョウジもあなたの気持ちは解ってるみたいだし」
サリナの言葉にレイカは恥ずかしがっている。
「そっかあ。[漆黒の猟犬]は中で間に合ってる状態な訳ね」
カオリはふんふんと頷いている。
「ミシェルは誰かいるの?」
サラがまた話を拡げる。アヤメはこの流れでは自分やサラも白状しなきゃいけなくなる事に少し焦ってきた。
「私は今は居ないの。私もストランドにいたときは付き合ってた人がいたのよ。何となく結婚も考えてたわ。でも、そんな時にホーエン留学の話が来たの。私はどうしても来たかった。だって精霊が数多く住まう国へ魔法を学ぶために留学出来るんだもの。私直ぐに飛び付いたのよ」
「そっか、ミシェルって留学で来てたんだ」
サラが言う。
「そう。留学の期間は5年。彼は自分の仕事があったし、5年も待てないって。実はそれでおしまいになったの」
(なるほど、ミシェルも色々あったんだ)
アヤメは今まで知らないミシェルの一面に驚いていた。
「私はそうまでして留学したんだから、何としてもホーエン魔法の研究の成果出さないとって頑張って、オズーノ様の弟子になって、魔法も3属性上級まで使えるようになった。でも肝心の精霊と出会えていなかった。今年が留学最後の年なのよ。正直諦めかけてたわ。でもやっと……」
「ああ、トシフミの」
「そう。だからこれから彼を研究の対象に……」
「それって彼にじゃなくて、精霊に興味があるってこと?」
「う~ん。まずは精霊かしら」
「何だか話が随分違う方向にいっちゃったわね。要はミシェルは彼氏なしと。今はトシフミにくっついてる精霊に御執心と。そんな感じ?」
カオリが纏める。
そしてシオリがサラとアヤメの方を見る。
(何だか今から野獣に食べられる小動物の心境だわ)
アヤメはそう感じた。
「じゃ、次はサラとアヤメね。あなた達はどうなの?」
カオリが聞いてくる。
「何だかさっきから、カオリってば人のこと聞いてばっかり。あなたは?」
アヤメが聞くと、カオリはニヤッと笑って言う。
「私? 私は今はいないわ。今まで8人と付き合ったけど、何かしっくり来ないんだよね。だから、あまり長く続かないっていうか」
「カオリは男の人に求めすぎだと思うよ……」
シオリが呟く。
「そっかなあ。でもやっぱり頼れる男がいいし。でも、私達紫になってから声掛かる回数減ったなあ。人気落ちてるのかな」
カオリの言葉にサリナが突っ込む。
「男からしたら、ランク紫の探検者の女性って言うだけで、自分より強い女って思っちゃうんじゃない? おいそれと声掛けづらいって感じだと思うけど」
「やっぱりそっかあ」
「何だカオリ、声掛けられてる時はうざいとか言ってた癖に」
「こう男日照りだとねえ」
アオイの突っ込みにぼやくカオリ。
「やっぱり、男の人って強い女とか戦える女って駄目なのかしら……」
何だかミサキが元気がない。
「どうしたの? 何かあったの?」
サラが聞くとミサキの代わりにシオリが説明した。
「ミサキ姉さん、付き合ってた彼から、「俺より強いんだし、俺じゃなくてもっと強い奴を探してくれ」って振られた事があったの。それ以来、男の人と付き合ってないみたいで」
「シオリ……」
「男って見栄っ張りな動物らしいから。彼女にはいいとこ見せたがるんだよね」
サリナが言う。
「別に強くなくてもいいんだけど」
アオイが付け加える。
「私が付き合ってた彼氏は、私より弱かったけど私は平気だった」
「あれ、その彼氏とは?」
「途中から、やたらと私の行動を縛るようになってきて。それで……ね」
サラの言葉にアオイがそう答えた。
「だから、[純白の朝顔]は今全員空き家状態なんだよね。何処かにいいのが落ちてないかしら」
「カオリ酷い。私何も言ってないのに!」
そう言うシオリにカオリがイタズラがばれた子供みたいに笑って言う。
「だってシオリは23にもなってまだ男に夢見る少女だし。まだ誰とも付き合ったことないんでしょ」
「う、確かに付き合ったことないけど……」
(あ、シオリって私と似てるかも)
アヤメはそう考えた。
「じゃ、最後にあなたたちね。サラはどうなの?」
カオリがワキワキしながら聞いてくる。
「私はねぇ。向こうで学生やってるときには付き合っている人いたよ。でも、この世界に来る時にはいなかったんだ。声はかかってたんだけど、なんとなく付き合いたいって思う人がいなくて。で、こっちに来てからは、今はトシフミのことが好きなの」
(あ、そこではっきり言っちゃうんだ。)
アヤメは驚く。
「あ、そっか。サラは“異邦の人”だったわね。こっちに来て……」
「まだ、1か月とちょっと」
「そういえば、トシフミとはどうやって知り合ったの?」
「一緒に向こうの世界から突然こっちにね。その時知り合ったんだ」
サラは、カオリの質問にこちらの世界に来た時のことを簡単に話した。
「ふーん。そんなことがあったの。じゃトシフミとはその時初めてあったのね。で、もうトシフミのことが好きなの? 吊り橋効果っていうのかしら?」
ミサキの質問にサラはまじめな表情になって答える。
「向こうの世界のこと知っているただ一人の人だし、一緒にいるとほっとするっていうか。でも、それだけじゃないんだ。この1ヶ月ちょっと一緒にいて、彼の心や悩みに触れて、私のつらさも共有してくれて。そして私を力強く守ってくれる。今は私になくてはならない人」
「「「「「「「へぇ~」」」」」」」
アヤメ以外の7人が反応している。
「で、付き合ってんの?」
身も蓋もなくカオリが突っ込む。
「気持ちは伝えてるよ。でも、彼には向こうの世界に奥さんと娘さんが2人いるの。まずは元の世界に戻れるのなら帰ることを第一に考えているみたい。だから、今は返事は貰っていないんだ。私も向こうにパパやママやおばあちゃんがいるし、帰れるのなら帰りたい。でも、もし帰れないのなら、私はずっとトシフミの傍にいるつもり」
サラの言葉にアヤメは考える。
(私はどうなんだろう。トシフミに対して私はどういう風に思っているのかな)
「じゃ、アヤメは?」
「私は……」
皆がアヤメを見ている。
「私もトシフミのことが好き。今は私も彼なしでは考えられない。この気持ちは私もトシフミに伝えてあるの。確かに出会ってから、まだ1ヶ月ぐらい。サラよりも短い。でも、長さは関係ない。彼の傍で彼を支えたいし、彼のぬくもりを感じていたい。私に彼のために何ができるのかはわからない。彼がもし元の世界に帰ったら、その時私どうすればいいのかもわからない。でも、今彼はこのローメリアにいて、私と同じ時間を過ごしている。だから彼と一緒にいる時間は私にとってとても大切なの」
「じゃ、二人はトシフミにぞっこんてわけね」とカオリ。
「やっぱりそうなんだ」とアオイ。
「ううっ、でも、でも……」と呟くシオリ。
「……」沈黙するミサキ。
サリナとレイカはニコニコとアヤメとサラを見ている。
(以前、定期船で似たような話したからかな。わかってくれている感じ……)
そう考えているアヤメの様子をミシェルはへぇっと感心した顔をして見ていた。
「ねぇ。サラ、アヤメ。怒らないで聞いてくれる?」
カオリの言葉にサラとアヤメは頷く。
「私探り合いみたいなのがあまり好きじゃないから正直に言うけど、実は私達4人もトシフミが気になっているの。あなた達ほどまだ強い思いじゃないけれど、でも私達がそれぞれ頼りがいのある人って思える存在になっているの。ミサキ姉さんだって男に対するトラウマがあるのに、トシフミのことが気になりだしている。だから、私達ももっとトシフミのことが知りたいんだ」
(あ、急に声がかかったのはそういう理由だったんだ)
アヤメはようやく納得がいった。
そして場にちょっと沈黙が走る。
(私はダメって言いたい。でも、私にそんなこと言えるのかな。まだ、私やサラはトシフミと付き合ってるわけじゃない。でも、絶対にトシフミは取られたくない。お願い私から取らないで!)
するとその沈黙を破ってサリナが言い出した。
「じゃ、みんなで付き合っちゃえばいいじゃない。だって彼は5属性と4人の精霊の魔法が使えるんでしょ。じゃ問題ないわよ」
サラはアヤメに向かってなに言ってるのこの人的な顔をしている。
「え、どういう意味?」
サラの言葉にサリナが説明する。
「あ、そっか。サラは知らなかったんだね。この国では法律で上級魔法士はその使える属性の数だけ奥さんや旦那さんを持ってもいいことになってるの」
「え、そうなの? アヤメ知ってた?」
アヤメはこくっと頷いた。
驚くサラにサリナが説明する。
「このホーエンでは魔法士は国の貴重な宝ってされていてね。魔法士の力って突然現れる人もいるけど、親や先祖に魔法士がいる人がほとんどなのよ。だから、魔法士の子供が魔法士である可能性が高いの。ここにいる全員がそうだから勘違いしてるかもしれないけれど、もともと国に300万人の人口がいる中で、魔法士の割合はほんのわずか。魔法士が増えることは国にとってもいいことってされている」
「つまり、トシフミは……」
「そう、今の状態でも、9つの属性を持っていることになるから、奥さんを9人まで貰えるってこと。あなた達が全員彼に貰ってもらってもまだ3人も貰えるの」
「もしかしてオズーノ様も?」
サラの疑問にミサキが答える。
「ええ、6人いるわ。シオリとカオリは同じだけど私達母親が皆違うもの。お父様も迷ったみたいだけど、魔法士が増えることを期待して決めた国の決まりだから、上に立つものが率先しないとって。でも6人ともとても大事にしてもらってるって言ってるわ」
サラは唖然としている。
「そうなんだ…………。あれ、でもダイカクさんは……」
「うちは一人。亡くなったお母様だけ」
アヤメが言うとサリナが補足する。
「全部の上級魔法士が二人以上と結婚するとは限らないわ。人それぞれよ」
「そう……」
するとサラはすぐに立ち直った。
「じゃ、けんかしなくてもいいじゃない。みんなで仲良くトシフミとつきあっちゃえばいいんだ」
「え、いいのそれで?」
アヤメはサラの反応に驚く。
「確かに自分を選んで貰えるならそれは嬉しいけれど、でも私は彼の性格を考えるとみんながアタックして、この中で誰かを一人選んでって言っても選べないというか選ばないような気がするの。それで結局誰も付き合ってもらえないより、全員でまとめて貰って! って言うほうがまだ彼が頷くような気はするなぁ」
(あ、確かにトシフミに私とサラのどちらかを選んでって言ったらどちらも選ばないような気がする。でもなんだか複雑……)
アヤメはまだサラのような割りきりが出来ないでいる。
サラはミサキ達に向かって言う。
「でも、お願いこれだけは聞いて。彼は向こうに家族がいるの。向こうの私たちの国はここと違って1人の奥さんしか結婚できない。彼はとても奥さんや娘さんを大事に今も思っているわ。だから、今そんな彼に向こうの世界を捨ててこっちで私たちと結婚してっていうのは無理だと思うんだ。だからすぐに彼氏にしたいんだったら、他を探したほうがいいと思うの。私はもう好きになっちゃったし、彼の気持ちを大事にしたいから、彼のことを待つつもり。でもそれが出来ないなら……」
「彼をあきらめろってこと?」とカオリ。
4人は顔を見合わせる。そして頷いた。
「いいわ。今までもどうせいい男いなかったんだし。目の前であんな戦いや頼りがい見せられたんだもの。“異邦の人”で5属性持ち。それに4人も精霊を宿して、剣も槍も突き抜けてる。あれほどのスペシャルそうは見つからないわ。我慢ぐらいできるわよ」とカオリ。
「「「私も」」」と3人。
「アヤメはどう?」
そう聞かれたアヤメはサラに答えた。
「気持ち的にはかなり複雑な心境よ。でも、サラが言う通り誰かを選べってお願いしたら選ばなそうな気はするわ。お互いに独占しようとしないってみんなで約束するってこと?」
「そうね。約束するわ」
シオリの言葉にミサキ達も頷く。
「じゃ、これから私たちは仲間ね」
サラはにっこり笑ってミサキ達に手を差し出す。
なんだかわけがわからない間にサラ達6人は一つの想いに仲間になり、サリナとレイカはそれをにこやかに見つめている。
その時、ミシェルが呟いた。
「あら、きれいなお月様」
その時、部屋には明るい満月の光が差し込んでいた。
(ところで勝手に盛り上がってるけどトシフミの気持ちは大丈夫なのかしら…………)
アヤメは首を傾げていた。
◇◇◇◇◇
その頃敏文は練兵場の地下で穴埋め作業に従事できて…………いなかった。
いざ、作業を始めようとしたら魔法・生物研究所から探検者組合経由で連絡が入り、現場の検証をするので埋めるのを待ってほしいと言われたのだ。
(どうするんだ?)
敏文が地上に上がると、魔法・生物研究所の所員達から自分達を地下に運ぶように依頼された。
そして敏文は今、彼等の言うがままにエレベーター役を務めている。
彼等は仕事なのか興味なのかとことん調べるつもりらしい。
(いつまでこの状態なんだろう)
敏文はひとつ溜め息をつく。
(ところで何故だかさっきからやたらくしゃみと寒気が。お~い。早く俺に仕事をさせてくれ~)
いつも読んでくださってありがとうございます。つらつらと書いているうちに気がついたら30万文字を超えていました。
どこまで書けるかですが完結目指してがんばります。
これからもよろしくお願いします。




