表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/90

第18話 タバルーの峠越え

2014.4.18 話を大きく修正しました。

 敏文達は探検者組合から帰って食事をとり、風呂に入った後にヤナーガへどのように向かうか話し合った。


 探検者組合で得た情報を元に考えると強盗団には、少なくとも魔力を封じる力を持つものと、剣士達の動きを封じるものがいることになる。


 考えなければいけないのは、相手の所在を掴むこと、相手の不意をついて初手を打つこと、魔力を封じる相手と剣士の動きを封じる相手を無力化することだ。


 まず相手の所在を掴むことについては、ダイカクの風魔法に加えて、敏文が《気配探知》の技を使うことが出来る。最大で大体1キルぐらいの範囲なら探知出来そうだ。

 探検者組合からの帰り道、敏文は宿にいる2人の気配をどれくらいの距離から探知出来るか試したところそれくらいだった。


 また魔法士を特定したり、魔道具の所在については、タクミから《魔力探知》の技を伝授してもらったので、それで特定出来るだろう。これも同じくテスト済みだ。


 相手の不意をつくことについても、敏文はタクミに適した技がないか確認した。


『これなんかどう?』

 タクミは技を3つ敏文に伝える。


 実際、宿へ帰る途中、人混みを外れた路地でダイカクとブンゾーの2人を相手に試したところ、2人が驚くくらい気付かれずに接近する事が出来た。


 少なくとも1人、うまくいけば2人ぐらいは無力化出来そうだ。


 万一、それ以上に魔法士がいる場合は、ダイカクの風魔法で魔法士の詠唱を妨害する手段がある。


 ブンゾー、サラ、アヤメは強盗のその他大勢を魔法で無力化する役割を担うことになった。


 ある程度は出たとこ勝負のような部分もあるが、やってみることに全員が同意したので、翌日予定通り陸路でタバルー峠を越えることになった。



◇◇◇◇◇



 翌朝、敏文達は宿の女将を心配させない為に、海路をとるつもりだと伝えて宿を出た。そして馬車をタバルー峠に向ける。


 御者台には敏文とダイカクが並び、馬車の中に3人が乗る。ブンゾーは後方の警戒をしていた。



 峠道を進み始めて暫くは何事も起こらず、敏文達は慎重に馬車を進めながら強盗が出ていると言われる峠の中腹に差し掛かろうとしていた。


 敏文はその時点で馬車を止めると《気配探知》と《魔力探知》の技を最大レンジの半径1キルに展開する。


「どうだトシフミ」

 ダイカクの問いに敏文は首を振る。

「いや、まだ気配はありません」

 そして技を展開したまま馬を進め始めた。


 しばらく進むと、敏文はある状況に気がつきダイカクと対応を相談する。頷くダイカクを見てその上でそのまま進むことにした。 


 10分程進んだ時だろうか。敏文は街道の中央に倒れている老人を見つけた。


 敏文は馬車を止める。

「どうしたの?」

 幌から顔を出したアヤメにダイカクが前方を指差す。


「あっ! 人が……」

 馬車を降りようとするアヤメに敏文が一言注意する。

「アヤメっ! 昨日の話解っているよな」


 アヤメはハッとして、大きく頷いた。

「ええ。解っています」

 そして幌の中に戻って状況を2人に説明した。


 馬車を老人の側に止めた所でダイカクはブンゾーに荷台に残るように伝える。馬車を離れている間に変な細工等をされない為だ。

 そして敏文、サラ、アヤメと倒れている老人に近づいていく。


 そしてダイカクが声をかけた。


「おい、大丈夫か!」


 老人は旅の商人といった風体で背中に剣で切られたような傷を負っていた。ダイカクの声に、少しだけ反応する。

「あ、う……」


 そこでダイカクは水魔法での治療を行う。


 ダイカクの治療を受けた老人は意識を取り戻して、敏文達にお礼を言った。

「助けていただいてありがとうございます。私はヤナーガの商人でサンジというものです」


 敏文はサンジに尋ねた。

「このような峠道に1人で倒れているとはどうしたんだ?」


 サンジは起き上がってサラから受け取った水筒の水を一口飲むと事情を説明し始める。

「クマモへの商品の運搬中に、強盗たちに襲われてしまいました。護衛の探検者は、強盗たちにやられてしまい、運搬中の馬車と荷物は奪われてしまいました。一緒にいた使用人たちは、皆切り殺されるか、連れて行かれてしまったのです。私は命からがら逃げ出すことが出来たのですが、背中の傷のせいで動けなくなってしまって」


「そうか……」


「助けていただいた上に本当に申し訳ないのですが、私をヤナーガまで連れて行っていただけないでしょうか? ヤナーガの警備隊に助けを求めたいのです」


 サンジは本当にすまなそうにお願いをしてくる。

 敏文はダイカクと顔を見合わせ頷いた。


 ダイカクは「仕方ないな」とつぶやき、サンジに馬車の荷台に乗るように伝える。

「それで、どの辺りで襲われたんだ?」

 敏文は、サンジに聞いてみた。

「この先の峠の頂を越えて少しヤナーガに向かったところです」

 サンジは幌から顔を出してそう答える。


「ほう、では警戒しながら進むことにしよう」

 敏文は幌の幕を閉めて、1人で御者台で手綱を握った。気配探知と魔力探知は最大レンジ展開したままだ。幌の中では、アヤメとサラがサンジをいたわるように扱っている。そしてブンゾーとダイカクが荷台の後ろ側に座って外を警戒していた。


 しばらく進んでいき、サンジが襲われたという峠の頂の先に差し掛かる。確かに争った跡や、血の跡があり、道の脇の草むらには、切り殺された商人風の男が2、3人転がっていた。


 草むらからは脚しか見えないが死臭が漂ってくる。

(うえっ、ひどい臭いだな。死臭って死んでどれくらいでし始めるのだろうか……)


 敏文は必死に吐きそうになるのを押さえつつサンジに確認する。

「ここか?」

「へえ。使用人達には本当にすまないことをしました」

 サンジは草むらの遺骸に向かって手を合わせて詫びている。


 サラとアヤメは幌の中で臭いにやられて辛そうだ。

「トシフミ早く馬車を……」

 そんな声が聞こえてきた。


 そして、100メルほど進んだ時だ。その場所はちょうど両側に斜面があり、道の向こうが曲がって見えなくなっていた。


 敏文はダイカクとブンゾーに声をかけて、そして、ゆっくりと馬車を進めていく。


 すると、前の方から大きな木の丸太が斜面の上から倒れてきた。そして後ろのほうも。前後を丸太で塞がれたわけだ。


 ダイカクが一言いう。

「現れたか」

 敏文は馬車を止め、皆に降りるように伝える。

 ダイカク、ブンゾー、サラ、アヤメ、それにサンジが馬車の荷台から降りてきた。全員が降りたところで、ヤナーガよりの道の方から、いかにも、いかつい格好をした強盗たちが、下種な笑いを立てながら現れた。


「ヒャッホー。おい見ろよ。ずいぶんと上玉な姉ちゃんが2人もいるぜ! 今晩は大宴会だぜ!」

「全くだ。ウヘヘ、よだれがでてくるぜ」


 男たちは前から12人、森の中に隠れていたのか後ろから現れた10人も含めて22人いた。

「囲まれたな」

 サラとアヤメは2人で体を寄せ合って、敏文とダイカクの後ろにいる。


「よう、兄ちゃんたち。荷物とその爺さんと姉ちゃん2人を置いてったら命だけは助けてやってもいいぜぇ。なぁ」

「そうだよなぁ。俺たちは兄ちゃんたちには用はねぇんだよ」


 ダイカクが一言言い放つ。

「寝言は寝てから言うんだな」


「あんだってぇ。お前この状況が判っていないらしいなぁ。おとなしくしてりゃいいものを。いくら足掻いてもお前たちには勝ち目はねぇぜ!」


 敏文はそいつに向かって叫んだ。

「やってみなければわからんさ!」


「そうかい。なら、仕方ねえなぁ」

 ぼさぼさの髪を後ろで束ねた筋肉だるまなその男は言った。

「じゃぁ、くたばりな。おい!」


 明らかに何かを期待していたぼさ髪の男は、何も起こらないことに苛立っていた。

「何やってんだ。早くやれっ!」


 ぼさ髪の男に言われている男は、喉を押さえて必死に声を出そうとしていたが、出せなくてもがいている。ダイカクの風魔法が効いているようだ。



 その時だった。

 サンジが何か宝石の嵌った杖を懐から持ち出した。


 敏文はタクミから伝えてもらった3つの技のうち、1つ目《神速》を発動する。


 《神速》は、通常の自分の動きを加速し、1.2~数倍に速くするもので段階的に引き上げることが出来るものだ。


 《神速1》で1.2倍。

 それから1段階上がるごとに1.5、2、2.5、3、4、5、6、8、10倍と加速していくものだった。


 敏文はタクミに最初は体の負荷を考えて《神速5(3倍)》までにしておいた方がいいと釘を刺されていたが、その《神速5》を使ってサンジに迫った。


 次の瞬間、サンジは全く気がつかないままに敏文に杖を奪われる。そして敏文の2つ目の技《気功》を首筋に受けてそのまま気絶した。


「馬鹿が。最初から判ってたんだよ」

 敏文はそういうと、周りにいる強盗たちに言い放つ。

「お前らの切り札は使えねえぞ。おとなしく降伏するんだな」


 ぼさ髪の男は、目を大きく見開いて驚いていたが、すぐに周りの男たちに命令した。そして、自分は少しさがる。

「お前たち、やっちまえ!」


 男たちは一斉に剣を抜き、敏文達に向かって襲い掛かってきた。

 当初の予定通り、ブンゾー、サラ、アヤメはそれぞれ、風や雷の魔法で、強盗達を攻撃する。後から警備隊に突き出すことを考えて、できるだけ気絶させるか、手足を攻撃して、動けないようにしていく。


 敏文は地面を這う蛇のように、前後にいる強盗たちを炎で囲むようイメージして、コウを呼び出した。

「コウ、頼んだ!」

『うん、頼まれた!』

 コウがそう言うと、紋章が光ると同時に、二筋の炎の蛇が敏文の左手から飛び出した。1つは敏文たちの前面にいた強盗を囲み、もう1つは後ろにいた強盗達を囲む。


「なんだ! この魔法はっ!」

「あちっ! 服に火がっ!」

「叩いて消すんだっ!」

「そんなの無理だ! どうすりゃいいんだっ!」


 そこに追い討ちをかけるように3人が魔法を叩き込む。


 男達は悲鳴を上げながら赦しを乞うが3人は容赦なかった。

「罪もない人達をさんざん襲っておいて自分だけ助けてなんてどの口がいうの!」

 アヤメが《風弾》の魔法を次々打ち込む背中でサラも後ろから来ていた野郎共に《雷弾》を飛ばしていた。

「あんた達なんか許す理由がない!」

 ブンゾーも遠慮はしていない。

「自業自得だ! 遠慮は要らねえからたっぷりと喰らいやがれ!」



 これで強盗達は凄く熱い思いをしながら3人の魔法を浴びて次々に倒れて行く事になった。


 そして敏文は斜面の上を見上げた。


(こいつらの仲間がまだいるはずだ)


 少なくとも敏文達の前後に斜面の上から丸太を落とした奴が2人はいた。

 仲間の混乱を見たのか《気配探知》の範囲から遠ざかっていく気配を敏文は感じていた。

 そいつらが向かっているのは、北西方向の脇道からさらに山奥に入ったところのようだ。斜面沿いに向かっている。


「トシフミっ!」

 声を掛けるサラに敏文はニッコリ笑うと、ダイカクに向けて伝えた。

「後、頼みます。上にいた奴らを追ってアジト確認してきます」


 敏文は《跳躍》の技を使い、斜面の上まで駆け上がると、タクミに伝えてもらった3つ目の技《隠密》を発動させて、気配を消しつつ2人の後を追う。

 すると、ある場所で2人の気配が薄くなり消えた。おそらく、洞窟かアジトか何かに入ったんだろう。敏文は少しずつ近づく。


 そうすると、入り口を木や葉でカモフラージュしていたが、洞窟の入り口が見つかった。少し離れた所に、幌つきの馬車がつないである。商人から奪ったものだろうか。


 敏文は《気配探知》・《魔力探知》を再び行いながら、《隠密》の状態で進もうとするが、暗くて中がよくわからない。明かりをつけると奴らに気づかれるかもしれないし、中の捕われていると思われる人に危害を加えられても困る。

『タクミ、暗闇の中でも見えるような技あるかい?』

『もちろん。トシフミに《暗視》の技を!』

 これで洞窟の中も問題ない。敏文は少しずつ進んでいった。


 すると奥から声が聞こえてきた。留守番の野郎どもを含めて5人いるようだ。洞窟が広くなったところにテーブルがあり、酒瓶や食べ物が散乱している。

 そのさらに奥には4、5人の気配がする。扉が据えられていてその奥からだ。


「やべぇぜ。お頭とサンジのだんなが、あんな奴らにやられちまうなんて! めぼしいもん持って早いところずらかろうぜ」

「おう、そうだな。そういえばあのガキや、女どもはどうする?」

「俺達だけじゃ連れてけねぇだろ」

「どうせほっときゃ死んじまうんだ。何かすることねぇよ」


 男達は荷物をまとめて逃げ出す準備をしている。敏文は男たちが荷物をまとめ終わるのを見計らうと、《雷鎖》の呪文を発動。雷の鎖をムチ代わりに男たちを次々と気絶させていった。


 男達の身体検査をすると、宝石や銀貨・金貨の他に、牢屋の鍵らしきものを見つけた。それを集め終わると敏文は男達を《土縛》の呪文で首から上だけ残して生き埋めにしておく。あとで、ヤナーガの警備隊に知らせればちゃんと捕まえてくれるだろう。


 そして、アジトの奥に進んでいくと、扉の前に立った。敏文は中にできるだけ優しく声をかける。

「大丈夫ですか。今扉を開けます。もし、すぐに開けるのが駄目だったら言ってください」

「えっ。助けがきたの?」

「はい。外の男達は全員捕まえました。だから心配要りませんよ」

「よかっ…………た。やっと出れる。大丈夫です。開けてください」


 扉を開けると、中には大人の女性が4人と幼い女の子が1人の5人がいた。

「皆さん、動けますか?」

「すいません。すぐには無理です」

 薄暗い洞窟の中で、5人は身を寄せ合っている。大人4人の女性はかなり衰弱していた。おそらく酷い乱暴を受けたのだろう。体のあちこちに擦り傷や怪我をしていて、服装もボロボロだ。精神的にも相当まいっているようだ。女の子は乱暴はされていないようだが、こちらも、疲れ切っていて動けそうにない。


「俺はシーバからの旅のものでトシフミといいます。ヤナーガに向かう途中で峠に差し掛かったのですが、出くわした強盗達は、全員捕縛しました。今から、魔法で皆さんの怪我を治し、体力回復をしますので、少しだけ動かないでじっとしていてください」

 そういうと敏文は彼女達の治療と体力回復を行った。


 少しすると5人に元気が戻ってきた。少しは動けるようになったようだ。その内の1人の女性が話しかけてきた。

「トシフミ様、助けていただいて本当に、本当にありがとうございます。なんと感謝したらよいか。私はハカタンの商家のもので、クミと言います。ここにいるのは私の娘のヒトミと使用人の、サト、フミ、タエです。ところで1人でここに?」

「いえ、連れがあと4人。この下の街道で待ってくれています。貴女達を捕らえていた強盗達はここの5人と街道に23人。俺達が捕らえています」

「そうですか。確か、自分達は28人もいるってこと言っていましたからそれで全員だと思います」

 よし、あれで全部だったか。


「そうですか。捕らえた奴らはヤナーガの警備隊に任せるつもりです。皆さんは私の方でヤナーガまでお送りしようと思うのですが、それでよろしいでしょうか。それとも、クマモの方がよろしいですか?」

「ヤナーガでお願い致します。助けていただいた上にすみません」


 敏文は《気配探知》を行ったが、生き埋めの強盗5人とこの5人の女性以外に気配は感じられないようだ。ただ、洞窟の中で、もしかしたら他にも捕われている人がいるかもしれないと思いクミにたずねた。

「ところで、貴女達の他に捕われている人たちはいませんか?」 

「私が知る限りでは、おそらく私達だけではないかと。私達は夫・息子、使用人たちとクマモに向かう途中でした。夫をはじめとする男性達は、皆あいつらに……。夫は昔探検者をしていたので、腕には自信があったのです。使用人たちにもそのときの仲間もおりましたし、大丈夫だろうと……。ヤナーガの街での忠告を聞いておけばこんなことには……」

「そうでしたか……」


 ふと、敏文が目をヒトミという女の子に向けると、よほど疲れていたのだろう。まだ母親のクミの膝を枕に眠ったままだ。

「ヒトミちゃんは、いくつなのですか?」

「今は六つです」

「そうですか」


(愛里や愛菜と同じくらいじゃないか。つらい思いをしたんだな)


「少し休んだら、外に出ましょう。外に止めてある馬車で仲間と合流し、ヤナーガを目指すことにしましょう」

「何から何まですみません。お願いいたします」



 少し経って、ヒトミが目を覚ましたところで洞窟を出て、馬車の荷台に女性達を乗せて、敏文は手綱を握って街道へと戻る道を進んだ。


 元の場所に戻ると、ダイカクとサラの《雷縛》の魔法で気絶したままの、22人とサンジが樹の幹に縛り付けられていた。この辺の手際はさすがブンゾーだな。ご丁寧に、[触るなキケン!こいつら強盗!]って立て札まで書いてある。


「今戻りました」

「お帰り、トシフミ。無事みたいね」とサラ。

「よかった。怪我はなさそうね」とアヤメ。

「よう、お疲れさん」とブンゾー。


 そしてダイカクが聞いてきた。

「そっちはどうだった?」

「ええ、洞窟のアジトに5人の仲間が残っていました。あと、女性が5人捕われていたので、助けてきました」

「そうか、アジトの5人はどうしておいた?」

「《土縛》の魔法で首から上だけ残して生き埋めにしておきました。あとで、ヤナーガの警備隊にでも知らせましょう」

「そうだな、念のためこっちの奴等も《土縛》をかけておいてくれるか?」

「解りました。ダイカクさん」


 その時、敏文が手綱を握っていた馬車の幌の中から、驚いたような声が聞こえた。

「ダイカク様!」

「ん? その声はクミか!」

 どうやら2人は旧知の関係だったらしい。




「そうか、あいつがなぁ。クミ、なんと言ってよいか……」

「お気遣い感謝します。ダイカク様」


「2人は知り合いだったんですね?」

 敏文が尋ねると肩を落としたダイカクが言う。

「ああ、クミの夫だったソーザとは、若いころに探検者として組んだことがあってな。クミはソーザと当時は恋人同士だったのさ。その後風の便りにソーザが探検者を辞めてクミの家に婿入りしたと聞いていたのだが……。いいやつだったのだがな」

 ダイカクは残念そうにため息をつく。

「さて、ここで立ち話をしていても始まらん。クミ、ヤナーガまでお送りしよう」

「よろしくお願いいたします」


 クミ達が乗った馬車は、ダイカクが手綱を握り、もう1台は敏文が握る。アヤメはクミ達のフォローのため、ダイカクの馬車に。ブンゾーとサラが敏文が操る馬車に乗った。


「よし、じゃあ、ヤナーガへ出発しようか」


 そして2台の馬車は連なってヤナーガを目指して出発した。

少し《技》を連発しすぎでしょうか……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ