表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

執事シリーズ

ごめんあそばせ召しませ執事?3(千文字小説)

作者: りったん

 有栖川ありすがわ亜梨沙ありさは大富豪の令嬢です。


 まだ十七歳ですが、お金持ちの上に美少女なので、通学しているインターナショナルハイスクールではモテモテです。


 しかし、亜梨沙は同級生のイケメンの告白にも落ちませんし、耳も貸しません。


 何故なら亜梨沙は、事もあろうに自分の邸で働いている執事に恋をしているからです。


 執事の名前はトーマス・バトラー。世界執事協会所属の執事です。


 でも、亜梨沙は素直に自分の気持ちを伝えられません。




 遂に友人達を招待してお茶会が開催されました。


 その中には亜梨沙の親友の桜小路さくらこうじらんがいます。


「亜梨沙、あの方、素敵ね」


 蘭は早速トーマスに目をつけます。


 亜梨沙は慌てますが、


「大した事ないわよ。全然いけてないし」


と言い、


(ああ、トム、許して!)


と心の中で絶叫します。


「そう? 私は好みよ。声かけてみるわ」


 蘭はトーマスに近づきます。


 亜梨沙は蘭にトーマスを好きな事を知られたくないので、何もできません。


「ご機嫌よう、トム」


 蘭は、今まで何人もの男を落として来た流し目でトーマスを見ます。


「いらっしゃいませ、桜小路様」


 トーマスはうやうやしくお辞儀をしました。


 蘭はトーマスが自分の流し目に全く動じていない事に気づき、ムッとします。


(これならどう?)


 蘭はイブニングドレスの胸元を大きく開け、トーマスの腕を取ると、


「お飲み物、頂戴」


とその胸をトーマスの腕に押しつけます。


(ひー!)


 もう少しで叫んでしまいそうになる亜梨沙です。


「畏まりました」


 トーマスはやんわりと蘭の腕を解くと、一礼をして飲み物を取りに行きます。


「……」


 蘭は敗北感に打ちのめされました。


 


 お茶会はお開きになり、メイドやトーマス達が後片付けを始めます。


 亜梨沙はトーマスに近づき、


「蘭はどうだった? 積極的だったでしょ?」


「はい」


 トーマスは亜梨沙を見て答えました。亜梨沙はギクッとしましたが、


「何よ、蘭の事が好きになったの?」


と高飛車に尋ねました。するとトーマスは、


「いいえ。お嬢様以外の方に優しくしてはならないと言われましたので、そのような事はございません」


 亜梨沙はその言葉に真っ赤になりました。


「何よ、私のせいみたいに言わないでよね!」


 亜梨沙は怒ったフリをしてトーマスから離れます。


「申し訳ありません、お嬢様」


 トーマスはゆっくりと頭を下げて詫びました。


 亜梨沙は天にも昇るような喜びを感じていました。




 まだつづく……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] トーマス、かっこう良すぎて腹立つ~。 本当は筋金入りの変態だったって設定にしようよ、ねーねー (´・ω・`) そしたらすっごく刺激的なコメディになると思うよ。あれ、この作品コメディじゃなかっ…
[一言] 亜梨沙ちゃんって、きっと律子さんのコピーじゃないですか? ボクはこういう子好きですよ。 そう! 律子さんへの告白…? その辺の判断はお好きにどうぞ。 ただ、ボクはどう転んでもトーマスとは比べ…
[一言] トーマスの顔を誰か入れてください。 どんないい男か見てみた~い。 やはり、お目目パッチリ、星が飛んでるような人ですか?
2011/07/26 17:58 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ