独白3
「フォード公爵家当主エリク・フォード陛下に拝謁致します」
「エリク・フォードが娘クレア・フォード同じく陛下に拝謁致します。」
「2人とも顔をあげよ。よく来てくれた。」
王は金髪をオールバックにし40代とは思えないほどの若々しさがある。しかし体格は騎士団の兵士にも負けぬ程の筋肉が服越しからでも分かる。
「この度は私1家臣のためにありがとうございます。」
「何を言う。この国が上手く機能しているのも宰相であるお前のおかげだ。」
「有り難きお言葉。」
「して話とは…」
「父上!」
恐れ多くも王の言葉を遮りリュシアード殿下が我々親子の前に出てくる。
一体どのような教育をしたらこうなるのだろうかと他の面々を見れば、王妃王太子など常識があるものたちは皆顔が引きつっていた。しかしシャルル妃と男爵親子だけはニヤニヤと気持ちの悪い顔をしている。
「リュシアード無礼だぞ!」
「も、申し訳ありません父上…しかし!どうしても話しておきたいことがあるのです!」
王に叱責されたことで一瞬怯んだがどうやら話を続けるようだ。メンタルだけは褒めて差し上げてもいいかもしれないな。クレアはまた始まったとでも言いたそうな顔でリュシアード殿下を見ている。
「宰相が話そうとしているではないか。お前の話はその後だ!」
「しかし!」
「陛下。私の話はリュシアード殿下の後で構いません。」
「そうか?…ではリュシアード話せ。」
「ありがとうございます!」
クレアは私を心配そうに見ているので安心させるように笑いかけると安心したような顔をした。うちの娘は空気も読めて気遣いもできる素晴らしい子だ。
私が娘を見て癒されているとリュシアード殿下が大声で話し始めた。
「クレアは王子の婚約者でありながらここにいるララを学園内でいじめた!そのようなものは私の婚約者にふさわしくない!よって婚約破棄をする!」
いつの間にかリュシアード殿下のそばにいた男爵令嬢がシクシクと嘘泣きをしながらリュシアード殿下の腕に擦り寄っている。 本当に親にそっくりだな。しかもクレアがいじめただと?昨日2人の情事を目撃してやっと相手が誰か分かったと言うのに、この王子は破棄と言ったな。せっかくこちらが解消にしてやろうと思っていたのに自分から破棄にするとはよっぽどの自信があるらしい。
クレアは衝撃のあまり無表情になってしまった。可哀想にいきなりいわれのない罪を言われて驚いたのだな。
「クレア嬢がいじめなど想像が出来んな。」
「証人がいます!父上呼んでも宜しいですか?」
「よかろう。」
証人として入ってきたのは、軍部、外交、魔法を司る大臣の息子達だった。大臣達は皆訳が分からないという顔をしている。リュシアード殿下は一体何をはじめるつもりなのか皆が勝ち誇った顔をする王子を見つめた。




