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青い太陽  作者: C1el
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第17話 太陽へ

山を登りきった2人、そしてその山の頂上にあったのは謎の白い構造物だった、2人は恐る恐る構造物の調査を始める

中は暗かったが、急に明かりが着く、中は白で統一された空間で、壁は叩けば石の音がするくらいには硬かった

「なんだここ……」

「雰囲気が異質すぎる それに」

ショウは入ってから感じる違和感を言葉にする

「魔力を一切感じない」

「そう言われればそうだな 他の場所とは空気が違う」

この世界には魔素と呼ばれるものが世界中に存在している、それを体内で魔力に変換し、魔法を使えるという訳だ。

だがしかし、魔素が一切ない空間というのはこの世界には存在しない、それほどまでに魔素はこの世界と深く結びついている

「そっか 魔法が使えないからそもそも感じにくいのか」

「本当に一切魔法が使えないからなー 本当にショウが羨ましい」

使える魔法が少ないというのはこの世界にもかなり多いが、一切魔素を魔力を変換できずに魔法が使えないのは自分の知る限り彼しか会ったことがない

「とにかく 手分けしてこの中を探索しよう」

「そうだな」

そう言いながら2人は手分けして中を探索する




「あなたからは魔力を一切感じないんですよ」

「えっ? そうなんですか?」

あの酒場でハルは少し酔ったステラに言われた

「僕も昔から不思議に思ってはいたんだ 魔法が一切使えないのは珍しいよ」

「え? そうなら言ってくれよ まぁ 確かに周りはみんな使えてたけど」

魔法が使えないことは別に気にしたことがなかった、周りとは違い、不便ではあるがその代わりにこの強靭な肉体を手に入れた、そう思うようにしているからだ

「私は一切使えない人に会うのこれで2人目ですね」

「そうなんですか」

「長く生きてるとそういう事もあるんですよ」

そう言いながらハルに顔を近づけまじまじと見つめる

「よく見るとその人に似てるような〜」

「おい酔いすぎだ」

そう言いながらウィルはステラの頭を掴み座らせる

「痛いです! 何するんですか!」

「落ち着け 一体お前は何十年前を遡ってるんだ……」

そう話をしながら彼らは酒を楽しんでいた



この中を探索して分かったことは、ほとんど何も無かった、様々な扉があったり、巨大な部屋の中心には大きなテーブルがあり、周りには7つの椅子がある。

そしてそれらも、この中にある物全てが、白で統一されている、そしてそれらの物質はこの世界に存在しない素材でできている、同じく白を基調とする神聖で落ち着きのある教会と違い、この空間はある意味不気味な世界だった。

ショウがハルの元に戻ってくるとハルは巨大なガラスの様な物の前でそれを見つめていた、その下の机の上にある小さな白い石のようなものを撫でている

「ハル この空間すごく不気味だ 何も感じない」

「俺もだ でもこれが太陽に行くためのなにかの鍵だと思ってる」

「あの本を書いた人は確実に山頂にここがある事を知ってて書いてる」

「なんか動いたりしねーかな」

そう言いながら机の上を撫でていると1箇所だけ手を置けるようなスペースがあった。

ハルはそこに手を置く、するとどこからともなく声が聞こえだした

『認証開始 認証完了 ……生存者1名と太陽人1名を確認』

「なんだ今の声!?」

「なんて言ってたのかわからない 僕らの知らない言葉だ……」

この部屋に声が響き渡った、誰かいるのだろうか

『太陽探査船 ソラリア 修復及び復旧完了 魔素無力化装置起動 地球への帰還を開始』

「おい! 誰かいるのか!」

「僕らの言葉が通じるといいけど」

冷静に考えると、魔法のものなのだが魔素を一切感じないこの空間ではこんな事が起こるわけが無い、今ここで起きていることは一体なんなのか。

そう思うと、床が揺れ出す、そしてこの場所自体が動き出す。

「何が起こってる」

「わからない とりあえず 止まれ!」

ショウが魔法を使おうとする、だがしかし何も起こらなかった、そして体に違和感を感じる

「なんだこれ 魔法が使えない 体の魔力も抜けていく」

「おい 大丈夫か!?」

「うん とにかく大丈夫 魔法が無くなっただけみたい それ以外はなんともない」

そんな会話をしていると、白い壁の一部が窓になっていることに気がつく

「なにこれ ここが浮いてる?」

「キアラール山が離れていく」

窓の外ではさっき登ったキアラール山がどんどん離れていく、そして瞬くうちに夜空へと連れていかれた

「やばい 俺達 今夜空にいるぞ」

「一旦落ち着いて…… 状況を整理したい」

窓の外をワクワクしながら見るハルを見て頭を抱えながらショウはこの状況を整理しようとしていた


考えるショウを置いて、ハルは船内を見て回っていた、他にも動き出してるものがあるかもしれない。

そして扉の前を通り過ぎようとすると、勝手に扉が開いた

「ん なんだ?」

そう思い恐る恐る中に入る。

その中には死体があった

「うわぁ!」

いきなりの死体に腰を抜かし、後ろに倒れる

「どうしたの?」

ショウも中を見ると、頭が少し潰れている男の死体がそこにはあった。

中の机の角に頭をぶつけて死亡したようだ

「これ……」

「うん 祈ってあげよう」

2人は祈りを合わせて、すぐにその場を去った。

ここに彼を埋めてあげられる場所はない、自分の星に戻ってきたら埋めてあげよう、そう思った


ここが動き出してから数時間、退屈に耐えられず椅子に座っているハルと、その辺をぐるぐるしながら考えているショウだった

「多分ここは船だ 太陽に行くための船なんだと思う」

「船?」

「うん 調べた限り この船は僕らの知りえない未知の世界の技術でできてる」

「魔素がないのに魔法みたいなことになってるからな」

ショウが立ち止まって続ける

「魔素が使えない時代の人達が造ったのか あるいは……」

そう考えていると船の窓から衝撃の光景を目にする

「ハル これって……」

「ん なんだ」

そう言いながら外を見ると

さっきまで自分達のいた星が赤く光り出す、それはまるで赤く輝く太陽のように

「俺達の星 まるで赤くなった太陽……」

「まさか 青い太陽って……」

ショウは考えを言葉にしようとするが、今まで習ってきた常識を覆すような内容に頭が混乱し始める

「僕らの星と同じような星なのか?」

太陽と瓜二つの自分達の星、未知の技術のこの船、聞き取れない言語、太陽へ行ける事を知ってる著者、船内の謎の死体、これらが導き出した結論は……

「この船は太陽に行ける そしてこの船は太陽に存在する人々の船だ」

「太陽に人!?」

「そうとしか考えられない! あの部屋の死体が太陽の人なんだ! 今までの常識なんかあくまで仮説でしかない! 確かに僕のこれも仮説ではあるけど 今ここにある事実を考えるとそうとしか考えられないんだ!」

今までにないほどに大きな声でハルの肩を掴みながら話す

「じゃあ この船に乗ってれば 太陽に行けるのか?」

「そうだ!」

だがハルはその事を単純に捉えていた

「すげぇ 夢が叶った」

ハルの目には涙が少し涙が浮かんでいた、それを見ると自然とショウの目にも涙が浮かんでくる。

2人は抱きしめながら、喜びを分かち合う

「やった! 本当に 太陽に行けるんだ!」

「旅に出て本当によかった! 今まで頑張った甲斐があったんだ!」

今までの旅を思い返しながら2人は笑い合う

船は徐々に太陽へと近づいていった



研究所は急な探査船からの信号で騒がしくなっていた、近くの部屋で研究を続けていた男の部屋に研究員が入ってくる

「鬼新先生! 太陽探査船ソラリアから帰還するといった信号が届きました!」

「何? 何十年前のプロジェクトだと思ってふ」

眉間に皺を寄せながら鬼新は巨大なモニターの前に行く

「太陽探査船ソラリア 応答せよ」

「ハイ こちら太陽探査船ソラリア AIのソラです」

その応答に周りが騒然としだす

「今まで音沙汰がなかったがなぜ今帰還してくるのだ 生存者でもいたのか」

「ハイ 生存者…… 正確には生存者の血縁が船を起動させました」

鬼新は考えながらさらに会話をする

「そうか 他には誰か乗っているか」

「ハイ 生存者と太陽人の2人です」

「太陽人!?」

鬼新は大きな声で笑いだした

「ふははははは! 本当に存在したとは! 私の仮説は間違っていなかった! 生存者 の血縁の者よ! 素晴らしい!」

そう言いながら体を震わせる、周りの研究員達が驚く

「して その血縁とは誰の血縁なんだ」

急に落ち着いた彼に周りの研究員達はドン引きする

「ハイ それは……」



船は太陽に近づいていく、自分たちの星が遠ざかっていく、青い太陽は徐々にその全貌が明らかになっていく。

太陽を覆っている光の中に入っていくと、その星には緑の大地と、そのほとんどが青い海で覆われている事が分かる

「太陽ってこうなってるのか」

「やっぱり僕らの星と似てるね 星の周りを覆っている魔素の色が違うだけなのかも」

そうしていると船が揺れ出す、そして段々と海に近づいていく

「やばい! 海に落ちるぞ!」

「魔法は使えない! 頑張って耐えよう」

『着水体制に入ります 落ち着いて対応してください』

謎の声には耳を傾けず、その場で耐える。

轟音がして、振動する

振動が収まり、入ってきた扉が開く

「着いたみたいだね」

「早く行こう!」

2人は荷物を持って船を降りる


そこは見たことの無い世界だった

銀色に高くそびえ立つ建物、空を飛ぶ様々な色の鉄塊、空に浮び上がる絵

何もかもが別世界でありえない、自分たちが知ってるのは海と船の着いた砂浜と、

そこに続く小さな森ぐらいだった。

「すげぇ」

「なにこれ……」

2人はそれ以上の言葉が出なかった。

なにか言葉を考えていると目の前に黒い武装をした人達が何かを構えて現れる

『お前達 鬼新先生の所へ連行させてもらう』

「な なんだって?」

「逃げた方がいいかも」

2人が後ろを振り向いた瞬間 体に電気が流れたような感覚 そして意識が遠いていく

「ハル!」

最後に聞こえたその声は、今まででいちばん大きく聞こえたが、すぐに全身が地面にぶつかり、意識が飛んだ

お疲れ様ですC1elです

というわけで第17話をお読み頂きありがとうございます!

さぁ、最後がだんだん近づいてきましたね!

構想的には最初からこういう話にしようと思ってたので、なんかいきなりジャンル変わったなって思った方がいたら申し訳ないっす、未来ファンタジーなんてタグ付けたら大ネタバレになっちゃうからね

というわけで次回を楽しみにお待ちください!

C1elでした!

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