表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
青い太陽  作者: C1el
14/20

第14話 夢幻の中

船に乗る3日間をループしてしまう2人、規格外の魔法により、2人はこの状況を脱するため、この夢の主を探すことになる

ハル達2人がアステラ王国を出た頃、アルフ王国の1級魔法使いであるステラは机の上にある1枚の写し絵を眺めていた

「ふふ 懐かしいですね……」

その写し絵には若い頃の自分と隣に白いコートを着た女性が写っている

「仕事をサボって一体何やってるんだ」

「ひゃぁ! ってウィルですか なんだ」

いつの間にか後ろに立っていたのはウィルだった、目立つくせに気配を消すのが妙に上手い

「乙女の部屋にノックもせずに入ってくるとはマナーがなってませんね」

「ノックはしたし声もかけた 気が付かないお前が悪い」

「むぅ……」

そう言われてしまえば何も言い返せない、本当に彼がノックと声をかけてくれていたのであればだが、気が付かなかった自分が悪いと分かりながらも少しムカつく

「で その写し絵見て何ニヤついてたんだ?」

「ああ これ師匠と2人で旅をしていた頃に取ってもらった写し絵なんですよ」

「へぇ やっぱりちゃんと師匠がいたんだな」

「多分あなたが想像してるの 魔法の師匠でしょ 残念ながら違いますよ」

「どういうことだ」

「彼女は医者の師匠です」

ウィルはそれを聞いて納得した、彼女は魔法使いだが、何故か医者として手術ができる事が今までずっと疑問だったのだ

「昔 何もやることがなかった私を師匠が拾ってくれて 旅に連れ出してくれたんです」

「ほう」

「師匠は医療の知識を叩き込んでくれて 私は助手として色んな人を助ける師匠を見てきて人助けの力が欲しいって思ったんです で途中で1級魔法使いになりたくて 師匠の元を離れました」

「そのお師匠さんはどこにいるか知ってるのか?」

そう言われてステラは顔が曇る

「いえ なんせ師匠と旅をしたのは50年以上前のことですからね 今はもう亡くなってるはずです」

「そうか…… 余計な事を聞いた」

「いいんですよ 勘違いさせてしまった原因は私ですから」

そういうとウィルが頭を撫でてくる

「ちょっ 何するんですか」

「いや お前の事をまた少し知れてよかった」

「そうですか それは良かったです」

自然と微笑みながらステラは続ける

「お互い連絡が取れなかったのは師匠が魔法を一切使えなかったからなんです でも魔法を使わずに人々を助けるその姿がとてもかっこよかったんですよ」

「そうか 俺もそのお師匠さんに1回会ってみたかったな 」

「私も会わせてみたかったです」

2人はさっきの暗い雰囲気が一瞬にして消えたような気がした

「その代わりに もっとお前の旅の話が聞きたい」

「いいんですか!」

「ああ」

そう言われてステラはウィルを部屋のソファに座らせ、お菓子とお茶を持ってきて向かいの椅子に座る

「そうですね まず旅の中で1番怖かったのはソロスって港町での集団催眠ですかね」

「なんだその物騒な事件は」

「宿に泊まった人が眠り続けてしまうんです 無理やり起こしても無駄なんですけど ある日いきなり目を覚ましたと思ったら 船に乗った3日間が永遠に続いたってみんな口を揃えて言うんですよ」

「なんかもうよく分からないな」

「原因も不明だったし 彼らが目が覚めた後はすぐに町を出ましたよ」

「他にはないのか?」

「そうですね…… 1番楽しかったのは……」

そうして2人は師匠との旅の話で盛り上がった、そして残っていた仕事も2人で協力して処理していった



「何回みてもあのふかふかベッドだ マジでソロスの町だ」

「日付を確認してきたけど 僕達やっぱり3日前に戻ってるみたいだ」

状況的に考えるとその線がいちばん強かったのだが、本当に3日前に戻ってるとは思っていなかった、宿屋のおばさんに日付を聞くまでは

「これって魔法か?」

「うん 多分僕らはそもそも現実のベッドで寝たままなんだ ここで起きてることは多分魔法で見させられてる夢の中」

「どうすれば目を覚ませる?」

「多分この夢の中の主を倒さないといけない そしてその主も夢のなかにいるはずだ」

「根拠は?」

「こんな複雑なこと上位者でもなけりゃできないと思う 主も夢の中で出てくることでこの術式の補填をしてる感じかな」

複雑な術式は組むのに時間がかかるうえ、それを維持するのに必要な魔力も多い、そのため詠唱や魔法陣といったものを活用し楽にしていくのだが、今回のものは詠唱、魔法陣の他に自分自身を術式に組み込むことで実現を可能にしているのだろう、とショウは状況的に考えている

「じゃあ 主をぶっ飛ばせばいいんだな」

「とはいえ主が誰なのか探すところからだね」

そう言いながら2人は今回は町の探索に費やした、が1日目の夜に2人が眠ると、結局新しい朝はやってこなかった


「ショウ!」

「うん やっぱり戻ってきてるね」

結局2人は1日目に戻ってきてしまっていた

「結局無駄だったってことか……」

「いや 完全に無駄って訳じゃないよ」

「どういう事だ?」

「多分船に乗ることがループのひとつの条件なんだ 今回は船にさえ乗れば一応2日目と3日目に行けるはずだ」

「うーん……」

「あと調べてないのは船だ 恐らく主はそこに乗ってるだろうし 主も僕らと同じようにループしてるはずだ」

「1周目と違う動きをしてる人を探せばそいつが主ってことか」

「簡単に言うとそういうこと 多分相手もちゃんと対応してくると思うけどね」

そう言いながら2人は準備をして船に乗り込む、さっさと主を見つけて旅を再開せねばならない


「うぇぇぇ〜」

「3回目の船だってのに結局慣れないんだな」

「どうやっても慣れないもんなんだよ」

ショウは結局船酔いからは逃れられないようだった、ハルは船内を探検せずにハルの隣にずっといてやることにした。

すると女性から声をかけられた

「君? 大丈夫か? 」

「あ ア……」

ハルは名前を呼んではいけないことに気がついた、ここでは一応初対面、名前をいきなり呼んだら気味悪がられる

「ん 君は見た感じ大丈夫そうだが」

「はい 大丈夫です それよりも彼を何とかして欲しいです 船酔いで」

「あぁ わかった」

そう言いながら緑の液体の小瓶をショウに渡す。ショウは頂いた液体を少し残して飲んだ

「ありがとうございます」

「いや 困ってる人を助けるのは当然のことさ」

「ありがとうございます! 俺はハルって言います 」

「僕はショウです」

「そうか アタシはアンって言うんだ よろしくな」

そう言いながら2人はアンと握手をする

「アンさんはなんでこの船に乗ってるんですか?」

酔いが完全に収まらないショウの代わりにハルが話し始める

「んー 待ってる人がいるんだ」

「もしかしてお相手を探してたりするんですか?」

「おっ よくわかったね そうさ」

さすがに雰囲気から婚期を逃して焦ってそうな人とは言えなかった

「まぁ でもなかなか出会えないねそう簡単には」

「なら この船に乗ってる間 俺とかどうですか?」

「えっ!?」

ハルのいきなりの提案にショウは驚きのあまり声を出す

「いいのかい?」

「ええ 一目見た時からタイプだと思ったので」

「そうかい!? 嬉しいなぁ」

アンは嬉しさに舞い上がってるようだ、ハルを睨むショウに小声で説明する

「俺はアンさんとデート と見せかけて色んな人の様子を観察してくる ショウは船内の行けない場所 操縦室とか他の客室を調べて欲しい」

「わかった 頑張るよ」

何故かハルの背中は少し頼りに見える

「じゃあ行きましょうかアンお嬢様」

「はは お嬢様はやめてくれ」

そう言いながら2人は行ってしまった

「頑張ってね」

そう言いながらショウは不可視と足音を消す魔法をかける


ショウは真っ先に船内の中でハルがいちばん怪しいと言っていた操縦室を見つけた、「お客さんは立ち入り禁止」という札を無視して入っていく。

扉の前に着くと、中から大男が出てきた、ショウは声を押えながら入れ違いになるように中に入った。

中では髭を綺麗に整えた老人が、船を操縦している、恐らく船長だろう、その回りで3人の男が話している、内容こそはよく分からなかったが、おそらく雑談でもしながら操縦をしているのだろう。

(特に違和感はないと思うけど……)

船長と思わしき人が船員に操縦を任せ、部屋を出る、それにショウもついて行く

「隠れてないで出てきたらどうだ」

ショウは驚いた、この老人が自分の正体に気がついている

「すいません……」

と言いながら不可視の魔法を解く

「うーん 立ち入り禁止の場所に魔法を使って入るとは 何か私に用でもあるのかな?」

「いえ 少し中が気になったもので…… 本当にごめんなさい!」

そう言いながら頭を下げる

「まぁ そういう人は多いけど 残念ながら動かしてる最中はお客さんは中に入れては行けないだ」

「そうなんですか」

「停泊してる時にでも見に来るといい」

そう言いながら船長は進んでいく

「すいません!」

「何だい」

「どうして僕がいるってわかったんですか?」

「足音消していても船の軋む音は聞こえてくる 長年船に乗ってるとわかるんだ」

「そうなんですか」

「そういうものさ 船の旅を楽しんでってくれ」

「はい ありがとうございます!」

そう言って今度こそ船長は行ってしまった

「楽しむって言ったって もうこの船は2回目なんだけどなぁ……」

そう思いながら2人を探しに行った


「で アンさんとはどうなの?」

「良い人だよ 楽しくて面白い人だ」

「いや そういう事じゃなくて」

面白い人なのは見た目から分かるのだが、ショウはこの短時間でどれだけ進んだのかが気になって仕方がなかった

「まぁ いいや 今はどこにいるの?」

「なんか着替えてくるって言ってたかな」

今いるのはレクム島のビーチだ、3回目だからか2人とも別に気乗りしなかったのだが、デートとあらば仕方がない、と思い結局ビーチに来てしまってる状況だ。

そんな事を考えてると向こうから彼女がやって来る

「アンさん!」

向こうから来たのはまとめていた髪をおろし、赤い水着に着替えたアンだった、海賊服の時には気が付かなかった、彼女のスタイルの良さが赤い水着を際立たせている

「どうだ 似合ってるか?」

「えっ あっ はい」

明らかに動揺している、実際ショウ自身も声に出せないぐらい動揺してしまってはいたが、彼女の一声ですぐに正気に戻る

「さぁ 泳ごうか!」

「はい〜」

「は はい」

こいつ確実に虜になってやがる、このままで大丈夫なのか? と思いながらも、結局3人で塩辛い海を満喫したのであった


「ショウ 怒んないでくれよ」

「怒ってないよ 君は女の人と楽しみたかっただけなのはわかってるから」

ハルとは割と付き合いが長い方だと思っていたが、まさか色仕掛けに負けるとは思っていなかった、しかもあんな露骨に、ステラさんの時はここまでではなかった、のかもしれない……

「それより一応収穫はあった」

「ふーん」

「本当だって! アンさんのタイプは俺みたいな元気で男らしい人だってよ!」

「あのさ…… 僕本気で怒るよ」

「それだけじゃない! 特に怪しい魔法を使えるような人はいなかった!」

「そうなんだ」

正直信用出来ないが、ショウ的にもこの魔法に関わっていそうな人物は見つけられていない、ただ1人を除いて

「正直もう一人しかいない ここの主がなんの目的てこんなことやってるのか明日聞きださないと」

「どうやって相手に吐かせる?」

「大丈夫 僕の予想が正しければ 秘策が上手く機能してくれる」

「そうか で その主は予想だと誰なんだ?」

「それは……」

ショウはハルに予想の全てを共有する


そして再び、ソロスの町の朝が始まった

どうもC1elです

14話を読んで頂き、ありがとうございます!

また巻き込まれましたね彼ら、首を突っ込んでる訳では無いので全部巻き込まれてます、旅に出るというのはそういうことです。

カクヨム版ではついに最終章に突入しました!

彼らの旅がクライマックスに向けて動きだします!

というわけで次回第15話をお待ちください!

C1elでした!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ