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青い太陽  作者: C1el
13/20

第13話 航海

2人は王の護衛を成功させ、砂漠を抜けて第1の大陸を抜け出すために船に乗る。

しかし思わぬ出来事が再び彼らの旅の足を止める

「ひゃっほぅ!」

ハルが空中で一回転する

「あはははは! 危ないよ! ハル!」

2人は砂の上を滑って進む、正確には2人はそれぞれ板に乗っていて、板が砂を滑っている

「すげぇ! これ! 速ぇ!」

「うん! これなら今日中に山の麓に着きそう!」

王が褒美として渡したのは、砂漠を高速移動できる代物、サンドボートだ。

昔アステラ王国を訪れた医者が、移動の不便さを解消するために、自身の得意なサーフィンを元にこの板を作った。推進力、並行力、落下防止を魔法でかけることで、誰でも簡単に早く砂漠を渡ることができるという代物だ。

素材、魔法をかける人員などが原因でエスメス砂漠の方でしか使えないが、逆側の2人が歩いて来た方の砂漠にも供給したいと王は言っていた。

ハルが少し体制を崩す

「あっぶねぇ! でも 落ちねぇ!」

「これを作った人はすごいよ ボードの形自体が推進力を産みやすいから 魔法は並行力と速さにつぎこめる」

「魔物達も着いてこれてねーな!」

自分たちと併走する砂を泳ぐ魔物も、段々と距離を離していく、そうして彼等は魔のエスメス砂漠をたった一日足らずで突破してしまった


「次はどんな大地なんだ?」

2人はエスメス砂漠を抜け、ボートを返却所に返し、山の麓で1晩眠ってから山越えをしようと考えた。

夕食を済ませた後の2人は次の大地について話す。

この大陸は今までの冒険でわかっている通り、山脈によって分断されている、そして分断された大地はそれぞれ全く違う表情を見せる。

ハルは次の台地がどういうところか気になって仕方がなかった

「次は…… 海だ!」

「海って…… 巨大な湖か!」

次はついに海だ、行ったことこそないが、無限に広がる湖という事だけは知っている

「そこで船に乗って 3日間の航海を経て 第2大陸へ向かうって感じかな」

「え 泳いだりとか 観光は?」

「大丈夫 3日間のうち2日目に小さな島に停泊するらしいから そこでかな」

「よっしゃ!」

ハルはガッツポーズをする、川ではなく大きな海で泳ぐのがひとつの夢だったのだ

「明日が楽しみだ! おやすみ!」

「うん おやすみ!」

2人はワクワクしながら眠る、明日には山越えだ



「最後のお宝はね……」

夢の中でおばあちゃんが話す、だがその先はいつまで経っても話してくれない、いや……

「俺が忘れてるだけ……?」

ハルはここ最近同じような夢を見る、そして同じところで目を覚ます、いつまで経ってもその先を見ることは出来ない、そして思い出せない、あんなに大好きだったおばあちゃんとの記憶を忘れている?

「まぁ 帰ったら聞けばいいか……」

そう呟きながら、再び眠りにつく、そうだ、おばあちゃんは待っている、帰ったら……会える……

会える?



「もうちょいで頂上だ」

「2回目ともなれば多少は楽だね」

ここの山はあまり標高が高くなく、少し寒いぐらいだった、雪も降っていない、多少の傾斜を登り、頂上へ着く

「着いた!」

「すげぇ…… これが海……」

2人は目の前の光景に息を飲む、港町の奥には巨大な海が広がっている

「早く行こうぜ! 楽しみだ!」

「そうだね!」

そう言いながら下山する


港町ソロスに着いた2人は早速船に乗ろうとする、乗船券売り場で事件は起こった

「え!? 今日の船はもう出てない?」

「ええ 次の船は明日の朝7時からになります」

まさか今日はこれ以上船が出ていないとは思ってなかった、行き方だけ調べて船の出る時間を調べなかったのは大誤算だった

「今日一日は観光しながら宿に泊まろっか ここの宿はベッドがすごい良いって評判らしいよ」

「そうだな そうするか」

ハルは早く泳ぎたかったのだろう、明日途中で船から飛び込んでしまわないか心配だ。

彼等は観光を済ませて、宿屋のベッドに入る。

白く大きなベッドはとてもふかふかで、旅の中での疲れがどっと癒された感じがした



「うう 気持ち悪い……」

「大丈夫か? 酒は俺より強いのにまさか船に弱いとは……」

ショウは船の甲板で項垂れていた、いわゆる船酔いってやつだ、酒に酔うのとは違うため、魔法でどうにかできるものではない、朝宿で食べた料理が全てひっくり返った

「まぁ 安静にしてろよ 俺は船内を見回ってくるから」

そういうと、ハルは船の客室の方へ向かってしまう。

気分の悪いショウの前に、一人の女性が話しかけてきた

「君? 大丈夫か?」

話しかけてきたのは、美人な女性だった、髪を後ろでまとめあげ、頭にはバンダナを巻いている、腰のベルトには色々なものがぶらさがっており、その中でも一際大きな銃が目についた

「あなたは……?」

「あぁ アタシは アンって言うんだ」

「初めまして ショウです その格好は……」

「これか? 船に乗るからには海賊の格好をしたくてね」

「あぁ だから絵本の中の人みたいな格好なんですか」

海賊と呼ばれる人達がいたのは、今からかなり昔のことだ、今は童話として空想上の存在として人気の存在となっている

「かっこいいでしょ?」

「そうですね ロマンがあります」

空想上の世界の人物がいると考えると、少しワクワクする、しかしそのワクワクは気持ち悪さでかき消された

「うっ……」

「やっぱり君 船酔いか これを飲むといい」

そういうと彼女から緑の液体の入った小瓶を渡される、ショウは直ぐに飲み干す

「不味い……」

「大丈夫だ 段々と良くなっていく」

ショウはその言葉を信じて薬を全て飲みほした

「ありがとうございます」

「いいってこった 私も昔は船は苦手だったからな 恐らく次の港まではもつだろう」

笑顔で答える目の前の女性は見た目こそ童話の海賊なのだが、その優しさから不思議な感じがした、陽気な感じといい、本当に昔生きていた海賊なのではないかと思う

「そういえば さっきのは連れかい?」

「そうです ハルです 僕の親友です」

「船に乗ったのは 2人で旅をしてるからかい?」

「そうです 世界一高い山まで」

「旅か…… いいねぇ」

そう思いながら彼女は海を見つめだす、その顔は思い出にふけっているようだった

「アンさんはなんでこの船に?」

「んー 待ってる人がいるんだ」

「むこうの大陸にですか?」

「いや そういう訳じゃなくて……」

ショウは首を傾げる

「いやー まぁ この船に現れるのを待ってるんだ」

「あぁ! お付き合いしたい相手ってことですか」

「あまり大きな声で言わないでくれよ」

「す すいません……」

どうやらこの人は伴侶を探してるようだ、それで船に乗り続けてるのだろう、というかまずはその服装をどうかした方がいいと思ったが、ショウは言い出せなかった

「まぁ そういうこった じゃあアタシはここで失礼させて貰うよ」

「はい ありがとうございます!」

そういうと彼女は手を振りながら行ってしまった、男でも探しに行くのだろうか

「薬 もう一本くれないかな……」

薬を解析して自分で作れないか試してみたかった、次貰った時は少し残しておこう。

そう思いながら親友を探しに行った


「マジで広いな……」

ハルは船内を迷っていた、というのも内部はかなり広く、同じような構造、同じような扉ばかりで感覚で道を覚えるハルとは相性が悪すぎる。

気がつくと一本道で部屋の前に着く、扉を開けようとした時、中から大男が出てきた

「なんだいお客さん ここは立ち入り禁止だよ」

「は はい すいませんでした……」

そう言いながらそそくさと戻っていこうとする

「お客さん!」

「は はいっ!」

後ろから怒鳴られた、確実に怒られる、頭を下げようとすると

「船は今のところ問題ないよ ちゃんと目的地に連れて行ってやるから安心しな」

「はい! ありがとうございます!」

見た目とは違い陽気で気さくな人だ、この人が船長かまでは見た目では分からなかったが、妙に安心感があった。

そして再び、出口を探すためにハルは船内探索を再開した


2日目、船は無事中継地点のレクム島に着いた、船の点検の間は自由時間のため、2人は

水着に着替えて海を満喫する予定だ

「うおー! すっげぇ!」

そう言いながらハルは海に飛び込む、そしてそのまま泳いでいった

「あんまり遠くに行かないでねー」

もう聞こえてはいないだろうが念の為声をかけておく

「お友達 楽しそうだね」

「あ アンさん」

「やっ 船酔いはもう大丈夫かい?」

「はい とりあえずは」

「そうか それは良かった」

あの薬は本当に素晴らしいものだ、最初の頃の気持ち悪さが今となっては嘘のようだ

「あのー さっきの薬 もう一本貰えたりしませんか? 帰りの分も欲しくて」

「あー 悪いけどさっきのは1本しか持ってなかったんだ 本当にすまないね」

「そうですか……」

「港町に売ってるから 帰りはそこで買ったらいい」

「そうなんですか ありがとうございます」

自分で解析して作れればいいと思ったが、売ってるのなら帰りの分は大丈夫そうだ

「ショウ! 海の水ってしょっぱいんだな わけわかんねぇ!」

そう言いながら海から上がってくるハルの頭には海藻が付いていた

「って その人誰だ?」

「あぁ この人がさっき話してたアンさん」

「よろしくね ハル君」

「よ よろしくお願いします もしかして海賊やってる方ですか?」

「あっはっはっ アタシはこういう格好してるだけで海賊ではないよ」

「ハル 海賊は絵本の中の話だよ……」

「え? 俺昔誰かから海賊の時代があったって聞いたんだけど 大航海時代? ってやつ」

「確かに海賊が生きてた時代はあったけど そんな名前がついてるとは聞いたことないよ」

もしかしたら昔読んだ本の中にそんな時代があったようななかったような気がするが、ショウは思い出せなかった、自分もまだまだ勉強不足だなと思う

「仲が良くて羨ましいな!」

「小さい頃からずっと一緒だからな」

「10才からの学校はそれぞれ別々でしたけど 昔からの約束で旅をしてるんです」

「へぇ ちなみにどんな約束かは聞いてもいいかい?」

ショウは笑われるかもしれないと思いながら言おうとすると、先にハルが答えた

「はい! 俺たち太陽に行くんです!」

「太陽って 太陽?」

そう言いながらアンは上を指さした、笑われる、そう思いながらショウはアンから目を逸らした

「そうか ロマンがあるじゃないか……」

意外な返答にショウは驚いた、この人は僕達の夢を笑わななかった、それだけで嬉しかった

「そうっすよね!」

「あぁ 頑張って進んでくれ」

「ありがとうございます!」

そういうやり取りをショウは見ていた、船に乗って先に進めることとは別に嬉しい気分になった


そうして2人は島を満喫し、再び船が出発した、最終日はとにかくやることがなかったので、ショウは客室で本をよみ、ハルは色々な人に挨拶をしにいっていた。

船は第2大陸の港町、アルスの町へ着いた、3日間の航海で、2人は疲れ果ててしまっていた、アルスの町の宿屋で2人は一休みしてから旅を続けようという事になった

「あー 疲れた 日記も書き終わったし 俺は寝るわ」

「うん おやすみ」

ハルはベッドに飛び込む、ミシッと音が鳴ったがベッドが壊れた訳ではないようだ。

ショウは地図を広げながら次の日からの段取りを考える

「キアラール山まではあと少し…… 山の近くにある村まではどらぐらいかかるんだろう」

そういったことを考えても仕方ないと思い、地図をしまい、素朴なベッドに入る、少しガタつく感じがあったが、森の中で眠る時よりはマシだった、疲れからかすぐに眠りに入る



目を覚ますと、そこは綺麗な天井だった、どこかで見たことがある、それにベッドの感触も柔らかい、まだ目が覚めきっていないが、昨日いた場所とは違うことだけは理解出来た。

ショウは飛び起きて、隣で寝ている親友を叩き起す

「ハル! ハル! 起きて!」

「ん〜 なんだよ」

「この部屋……」

綺麗な部屋、白くフカフカなベッド、この2つだけで自分の身に何が起きたのかが理解出来た。

ハルが目を擦りながら部屋を見回す

「こんな綺麗な部屋だっけ……?」

寝ぼけた親友を無視して、部屋のカーテンを開ける、外の美しい景色を見て、息を飲んだ

「ここ ソロスの町だ……」

「へ? ソロスの町って…… 俺達が3日前にいた?」

ハルはまだ寝ぼけている、彼は事の重大さが理解出来てないようだ。

ショウは頬を強くつねったが、ただ痛いだけだった

どうもC1eLです!

まずは第13話を読んで頂きありがとうございます!

ちょっと前書きに不満があったので今までのを全部編集しました!

セリフを抜いた感じになります!

そして13話からは新章開幕です!新たな出来事が2人の足を止めてしまったわけですが、果たしてどうやって解決するのでしょうか

というわけでC1elでした!


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