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異世界より、 『フォレスト・エレクトロニック』短編

作者: 松田たろう

 僕は、異世界に転移をした。まぁ、厳密には転移したわけでは無いんだけどれど。この世界はパラレルワールド的な存在なんだって。

 元の世界でトラックに轢かれる瞬間にこの世界の自分と入れ替わった。だから、こっちの世界の自分は死んで、僕は生き残った。

 でも、僕はこの世界に居ることは許容されないらしい。自然と約一か月で死んでしまうんだとか。ただ一つ助かるかもしれない方法がある。それはヤマトという国の北の森の御神木に行くことらしい。転移する人自体も少ないから、方法自体は曖昧だからよくわからない。

 

 あぁ、自己紹介が遅れた。咲良真樹、17才。ギフトとかの能力とかは、今のところ確認できていない。人並みに魔法が使えるだけ。魔法の説明をしたいところだけれど、この世界の魔法は少し特殊で説明しにくい。あんまり長くなっても飽きるだろうし、割愛させていただこう。

 

 それに、僕の旅を手伝ってくれる旅の仲間を紹介しないとね。まずは、腕の立つ剣士である、リョウ。僕より二つ年上。幼い頃に魔物に襲われたとき、お師匠さんに助けてもらったらしい。その時に妹さんは魔物に食われて、それの反動で強くなろうとしているんだって。彼は、シスコン。今でもずっと可愛いい妹だったってうるさい。茶髪で爽やかイケメン。でも女の子と付き合ったことはないんだって。

 シスコンだから。

 

 もう一人、シロさん。彼女はお父さんの遺伝で魔力総量が高い。この三人の中で一番年下なんだけど、ご両親が亡くなっているのもあって一緒に旅をすることになった子だ。黒髪ロングの背の低い子。料理がとても美味しく、家事は完璧以上だ。

 リョウとシロさんは喧嘩ばかだけれど、喧嘩するほど仲が良いって言う。


 今は、迷いの森にて御神木を目指して歩き回っているところ。道なき道をたどっている最中。


 「流石にさ、帰りの食料の事を考えてるって言ったって、昼ごはん無しとか酷くない!???」

 リョウが文句を言いだす。まぁ、いつもの事だけれど。

 「文句を言わないでよ。元はと言えばあなたがいつも食べすぎるからでしょう??」

 シロさんが、すこし怒った口調でリュウに向かって言う。

 「そうだけどさぁ。晩御飯まで何にも食えないとかさぁ、耐えられないって」

 「じゃあ、そこら辺の草でも食っとけ」

 「なぁマキ!なんか言ってやれよ!」

 「いや、僕も食べすぎの要因だからなぁ」

 成長期の男が二人もいるのだ。その場にある飯を食べず、どうするというのだ!と、言った感じで、計画性無視で食べすぎたことが原因で、食料が無くなったことがあった。そのことをシロさんは指摘している。

 「何!?ここには敵しかいないわけ?魔物より人間の方が怖いわ」

 「ほら、犬!そこの木の樹液舐めろ!」

 「犬は樹液舐めないし!犬じゃあねえし!命令口調で言うな!違う意味の犬になるだろ!!」

 「あーやだやだ汚らわしい。そういう不純な事しか考えられないの、やだやだ」

 「それはごめんだけども」

 「生涯触ってこないで、童貞!」

 「童貞って決めつけんなって!っていうか、お前も不純なこと考えてるじゃん!」

 「童貞がうるさいなぁ」

 「童貞童貞うるせぇ」

 「今のところ、お前の方が童貞という単語を多く使っているけれど、それでもうるさいと言えますか?」

 「…マキィ!なんか言ってやってくれよ」

 「僕は関係ないかな…」

 「残念童貞さん」

 「ハイ、これで”童貞”って言った回数ならんだ!」

 「細かい男は嫌われますよ」

 「…」

 と、言った感じで喧嘩ばっかりの二人です。仲いい感じがするけどね。

  

 気づけば空が赤く染まっていた。夜の森は色々な危険があるから、今のうちに夜の準備を軽くしておかないと。

 

 「よし、ここを今日のキャンプ地にする!」

 「了解!」

 

 少し開けた場所に一日中背負っていた大きなリュックを置き、中から粉を出す。これは、魔物除けの粉で強力だから夜のうちは撒いておいて、朝に回収するのが日課になっている。


 「おい犬!薪を準備しろ!」

 「だから犬じゃねぇし、そういう意味でお前使ってるじゃねか!」

 「だから細かい童貞は嫌われるんです!」

 「なんか言葉という拳が増えてない?」

 「早くやってください!」

 「クッソ…」

 

 ぶつぶつ言いながらも、言われたことをやっているのが面白い。ぶつぶつ言うけれど、人の頼みを聞くいいやつなのだ。こういう性格だから、ものを断るのもうまい。コミュ力ってやつだ。

 

 「シロさん!今日の夕飯は何を作ろうか?」

 「そうですね。昨日の残り物と、炊き込みご飯にでもしましょうか。肉といくつかの調味料でできると思います」

 「いいですね!材料の準備をするから、待ってて!」

 「はい!」


 リュックの中から食料を取り出していると後ろから、シロさんの声が聞こえてくる。

 「犬!便所と、水洗い用の穴掘っとけ!」

 「くそぉ、俺が一番力があるからってこき使いやがって!」

 「なんか言ったか!」

 「文句なしでやりますぅ」

 シロさんは僕には敬語なのに、リュウには、たまにタメ口で喋ってるんだよな。敬語使っても、尊敬の意が一切ないような言葉だし。できればタメ口の方がこっちも喋りやすいんだけれど。まぁ、人それぞれの距離感みたいなのがあるのかな?人付き合いの仕方とか、人の数だけあるよね。きっと。


 「シロさん!作りましょう!」

 「準備できましたか!了解です!!」


 小さな足で、こっちへ駆けてくる。ちょこちょこと、効果音が聞こえてきそうでかわいい。ここにロリコンがいるのだとしたら、瞬殺にできるかもしれない。しかし、ロリコンではない僕は一切なびかない。一切というと、彼女に失礼な気がするから一切という言葉は取り消そう。彼女の行動は可愛いが、不純なことには結びつかない。


 …本当だよ?


 「なんですかその顔?リョウと同じようか顔になってますよ…」

 「あ、ごめん。その言い方はひどいよ」

 「聞こえてるぞ…」

 火を起こしているリュウが、こっちを睨んでいる。

 「…地獄耳」

 「地獄耳で悪かったなッ!」

 聞こえてたか…


 「もっと言ってやってください。どんなに言ったって罪にはなりません。あいつが悪いんです」

 「畜生…!」

 「ぼそぼそ言ってないで、早く準備しろぉ!」

 「マキまでそういうこと言いだすのぉ!?ずるいよぉ…」

 「まぁ、あいつは無視でつくろ!」

 「そうですね、アイツなんか目に入れていると痛いですからね」

 「視界に入るだけで痛いとかどんな奴だよ!」

 「ほら、髪型とか、服とか、話し方とか」

 「そっちのイタいかよッ!っていうか、この髪型は地毛だし!元から跳ねてるんだし!服も、機能性重視だから、おしゃれとか考えてないし!まぁ、少しは考えるべきだったかもしれないけれど!」

 「味付けはどうしましょうか?」

 「無視かよッ!」

 「早く火を起こしてよ。二人で下準備したら、すぐにできちゃうから。」

 「ごめんてぇ」

 

 * * * *

 「いただきます!」

 全員でいっせいにご飯をガツガツと口の中に押し込んでいく。

 「おっかわりぃ~!」

 「あ、リュウさん!明日のお昼の分もあるのであんまり食べ過ぎないでください!」

 「そうなの?お前のクセに優しいじゃん」

 「あなたがさっき、昼ごはんがあーだこーだ言うので、明日だけならと思って多めに炊いたんです。感謝してください!」

 「おうよ!わがままに付き合ってくれてあんがとな」

 「よろしい」

 やけに量が多いわけだ。分量間違えて炊いてしまったのかと思っていたが、男軍団のためだったらしい。まあ、軍団といっても二人だけなんだけど。

 「そうそう、前の街で紅茶を買っておいたんです。あとで飲みましょう!」

 「なんかお菓子とかあったっけ?」

 

 リュウが、少し期待を瞳に浮かばせながら言った。

 「そんなものはありません!贅沢を言わないでください。食べたいなら自分で勝ってに買ってください!」

 「えぇ」

 「だから、樹液をなめていろってさっき言ったんです!」

 「だから、樹液は舐めないし、甘くもないと思う!」

 「あぁ、そうですか。じゃあ、夜空の金平糖でも舐めていてください!」

 「あれは金平糖じゃなくて星だし、あんな高いところにあるものどうやって舐める気なんだよ!樹液をなめていた方がましだ!」 

 「じゃあ樹液舐めていてください」

 「くっそ、上げ足取られた…」

 「ハハ、適当こくからだよ」

 「マキ!お前はどっちの味方なんだよ!」 

 「どっちに着くとかないよ。野武士方式だ」

 「畜生」

 

 野武士の意味はわからないんだろうが、あんまり深入りしないのが彼のいいところだなと思う。会話の流れに関係ないからな。会話をよくわかっているというか、相手の事を考えているというか。

 コミュ力って言うのはこういう事を言うのだろうか。まぁ、コミュ力の一部というか、一角と言うんだろうか。

 

 「ごちそうさまでした!」

 「シロさん、もういいの?」

 「女性は太っているとモテないの、知らないんですか?」

 「てめぇはもっと食って、腹じゃなくて胸デカくしろよ」

 「マグマに落とされるか、紐にくるまれてドラゴンのエネルギーの糧になるか、どっちがいいですか?嫌な方を選ばせてあげます」

 「嫌な方を選ばせんのかよッ!」

 「いっそのこと、ここで殺してしまいましょうか」

 「人殺すのはよくないぞ」

 「誰も見ていいないので、安心してください。亡骸はここら辺に放置しておきますので」

 「マキは!?マキはどこに行ったの!?って、マキ!よそ見すんな!今見ていないと殺される!」

 「僕には関係ないです。何も見ていないです」

 「よし、誰も見ていない!」

 「マキ!てめぇ、シロの味方だな!?」

 「ちがう、どっちの味方とか無い!」

 「嘘つけロリコン!」

 「はぁ!?ロリコンじゃねえし。ロリータコンプレックスじゃねえし!幼女に興奮しねえし!少女愛好じゃねえし!」

 「まぁまぁ、ここはリュウを殺すということですべてが解決するので」

 「よし、殺してしまおう!」

 「マキ、お前、見ていないふりするどころか、加害者側に回ったな!?裏切者ぉ!道徳はどこにいった!倫理観はどこに行ったんだ!?ここには背徳主義者しかいないのか!?」

 「大声上げてないではやく食べてください。片付けが進みません!」

 「ごめんなさい」

 

 * * * *

 「あぁ、紅茶ってやっぱり落ち着くなぁ」

 一口飲むだけで、温かさが体中に広がっていくのがわかる。

 「本当ですねぇ」

 「酒飲みたい」 

 

 リュウが場にそぐわない一言を言ったため、空気が少し冷たく感じる。

 「今、私たちは数えきれないほどの星たちの下で、紅茶の温かみから世界の温かみを感じているところに、『酒飲みたい』ってアホみたいなことを言うんですか?」

 「いや、すまん。何も考えずに口を開けてしまった」

 「いや、マキ。そこは、紅茶の温かみと世界の温かみが同じなのかよ!っていうツッコミを入れるのが正解だろ」

 「この雰囲気で!?俺にお前たちは何を高望みしているんだ!?」

 「一番雰囲気読んでなかったやつが、言わないでください!」

 「それはごめんん!」

 

 ゆっくり夜空を見上げる。こんなに広い夜空、ここに来なきゃ見れなかったんだなぁと思うと、来たことが悪い事には思えない。

 あと、何十日かで死んでしまうとは思えない。ゆっくりとした、楽しい旅だ。なんだかんだで、このまま死んでも悪くないのかもしれない。

 でも、この世界で生きたいって思ったんだ。帰りを待ってる人もいる。その人に会うまで死ねないし、死なない。

 必ず生き残って、あの町に帰る。


 * * * *


 

 今書いているシリーズの体験版のようなお話です。投稿は初めてなので、ゆっくり添削しつつ書いています。

 このお話はただ話しているだけなので見どころはあまりなかったと思いますが、読んでくださってありがとうございました。

 少しでも面白いと思っていただけたら、頭の隅に置いておいてもらって、シリーズが投稿されたら是非呼んでみてください。

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