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フードを被る双剣士②~規格外vs規格外~

(30秒は俺が勝つために大事な時間だ。考えろ。頭を回せ。)


(あいつは、速い。多分、俺が今まで射撃してきたものの中でいちばん速い。正直あの速さは、俺でもエイムが合わせられるか分からん。ってなるともうひとつのやり方で勝つしかない。)


「30秒まで、あと5秒。」

フードの男は、ウィンドウにあるタイマー機能を見てそうシグを焦らせる。

シグは、考えが固まり、銃をかまえ、30秒経つ瞬間を待った。


5;4;3;2;1.0


30秒のフードの男によって与えられた、シグにとって有益になった思考時間が終了した。

その途端、フードの男は、最初と同じく2つの魔法を放つ。


「行くぜ、紫髪ィ!!!」


高速双撃(クイックツイン)

超高速移動(マッハムーブ)


《魔法並列起動》というスキル持ち以外できるはずもない魔法の2つ同時起動によって、魔法陣が3つ起動した。


1つは、フードの男の足元に大きく起動した超高速移動(マッハムーブ)の魔法陣。

残り2つは、フードの男の持つ2本の剣の刃に、螺旋状に回転しながら貫通する高速双撃(クイックツイン)の魔方陣。


これらの魔法で速度をあげて、シグとの距離を縮めようとしたフードの男だった。

しかしシグの狙いは、この魔法陣だった。


そうシグのやり方とは、白撃竜戦の時に行った魔法陣破壊作戦だ。


連射ができないことからどちらかしか消せない魔法陣において、シグが狙ったのは、足元の魔法陣。

シグが、厄介なのは速さだと考えたからだ。


シグが撃った銃弾は、フードの男の魔法陣に当たり、足元の魔法陣は、シグの思惑通り消える。

それをしてくるとは予想外だったらしく、フードの男の見えてる顔半分も困惑を見せている。

「わぁぁお。まじか。その手があったか……。やるねー。」


(おっけー。あいつが速さを失ったなら俺の番だ。)


勝機が出来て勝てると思ったシグだったが、うっすらと見えるフードの男の顔の困惑が笑みに変わっていることを確認して、少し妙に感じた。


ただ、ここまで来て、魔法陣を消すことができたという功績を無駄にはしたくないため、シグはフードの男に一撃射撃(ショットブロウ)を撃った。


「紫髪君。一つだけ言っとく。俺のアジリティ(AGI)は、1380だ。舐めんな。」


一撃射撃(ショットブロウ)を軽く避けたフードの男は、持ってる2本の剣のうち左に持つ剣を俺に向けてそう自慢げに言った。


(あの魔法は単なる魔法であって、元の速さも尋常じゃ無いって事ね、こいつは。しかもこいつ、反射神経もいかれてやがる。)


負けに近づいていると感じたシグは、アイテムボックスからあるものを取りだした。

あるものとは赤色のポーションだった。

その赤いポーションはイチヤから貰ったものだった。


(俺は使わないからってイチヤがくれたこれにかけるしかない。)


連射のポーション――魔法銃使用中専用ポーション。5分の間、射撃と射撃の間に催す連射速度が0.1秒になる。しかし、ダメージ力は3分の1になる。


シグは、ゴクゴクとそのポーションを飲んだ。


「ポーションか。回復系は持ち込めない今回のルールからして、攻撃力あげる系かな?まぁいい。そろそろキルをいただくわ。」


先手はフードの男だった。

シグに突撃を仕掛けたのだ。

両手に持つ剣は、太陽の光で輝いている。

今回はシグのさっきの魔法陣破壊によってどうせ消されるならと思い、魔法は無しで走り出した。


しかし、フードの男にとって、予想だにしないことが起きる。

シグが、片手に銃を持ち自分と同じように走り出したのだ。

本来なら、後方から射撃の方が戦いやすい魔法銃なのだが、走り出したのだ。


両者が距離を近づけているため、一瞬にして、フードの男の持つ剣の間合いに入った。

ここぞと言うばかりに、フードの男は両手に持つ剣の内の左手に持つ剣でシグの横腹を横に切ろうとする。


しかし、次の途端、フードの男の左手の持つ剣は、4度の衝撃によって弾かれた。

その四度とは、シグが胸元で構えている魔法銃による連射であった。


(弾かれた?!?!こいつ、照準も覗かずに、構えもせずに俺の剣に当ててきやがった。そもそもこの距離での射撃だぞ??)


驚いたフードの男だったが、切り替えて即座にもう片方の右手の剣でシグを切ろうとした。


しかしそれもシグの魔法銃による連射によって弾かれる。


そして、後退しながら何度も何度もシグに向かって剣を振り下ろしたが、全てシグが適当な様子で放つ連射によって弾かれた。


撃った銃弾全てを、細い剣に当ててきているシグに、フードの男は完全に圧倒されていた。


これを客観的に見ると、アニメや映画のように連射によって放たれた全ての銃弾を、剣で弾いているように見えるが、このシグとフードの男による戦いは逆なのだ。


剣による連撃を全て、射撃で弾いているのだ。


ライブによってこれを見ていたプレイヤー、PvP闘技場にいるプレイヤーは、超人離れしているシグの射撃術に目を丸くしていた。


『おい、まさかツィー・ツィーが負けるのか?陰陽旅団のエグゼクティブだぞ?』


『マジでなんなんあれ?バケモンかよw』


『まじでアニメとか映画みたいwww』


『ツィー・ツィー優勝候補だけどまさか負ける??』


『俺のツィー・ツィーに賭けた5万リアがァァァァ』


『シグ・ザウエルの正体わかったぞ!!』


チャット欄は、大荒れだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 主人公さん無双できてて良かった。 [一言] 1ブロック5000人やぞ、、、回復ポーションなしとか鬼畜じゃねぇか。詰んだな。
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