表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

72/146

第70話 護送を続けよう

 「あの?こいつらどうするんです?」


 俺は捕らえられた男達を見ながら、シルビアさんに尋ねる。


 「ああ、幸いこいつらの馬が数頭残っているからな。それに載せて、翌朝には我が領内の一番近い街につくので、そこまで連れて行くつもりだ。」           


 シルビアさんはそう答えてくれた。

 すると今日の夜と明日の街に着くまでこいつらの面倒を見ればいいだけか。

 なら、そこまで死なないようにすればいいから、治療をする必要はないかな。


 「なら、止血だけでもした方がいいか?」


 俺はそう提案する。


 「ふむ、そう言えば強化魔法を使ってたな。ということは回復士か。よければ頼んでいいか。」


 シルビアさんは少し考えてから、そう頼み込んできた。

 あ、なんか俺の職業把握してなかった。

 そう言えば、お互いの紹介をきちんとしてなかったよな。

 そう考えると、シルビアさんも敵襲は実はそこまで想定していなかった?

 俺も真剣に想定していなかったので、そこはあえて触れずに話を進める。

 

 連中に寝てるとき五月蠅く騒がれても、寝られなくなるし、骨折まで治すと中級の回復魔法が使えるのがばれてしまうので、切傷を中心に治療する。

 初級の回復魔法だけ使って直せばいいから、治療に関しては考えなしに、片っ端から魔法を掛けるだけでいいから楽だな。

 止血さえしておけば、内臓が痛んでたりしなきゃ、まぁ死ぬことはないだろう。

 魔法で治療が終わると、騎士達が男達を縛り上げ、馬に括りつけて行く。

 騎士達も俺にいろいろ声を掛けてくれた。


 「強化魔法や弱体化魔法かけてくれてありがとな。、おかげでこちらは仲間を失わないで済んだばかりか。怪我らしい怪我もなかったよ。」


 「ああ、ありがとうな。」


 「いえ、攻撃魔法もこちらにはありましたし、皆さんの実力があればこそですよ。もし怪我しているなら、軽傷でも治療しますよ。」


 それに俺もそう言って答える。

 

 「ありがとうな。これくらいなら魔法で治すまでもないからな。大丈夫だありがとう。」


 そう言って、騎士は傷口を見せてくれる。

 確かに本当に擦り傷程度だな。

 それでも俺が治すのは構わないが、向こうがそれを遠慮しているんだから、これくらいなら確かに治すほどでもないから、無理に推し進める必要もないか。     

 「では、もう少し進んで休める場所を探しましょう。大分暗くなってきてしまいましたからね。」


 シルビアさんは俺達に先を急ぐようそう話しかける。

 俺も空を眺め見る。


 「そうですね。かなり暗くなってしますね。急ぎましょう。」


 俺も皆に指示し、出発の準備を整える。

 捕らえた男達の馬は俺達で牽くことになった。

 騎士達の脚竜に牽かせると馬が怖がってしまうそうだ。脚竜は肉食か雑食なのか?

 結局、野営できる場所に到着した時は日が沈んでしまっていた。

 戦闘と生き残りを捕らえたりしたりしたのだから、仕方がないか。


 暗くなってからの作業も大変だから、魔法を使える人間が灯りの魔法を使って周りを照らしながら、準備をすることになった。

 魔法を使えるのがこちらが俺含めて三人、騎士側も先程の戦闘の時魔法を使った二人とシルビアさんが使えるらしい。

 合わせて六人の魔法の灯りに照らされて作業を行うが、これだけ明るいと実にスムーズに作業を行えた。


 その後は特に何事もなく、翌朝になった。朝食も軽く取る。

 もっとも、第二波が来るなら、戦力の分散なんて愚策でしかないので、最初の連中と合流してから襲ってきたか。

 翌朝出立前に敵を引き渡すまでの街への行程を確認しておく。

 本来は立ち寄る予定のない街だけど、昼には到着するそうだ。

 そこでは昨日の男達だけを引き渡すらしい。

 そこについでに王都からの移送者を渡せばいいのにと俺が言う。

 すると、シルビアさんは彼らは尋問を済んでいるので、領都で刑を執行するだけなので、ここで引き渡すことはできないのよと答えた。

 うん、彼らにはもう聞きたいことはなく、あとは刑を執行するだけなのか。


 「それなら、なおさら、なぜ彼らを救うような昨日の襲撃が行われたんだ?」


 俺は疑問に思いそう口にした。

 それについても、シルビアさんが困惑しながら答えてくれた。

 

 「既に今回の騒動を扇動した家も既にわかっているし、昨日襲った連中も恐らく、かの家の家臣だろう。」                           

 「それなら、襲撃しても何の利点もない気がするのだが?」


 「普通に考えれば、そうなんだろうがな。まだ、彼を再度立てて公爵家を乗っ取ろう考えていたのだろう。愚かなことだ。」


 「いや、普通に考えても、もう無理だろう。」


 仮にミヒャエルだっけ?彼を奪ったとしても、もう彼の手駒は残っていないだろうから、彼に再起の機会はもうないと言ってもいいだろう。

 それに今回協力した貴族家が兵を都合して、兵を貸し与えて再度領都の制圧を指せたとしても、すでに公爵に彼の所業が知れ渡っているのだから、彼を後継に認めるとは思えないのだけど。


 「まぁ、普通に考えればそう思うだろう。しかし、残念ながら貴族というものは意外に先が見えぬものがいるのだよ。周りにイエスマンしか置かないような者も多い。

 私も今回もう襲撃はないと判断して、騎士でない腕の劣るだろう君達を、護送に協力して貰うよう、公爵に推薦したのだが、判断が甘かったすまなかった。」


 「いえ、俺も襲撃なんてないと甘く考えていたので、いい商売になると思ってた訳ですし、お互い様ですよ。」


 「そう思ってくれるとありがたい。それに冒険者にしては君達は術者も多いし、回復者もいる。随分、術者が多い珍しい構成で助かったよ。」


 「そう言ってくださってくれて、ありがとうございます。護送任務も今日一日になるでしょうが、頑張ります。」


 「ああ、頼む。」


 そんな話をして、打ち合わせも終えて、途中の街に立ち寄りながら、領都を目指すことになった。

 さすがにもう襲撃はないかな。

 あるとしたら、ミヒャエルの残党による奪還くらいだろうけど、たった三人で王都方面に逃げ出したんだから、それはないだろう。

 まぁ、油断はせずに進んで行くとしよう。


 シルビアさんは街で無事に昨日の賊を引き渡す。彼らの情報は街の兵士に伝え、相手は騎士だと伝え、油断しないようにと伝えておく。

 もし、彼らに武器を奪われたりして、暴れられたら兵士では制圧は大変になるだろうからな。

 そこで少々手続きに時間は取られたが、なんとか領都に今日中に到着できる時間に出立できたので、先を急ぐことにする。

 そして事件は午後の休憩時間に起こった。


 俺達は馬を休めるために木陰に移し、水を与える。

 騎士達も護送している馬車を木陰に寄せて、馬車から外して、休ませてやる。

 そして、一人が馬車を除いた時に中にいたミヒャエル達が意識を失って倒れているのに気付いて声を上げた。


 「大変だ。中の男達が倒れている。」

よろしければブックマーク、評価、ご意見、感想などよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ