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第65話 依頼主の変わった護衛任務を終えよう

 先に騎士の一人が先触で、単騎王都に向かったので、この馬車の護衛は四騎で前後を護られている。

 その後の帰路は順調で、無事に余裕を持って王都につくことができた。

 まぁ、例え幌馬車であろうと、四騎の脚竜に護られたいるのだ。

 公爵家に喧嘩売るような盗賊が王都近くで活動してるとは思えないから、盗賊に襲われる心配もないのだから、当然と言えば当然だけどね。

 道中、並走している騎士と暇なので会話をしていたのだが、捕らえた連中は森を抜けて来たと言っていたが、騎士の方々は森の中を騎乗して移動できないだろうから、どうしたのか聞いてみたら、脚竜は馬と違って体長が短いので、木々の間も楽に抜けられるので、普通に追って来たんだ答えていた。

 なるほど、足も馬より速いみたいだし、そんな利点もあるのか。

 数を用意出来たら、結構優位に戦場で運用できそうだな。 


 その後も、暇つぶしにいろいろと会話をしながら、城門に辿り着くと、いつもどおり正門に並ぼうとする。

 今まで雑談してた騎士から、今回は正門ではなく、貴族用の門から入るように言われ、貴族の住む街区に近い東門に回ることになる。

 脚竜に乗った騎士に誘導されたようにして、東門に向かう。


 貴族用だけあってチェックは本当に形式的なようだ。

 簡単なチェックさえなく、中に通される。 

 だが、金銭が支払われていたようなので、恐らくこの馬車の税金とかだろう。

 その辺だけはしっかり徴収するのか。

 いつの時代、世界も税金だけは しっかり取られるのだな。

 正面門と違い、人も少ないので待たされることなく王都内に入ることが出来た。 


 貴族街近くの門から入ったが、攻城対策なのか、クランクの多い結構入り組んだ道を通される。

 弓兵を配されたら、面倒そうな作りになっているな。

 正門からだと貴族街に行くのにはさほど面倒でないが、普段は開いたままだが、いくつもの門が配されているので、やはり簡単にはたどり着けないようになっているけどもね。

 

 そんな場所を通り抜けて、貴族街に入る。

 貴族街だと護衛の騎士が周囲にいるのもあり、幌馬車は余計に場違いに見えるな。

 そして、そのまま貴族街のかなり奥に向かう。

 公爵邸の壁に差し掛かったところで、同行の騎士にここが目的地だと言われたが、侯爵の敷地よりはるかに大きな造りになっていた。

 ここの庭も綺麗に整備されているけど、庭師だけでもかなりの人数が必要そうだ。

 そして、屋敷の後ろには王城も大きく見えている。

 この屋敷の敷地の向こうにあるのに、あれだけ大きいということは、かなりの規模のお城だよな。


 そうこうして、公爵家の門に辿り着く。

 事前に先触を出していたこともあり、スムーズに中に通される。

 でも、公爵の騎士だし、先触がなくてもさほど手間なく入れるのかな。

 広い屋敷前の庭に入ると屋敷の騎士なのだろうか、二騎が加わり、先導してくれる。

 屋敷の移動だけで、竜騎を用意するのか凄いな。

 罪人を運んでいるので、屋敷でなく周りの建物に寄せるように言われると思いきや、屋敷の正面に案内される。

 騎士達が下乗したので、御者台にいた俺も下乗して騎士の横に着く。

 中にいる女性陣は、そのまま捕らえた三人の警護で残ってて貰う。


 なんか偉そうな人が出て来ましたよ。

 屋敷の警備担当って感じじゃないです。公爵様でしょうか。


 「皆の者、よくぞ不逞の輩を捕らえてくれた感謝する。」


 騎士団を見渡して、そう声を掛ける。


 「いえ、公爵閣下、今回のこと未然に防げず、誠に申し訳ございません。」


 すると俺達と出会った時に声を掛けて来た女騎士がそれに応え、詫びを入れる。

 身形からして偉そうと思ってたら、やっぱり、公爵閣下だったのね。はぁ。


 「いや、シルビアはよくやった。妻も息子は無事だったのだろう。」


 ん、シルビア?あの女騎士の名前か?それにしてはくだけた呼び方のようだが?

 俺がそんな疑問を抱いているのを察したのか、隣の騎士が耳打ちしてくれた。

 彼女がこの騎士達の隊長で、公爵様の姪にあたるそうだ。なるほどね。


 「ですが、代官以下数名が、妻子を護るため、凶刃に倒れる結果になってしまいました。」


 うん、思ったより、大きな騒動のようだね。さっさと切り上げて帰りたいな。


 「うむ、こんな事では、報いることにならないかも知れぬが、残された彼らの妻子には、生活を保障するなど最大限事の手当てをしよう。」


 「過大なる処置かと存じます。」


 隣にいる文官がそう公爵を持ち上げる。


 「であるから、シルビアもそう気に病むではない。それで、ミヒャエルらを捕らえたのは、そこに居る者か?」


 「は、はい。それとミヒャエルらを見張っている者が狼に襲われていたミヒャエルを救い、途中は省きますが、我が追いつく前に彼らを捕らえて頂きました。」


 ええ、最初は助けて王都まで連れて行こうと思ってました。

 その辺を伝えないでくれて、シルビアさん、ありがとうです。


 「そうか。よくぞ捕らえてくれた。彼らの口が封じられるのを防いだうえ、よくぞ捕らえてくれた。礼を言う。で、名をなんて言う?」


 「はい、冒険者のギリーと申します。」


 そう言って、頭を下げる。


 「そうか。ギリーと言うのだな。報酬は弾んでやろう。ご苦労であった。では、ミヒャエルを引き渡しをして貰おう。」


 そう言うと、屋敷の警備担当なのだろうか。後ろに控えていた男達が俺の前に出て来た。

 俺は公爵様に一礼して、現れた男達とやり取りをするため、輪の中から外れる。

 そして、公爵様はミヒャエルらを確認することもなく、屋敷の中に戻って行く。

 俺はそれを見送りながら、警備の男達に捕らえたミヒャエルらを引き渡して、報酬を貰う。

 中々の重さだけど、金貨かな?銀貨かな?まさか確認するわけにも行かず、受け取ったまま、中身を確認せずに懐にしまう。

 そして、見送った後、残った騎士に門の所まで先導して貰い屋敷を後にする。


 ふぅ、これで無事に公爵様との関係を切れるかと思ったら、声を掛けられた。

 今後、聞きたいこともあるかもなので、宿が決まったら屋敷を取り纏めている執事に逗留先を連絡するよう、もし、王都を発つなら、その三日前にも伝えるように言われる。

 それと、今回のことは他言無用にと言われる。

 もちろん、迂闊にしゃべって口封じなんてされたらたまらないので、承知する。


 やっぱり、重要な秘密を知っている俺達を、簡単には自由にしてくれない訳ね。

 俺は見送ってくれた男に一礼をして、宿屋街へと向かう。

 もう日も落ちているので、貴族街と平民街を仕切る門も急がないと閉じられるので急ぎ通過し、宿屋を探す。

 と言っても、最初に王都に来た時の宿屋に向かい、空いていればそこにするつもりでいる。

 北方は雪解け間近とは言え、冬の期間中なので、王都への出入りこそ増えているが富裕層の出入りはあまりないので、無事に借りることは出来たので、そこに泊まることにする。


 宿で主人に明日でいいので、公爵家の執事への言付けを頼む。

 まぁ、人通り少ない貴族街で探査のスキルを使った時、追尾している反応があったのでここに泊まっているのはわかっているだろうから、急がなくていいからね。

 そして、宿屋の一室に集まり、報酬を確認する。

 入っていたのは、金貨で20枚ほどであった。

 随分大盤振る舞いだこと、それだけの案件だったのだろう。

 休息で訪れた王都で、なんだかんだと、かなりの金額を結局稼いでしまったな。

 なんかイオナに盗賊討伐の報酬を貰いに行かなくてもいいんじゃないかと思えるほどに思えてしまうよな。

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