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第62話 騒動に巻き込まれそうでどうしよう

 そんなことをしながら、家で二週間程、気軽に過ごす。

 訓練といろいろ料理を作ったりして、楽しむ。

 侯爵家で思いついたプリンも作ってみる。

 今までの焼き菓子と違った、柔らかくて冷たい食感が喜ばれた。

 ただ、これは冬でなければ、もっと喜ばれたかな。

 これは、広めないのかと聞かれたが、面倒なので機会があったらと濁しておいた。


 そろそろ、体作りも終えて、王都に戻ることにする。

 また、王都で食料を買い込んだりしたら、何事もなければ雪解けを待っている馬車の一団が王都から出払って、一段落したら、出発するするつもりだ。

 周囲に馬車が多いと、護衛がわりに冒険者である俺らの馬車と同行しようと考える連中が多くなるそうで、そうなると家を使うのも難しくなりそうだし、いろいろ面倒になると助言を受けたこともあり、ゆっくりの帰還に決めたからだ。


 その途中、乗馬から馬車に乗り換えて、しばらくすると、急に馬車が止められ、御者をしていたリアが馬車の中に声が掛けてきた。


 「右側から動物の群れに追われている人の反応があるんだけど。」


 「恐らく、狼でしょう。助けに向かいますか?」


 パルマがそう反応する。

 それを聞いて、ミサが助けようと主張する。


 「ええ、行きましょう。間に合うかわかんないけど、見過ごしたくない。」


 「よし、向かうか。ティアは馬車の見張りを頼む。」


 俺がそう言うと、各自がそれぞれの得物を持って、馬車から降りる。

 それを御者台に移ったティアがそれを見送る。

 リアが走って向かうのを追いながら、俺も状況を確認するため、一度探査で周囲を確認する。反応は結構遠い位置に反応があるが、間に合うか?

 反応に向かって、リアとパルマが先頭に立って進む。それを追うようにディートと俺が続き、少し遅れてミサが付いて来る。

 俺は移動しながらも前から順に『強化付与』の魔法をかけて、少しでも早く追いつけるようにする。


 反応がある人数は三人か。追っている狼は十四頭か、冒険者や兵士なら、何とかなりそうな数だと思うが?

 皆に付与魔法を飛ばしてから、探査を使い細かな状況を確認する。

 狼も小動物を仕留めるようには行かないらしく、距離を詰めては逃げられるを繰り返している。

 そろそろ視界に視界に入って来る頃だが、リアとパルマは視界に捉えたらしい。

 二人は速度を上げる。

 俺もディートに並ぶように速度を上げる。視界に捉える。

 傷だらけの男性が二人、それらに護られるように少年が一人いる。少年もよく見ると傷を負っているようだ。

 急いだほうがいいな。


 狼に追われている三人はいずれも武器を持っていないようだ。

 装備も防寒具を纏っているため、よく見えないが、革鎧等を着込んでいるようには見えない。

 しかし、あの三人はなぜあんな軽装でこんな所にいるんだ?

 やがて、距離を詰めたリアとパルマは三人と狼の間に入ることに成功する。


 「大丈夫か。助太刀するよ。」


 リアがそう言うと、二人は追いかけられていた三人を背にして狼に正対する。

 狼はリア達を半包囲で囲むようにし、距離を詰めていく。

 数度襲い掛かる狼を、牙に剣を当て、跳ね返して、斬りつけたりと確実に数を減らしていく。

 狼達はさらに俺達の近づいてくる気配を察したのか、リーダー格の狼が一鳴きすると、狩りを諦め森のある方向に逃げ帰って行く。

 俺達は深追いせずに、襲われた三人の治療を優先することにする。


 「俺達は冒険者だ。幸い俺は回復職なので、回復魔法が使える。治療をしていいか?」


 警戒を解くため、そう俺は名乗り出た。


 「かたじけない。我らは王都に向かう途中の者だ。この通り、狼に襲われてな。ありがたく申し出を受けよう。」


 従者らしき男の内、一人がそう答える。


 「では、怪我も酷いので早速治療させて貰う。」


 そう言って、俺は治療を行うことにする。


 まず、怪我の度合いが重い二人を治療しようとしたが、二人はまず先に少年を治療するように頼み込む。

 善意で助けて、治療を行うのに、助けた方にとやかく言われるのは、気に入らないが、とりあえず言われたとおり、治療をすることにし、少年の方に向かう。

 どうやら、それなりの身分の者なのかな?

 そんなことを思いつつも、治療をする。少年は初級の回復魔法で十分な回復が見込まれるから、問題ないが、従者っぽい二人はどうしようか。

 とりあえず、中級回復魔法を使えるを知られるのはまずいので、出来る限り初級魔法を重ねがけして治していく。

 武器も持たずに三人でこんなとこにいる理由も知りたいし、問題なければさっさと中級回復魔法で治療してしまいたいと言うのもあり、治療中に話しかけて、相手の素性を探る。

 

 彼らの話を聞くと、少年は貴族の息子で、他の二人はその従者らしい。

 でも、それなら、なんでこんなとこにいるんだ?

 この辺りは、王都と目と鼻の先だ。普通に考えれば、この辺りは王の直轄地になっているだろうし、武器も持たずに貴族の子息がうろついているんだ?

 俺がそんな疑問を抱いたのを察したのか、それとももともと語るつもりだったのかわからないが、語り始めた。

 俺は貴族の従者じゃ、中級魔法無しで治療しないとだな。そんなことを思いながら、その理由を聞く。


 なんでも、彼らは狼が逃げた森を越えてやって来たらしく。王都に向かう途中だそうだ。

 彼らの話が本当なら、領地でお家騒動が起こり、少年を救うため、森を越えて逃げて来たそうだ。

 武器は彼らを追う、追ってと遣り合っているときに折られたそうだ。

 剣が従者の二人とも折られたとか、どれだけ切り結んだんだ?

 確かに、狼の咬み傷や引っ掻き傷のほか、応急手当てをした切傷も見られるから本当なのだろう。

 相手の素性的に中級回復魔法は使えないので、こまめに初級回復魔法で治療をしていく。

 流石にいくつかは初級魔法ではすぐに治せない傷もあったが、問題ないレベルまで治療していく。


 さて、これからどうしようか。面倒事に巻き込めれないようにするにはここで別れたいが。

 取り合えず、武器がないのではまずかろうと、二人とも剣の使い手だと言うことなので、リアとパルマの予備武器を渡すことを申し出る。 

 従者はその申し出を受けて、さらに俺達に頼み込んできた。


 「色々と便宜をはかって頂いて、すまないが、王都までも同行願えないだろうか。王都につけば、謝礼は払える頼む。一刻も早く、王都にいる主に伝えなければならないのだ。」


 どうしたものか?

 対応に困って、俺は仲間に視線を向ける。

 彼女らもどうするべきか迷ってるらしく、お互い困り顔で向かい合うだけである。


 「ちょっと、仲間だけで相談させて貰ないでしょうか?」


 沈黙を破り、ディートが頼み込んできた従者にそう話しかける。


 「ああ、私達がいては相談しにくかろう。構わない。ぜひ、前向きに検討していただければありがたい。」


 それを聞いて、そう答えてくれる。

 さて、どうしたもんか。

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