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第42話 戦利品を売り捌きに行こう

 それから、徒歩で武器を一抱え持って、再び街に戻り、今まで使ってた宿を押さえに向かった。

 そこでも、今まで長期に逗留していた上客だ。

 当然覚えられていたので、一日して戻ってきたことに驚かれた。

 だが、そこはさすが上級な宿、事情を聞かず、すぐさま宿泊の手続きをしてくれた。


 その翌日、俺とリア、ミサ、ティアで、武器を武器屋に売るついでに、事情をとりあえず伝えておこうと思い、冒険者ギルドに向かうことにする。

 ディートとパルマで、馬を買ってくれる当てのクライン商会に話を付けに向かってくれた。

 向こうは、商会長と番頭さんの娘二人だし、問題ないだろう。

 俺達は、冒険者ギルドに着くと受付のレジーナさんの方から声を掛けられた。


 「いらっしゃい。ギリーさん方。長期の遠征に行くって言ってたのに、どうしたの?」


 「やぁ、ちょっと盗賊に関わってしまってな。」


 「それは災難でしたね。皆さんお怪我はありませんでした?」


 「ああ、みんなこの通りだ。ディート達は生憎と戦利品の処分に行っているがね。」


 「無事で何よりです。」


 「それで、盗賊の報奨金や盗難品の謝礼がここに持ち込まれるが、また俺達は遠征に出てしまうので、よろしくな。」


 「わざわざご丁寧に知らせていただきありがとうございます。すると、今後の予定はわからないと言っていましたが、一度はこちらにお戻りになるのですね。」


 「ああ、無事に遠征が終われば、そうなる予定だ。ところで、報奨金ておおよそどれくらいになるかわかるか?」


 「盗賊の規模や悪質さで変わってきますが、金貨10枚から500枚と言ったところですね。」


 「随分違うのだな。まぁ、規模によっても強さが違うし、当然か。」


 「ですね。報奨金のことはギルド長の耳にも入れておきますので。」


 俺がなんでそんなことをするの?という顔をしていたのか、レジーナさんは付け加えて、小声でこう言った。


 「ああ、ギリーさん達が特別ってわけじゃないですよ。

 変な話、あまり大声で言えないのですが、前に報奨金をくすねたギルド職員がいたのです。

 なので、大金が動くようなことがわかると、ギルド長には伝えるようになっているのですよ。」


 まぁ、学校もないから、モラルを教えるのは、神殿での説話や親からの寝物語などからだけだろうからな。

 そう言った悪事に手を染めてしまうの者も、多いのだろう。


 「なるほどね。それと、こっちらのティアさんも一応、冒険者登録して貰えないか。」


 「構いませんが、一応とは?」


 「ああ、俺達と一緒に遠征に出て貰うため雇ったんだが、今回のようなことがあった時、色々動いて貰うのに冒険者の身分があった方がいいかと思ってな。」


 「そう言うことでしたら、では、登録は無難な荷物運びでよろしいでしょうか?」


 「いや、魔力があるので魔法使いで登録をお願いしたい。」


 「あの、私は戦闘とかはからっきしですが。」


 「心配するな。常に狩りに同行しろとは言わない。護身用に魔法を使えるようにするまでだ。今回のようなことがあった時も、あればあったでいいだろ。」


 「そう言うことでしたら、……。」


 俺の言葉に納得して、ティアはそうと言いかけてから、慌てて結構なお金が掛かるのを思い出したようで否定をする。


 「いえ、よくありませんでした。魔法を使えるようになるには魔術師組合にお金を払わないとですよね。」


 「安心しろ、そこは必要経費でこっちで出すから。」


 「でも。」


 「ギリーは、こう言い出したら聞かねぇから、諦めな。」


 「だよねぇ。」


 「はぁ。」 


 リアとミサの言葉に、ティアは何とも言えない声を出す。

 なんか俺が変みたいな状況だったので、レジーナさんに顔を向ける。

 レジーナさんも目を合わせると、困ったような顔をして、微笑む。

 俺は、なるべくリスクを減らしたいだけなんだけどな。


 そんな訳で、ギルドへの報告とティアのギルドへの登録が済んだので、魔術師組合に顔を出して支払いをして登録をする。

 相変わらず、高いよなと思いつつ、狩りでも初級は見つけられないので、必要経費として払い、登録という名のもと初級の魔法書を貰う。

 次に、鞄から盗賊から頂いた武器を取りだし、武器屋に持ち込む。

 俺が見たところ、これといった性能のいい武器はなかったので、すべて持ち込んで売ることにした。

 盗賊全員の武器とアジトに合った予備の武器で結構な数になったが、武器屋で買い取りを申し出てくれたのは五点ほどだった。

 残りは、くず鉄や使いなら引き取ると言われた。

 俺の目でも、そんな評価だったので、それを了承する。

 俺のこの能力、スキルとしても表示がないし、何なんだろな?

 武器屋をやっているこの店主も話を聞く限り、この能力を取得していないようだしね。

 管理者のラクシュリアさんに、その辺のことも聞きたいけど会えないだろうか?


 「なぁ、ラクシュリアって神様知っているか?」


 「突然、なんだよ。あたいは知らないな。ミサは?」


 「あたしも知りません。」


 「私もです。すみません。」


 ティアも、二人に倣って、そう答える。

 うーん、管理者さんは、やっぱり神様として認識されてないか。俺のゲームを覗いてたって、言ってたから、地球も管轄ぽいけどそんな神様いないしな。


 「いや、知らなければいいんだ。ちょっと気になってな。」


 ゲームや小説だと教会でお祈りをささげると会えたりするんで、ラクシュリアさんを崇めている宗教でもあれば行ってみようと思ったのだが、どうやら、無いようだ。

 でも、一度神様にお祈りに行ってみるか。

 もしかしたら、連絡が付くかもだしな。


 「なら、この街の神殿か何か。神に祈りをささげるところってあるか?」


 「それこそ、そんなのギリーは回復士だから知ってるだろ。」


 リアにそう言われ、ギリーの記憶を辿ってみるが、宗教関係の人間の記憶はないぞ。

 回復魔法の習得についての記憶も掘り起こすが、ない。

 十歳位から、いきなり使いだしてるな。


 「う、ううん、それは、ちょっと言えないルートで回復術を習得したんだ。だから、神殿とか行ったことがない。」


 「まぁ、ギリーだしな。」


 「うーん、ここからだと商業区の神殿が一番近いかな。」


 「そうですね。」


 リアは、俺の言い訳によくわからない感想を述べ、他の二人は、素直に近くの宗教施設を教えてくれた。

 ということで、俺達は神殿とやらに向かってみることにした。


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