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第41話 イオナの街に帰還しよう

 盗賊のアジトを強襲した俺達は、そのまま一度イオナの街に戻ることにした。

 ただ、結構時間を喰ってしまったので、その日のうちには戻れず、野営をしてから戻ることなる。

 盗賊も一緒なので、知られてはまずいだろうと家は出さずに、一人増えて少し狭いくなったが、今までどおりに女性陣は馬車で過ごして貰うことにした。


 「そう言えば、家で働くと聞いていましたが、家を見かけませんが、どなたかが先にどこかに運んでいるのでしょうか?」


 ティアは、一度見せた家がなく、俺達だけで出発し、ここでの野営で馬車で寝ると聞いて、そう聞いてきた。

 ああ、そう言えば、ティアさんは正確に伝えていなかったな。

 俺は、掻い摘んで説明した。

 まさかここで家を出すわけには行かないので、鞄から明らかに鞄に入らない丸豆の袋を取り出し、家が鞄に入っていることを説明した。

 ティアさんは、俄かには信じられないような顔をしていたが、他の女性が当然のようにしているのを見て、信じてくれたようだ。


 「不思議な鞄ですね。」


 それと鞄に興味を示したみたいで、そう呟いていた。


 「まぁな、そんな訳で、俺達は色々秘密が多い。苦労をかけるだろうがよろしくな。」


 俺にそう言われ、少し緊張し様子だったが、ティアさんから了承の返事を貰った。


 「わ、わかりました。」


 寝るところには自重をしたが、料理には自重をせず、うまい物を喰うことにする。

 盗賊達はどうしよう?最初にイオナの街に来た時買った黒パンがあったな。

 そんなことを考えていたが、夕飯を作る彼女らは、盗賊にも普通に振舞うつもりらしく、材料をいつもより余分に請求してきた。

 わざわざ作ってくれるのだ。作る人には逆らわない。言われた通り材料を出す。

 彼女らも、街にいる間は料理を作れなかったので張り切っているのだろう。

 ただ、おれはこの黒パンを処理したかったので、盗賊の分はこのパンを渡した。

 リアは、俺が何でこんなもの持っているのか不思議そうな顔をしたが、盗賊の分だと言われ黙って受け取って行った。

 リア達と一緒になってから、黒パンなんて食べていなかったものな。食べ物に妥協しない俺がなんで持っているのか不思議がるよな。


 夕食が出来上がり、まず先に俺達が食べる。

 ティアさんは、最初は俺達と一緒に食べるのを遠慮していたが、旅の間は、仲間だと適当な理由をこしらえて、一緒に食事をしてもらう。

 一人だけ別なんて、気分が悪いからな。こっちの常識を優先しないとなんだろうけど、ここは、俺の流儀として押し通させて貰った。

 そして、ティアさんはリア達が作った料理を口に運ぶと、その味に驚いている。

 ただの冒険者の作ったガサツな物じゃないからね。イオナの一流宿でも引けを取らない出来栄えだ。


 「おいしい。」


 思わずそんな感想が漏れる。

 それを聞いて、俺は、こう自慢した。


 「だろう。結構、色々教えこんで今では、俺の方が下手になったくらいだ。」


 「何言ってやがる。まだ、知識じゃ、ギリーに勝てねぇよ。」


 その言葉にリアはそう反論する。

 

 「え、ギリー様に教えて貰ったのですか?」


 「そうだけどよ。なんだ急にギリー様とか。」


 リアは、そう怪訝そうな顔をして言う。


 「え、ただ、今までお呼びするする機会がなかっただけで、給仕として雇われているので、当然ではないでしょうか。」


 それに、慌ててティアさんは、こう告げる。


 「いや、ティアさん、さすがにギリー様は恥ずかしい。呼び捨ては無理だろうけど、せめてギリーさんくらいにしてくれ。」


 俺は、さすがに様付けは言われて恥ずかしいので、そう言う。


 「では、私の使用人です。ティアさんは辞めて、呼び捨てしてください。」


 「悪かった。そうだな。気を付けよう。」


 「ありがとうございます。では、ギリーさん、私も皆さんに料理を教えて貰ってもよろしいでしょうか?」


 「それは、リア達が良ければ構わないぞ。今日は盗賊騒ぎがあって、昼食を省いたがいつもは俺が作っているしな。みんなが納得して作ってくれればいい。」


 「ああ、あたい等は構わないよ。じゃぁ、後で料理の当番表を作っておくから一緒に作って行こうな。」


 「だね。」


 「ええ、よろしくお願いします。」


 「よろしくです。」


 「はい、こちらこそよろしくお願いします。」


 「では、冷めないうちにどんどん食べよう。まだ、盗賊にも食べさせないとだしな。」


 そうして、俺達は食事を済ませると、俺とディートが見張りで盗賊に食事をさせる。

 盗賊も、料理の味に驚きながら、食事を掻き込む。

 まぁ、殺されなければ、この先まずい飯を食って過ごすことになるんだ、せっかくの上手い飯、もう少し、味わって食えばいいのに。

 盗賊達は、食べ終わって、物足りなそうにこちらを見るが、盗賊に腹いっぱい食わせる義理もないので、そのまま縛り上げる。

 夜はイオナの街に近いこともあり、特に何事もなく過ごせた。

 朝も、盗賊達にも豪華の食事を与えた。

 盗賊達は、学ばないのか、一気に食べてしまい、夕食と同じような感じになったが、こちらも夕食と同じ対応をして、イオナの街に向かった。


 今回は、盗賊の引き渡しと等の処理があるので、馬に乗ったまま城門まで進む。

 そこで、事情を話すと、詰所に来るように言われたので大人しく従う。

 改めて、詰所でも当時の状況を詳しく聞かれる。

 一応、生き残った盗賊の一人は素直に情報を吐き、協力的でしたよと伝えておく。

 兵士さんには軽く流されちゃいましたけども、約束だからね。

 その後、盗賊に遭遇した場所とアジトの場所を聞かれたので、口頭とわざと下手に書いた地図で場所を指し示す。

 聞き取りをしていた兵士が、俺が作った地図を後ろに控えていた兵士に渡すと、後ろの兵士は駆け足で出て行った。

 それと、アジトで見つけた皮袋を渡す。

 兵士は、皮袋の焼き印を確認すると再び後ろの兵士に見せて、焼き印の商会に連絡を取る等に話す。

 どんどん兵士がいなくなっちゃうんだけど、大丈夫かな。と思っていたら、替わりの兵士が入って来た。

 もっと、身分にものを言わせた一方的な取り調べかと思っていたが、そんなことはなく、結構和気藹々とまでは行かないが、気軽な感じで取り調べは行われた。

 まぁ、俺達が俺以外女性で、しかも犯罪者ではないということもあるんだろうけど。

 その後もいくつか聞かれ、どの質問にも素直に答えた。

 最後に、「兵士がアジトの品はほとんどどこかの貴族様の物だったのか、災難だな。一応、先程の商会と合わせて謝金は出るだろうから、連絡先を教えてくれ。」と言われた。


 うーん、俺達明日には街を出ちゃうんだけど、どうするんだその場合は?

 俺が、そう悩んでいると、ディートが口を開いてくれた。

 うん、頼りになりますな。


 「私達は、近々街を出ますので、冒険者ギルドにギリーさんの名前で預けて下さい。」


 「わかった。では、盗賊団の裏が取れたら、討伐の報奨金もでるのでそれも冒険者ギルドで受け取ってくれ。馬六頭と武器の類は、おまれらの所有にして言い。処分する当てがなければこちらで買い取るが。」


 「そちらについては、当てがあるので大丈夫です。」


 「なら、結構。これで終わりだ。ご苦労だった。」


 聞き取りをした兵士はそう言って、最後に羊皮紙を取りだした。

 そして、何やら一筆入れ、俺に渡してくれた。

 どうやら、預かり証らしい。

 これをこれを持って行って、冒険者ギルドで金を引き換えられるそうだ。

 すると、またこの街に一度戻ってくるようだな。


 馬は、街に持ち込むと税金を取られるので、一度牧場に戻って預けることにする。

 俺達の馬と合わせて十頭だ。そんな数、街に持ち込んでも、宿で預かって貰えるかわからないからな。

 牧場の方でも、昨日四頭引き取って出て行ったのに、十頭も引き連れて戻って来たので驚かれたが、事情を説明したら、納得して貰えた。

 それと、不要な馬がいれば引き取ってくれるとも言ってくれた。

 ディートが当てがあると言っていたので、それは本当に困ったら、お願いすると言っておいた。


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