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第39話 盗賊退治をしよう

 無事に家の引き渡しも終わり、再びイオナの街を離れる準備を始める。


 ディートが聞いたところによると、俺達が意見を出したイグニットさんが店長を務める店も、無事オープンしたようで連日大盛況だということだ。

 それなりの値段のお店だったが、ある所にはあるのねお金。と思っていたら、オーベルマイヤー侯爵のとこに顔を出していた貴族様たちが主だったらしい。

 お店が出来たことで、オーベルマイヤー様のとこに顔を出した貴族が店に押し寄せて、その評判を聞きつけて、今度は街の金持ちが集まって来ている状況だそうだ。

 うん、侯爵様も面倒な貴族が来なくなって、イグニットさんは店が貴族が訪れることで宣伝になって、win=winの関係だね。

 そんなことを考えていたら、こうなることを見込んでお菓子の話が侯爵様に採用された時点で、クライン商会が侯爵様に共同出資を呼び掛けて準備していたらしい。

 新規事業だし、侯爵様のところで出すお菓子を売るのだから、侯爵様の後ろ盾はあった方がいいか。さすが、商人、抜け目がない。

 もっとも、まだ滞在している貴族もいつまでも滞在しているわけにも行かないので、人足が減る冬の間に、商品の製造や販売についても、再度色々見直しを行うらしい。

 さすが、大手だね。売って終わりにせず、ちゃんと不備がないように見直をするんだ。


 この辺りは、冬の間は夏と打って変わって、結構雪が降り積もるらしいので、冬の間は、街への人の出入りがほとんど止まるそうだ。

 なので、俺達も雪が降る前に侯爵様の領地の探索を終えて、比較的雪が降らないらしい王都方面に足を延ばす予定でいる。

 その後は、またここに戻って来るか。南の方に足を延ばすか決めかねている。

 このことも、リア達と話し合ったが、リアやミサは俺と出会ってからの遠征以外、自分の村とイオナの街くらいしか行ったことないとのことだったし、ディートやパルマもリア達よりは外に出た経験はあるが、イオナの均衡だけで、外のことは話程度でしか知らないらしい。

 なので、今後のことを話し合ったが、みんなよくわからないということしか、わからなかった。

 そのため、今後の行程は、旅を経験しながら決めることにした。


 遠征に出発して、最初は馬車が使えるところまで馬車で行くことにし、馬車と護衛の馬二頭といった陣立てで進むことにする。

 馬車の御者と護衛の馬に乗るのは、俺かリア達になる。俺以外は、女性だ。盗賊相手には、護衛というより撒き餌になるのではという気もしなくもないが、こればかりは仕方がない。


 やはり、女性の護衛は目立つようで、おそらくイオナの街から王都に向かう途中で目を付けられたのだろう。

 王都方面から分かれ、俺達が向かう山脈方面の分かれ道を少し入ったところで、盗賊に襲われた。


 「途中から街道に出て来た連中が後ろから馬に乗って近づいて来てるぞ。馬の数は6頭だ。たぶん、動きからして盗賊だと思う。」


 リアが、それに気付いて、馬車の御者をしていた俺にそう告げて来た。


 「結構多いな。近づかれて囲まれる前に迎え撃つか。」


 「そうだな。」


 リアは、俺の提案に同意すると、ディートにもこのことを伝えるため、馬車から離れ、もう一頭の馬の方に向かう。

 俺も、馬車を減速させ、幌の中にいるミサとパルマに馬が近づいて来たので迎え撃つことを伝える。

  そして、馬車を一度止め、ミサとパルマを降ろすと、馬車と護衛の馬を少し先まで進めて、馬を木に括りつけてミサ達とところに戻ることにする。

 馬車は鞄にしまっておこうと考えたが、ティアさんには馬車の中に身を潜めて貰った方が安全だと考え、馬車の中で身を潜めていて貰うようお願いしておく。


 俺達は、道の真ん中で迎え撃つ体制をとる。

 一応、今のうちに魔法による強化を行っておく。

 向こうは盗賊とはいえ、冒険者崩れならまだいいが、兵隊崩れだったりすると、実力的にはかなりの者にだったりする。

 そんな訳で、気を引き締めるよう注意を飛ばす。

 初めての対人戦になるし、敵の数も多いだろうし、慎重に行こう。



 しばらくすると、馬に乗った連中が近づいてくる。五頭の馬には二人が乗っており、一頭だけ一人が乗っていた。

 全部で十一人か。少し多いな。

 だけど装備は見たところばらばらだし、兵隊や騎士団崩れではないようだ。

 なら実力的には、こっちが上だろうから、どうにかなるか。

 俺がそんな見定めをしていると、向こうも馬から降りて、俺達を半包囲するようにして、声を掛かけてきた。


 「よう、武器を捨てて、投降しな。悪いようにはしねぇぜ。」


 「ほう、それなりの待遇をしてくれるのか。」


 ありきたりな賊の投降勧告に、俺はそう回答する。


 「ああ、もちろんよ。だが、若い男はいらねぇな。」


 頭目らしき男がそう言うと、周りの男達が堰を切ったように下品な笑い声をあげる。

 数は倍以上、こっちは俺と女性が四人だ。

 普通であれば、俺達は、手も足も出ない状況だが、ここは魔法がある世界だぞ。

 そんな数の論理が通じるはずないのは分かってるだろうに?

 もう少し、まともに話し合いが行われるとは思っていたのだが、これは酷いな。


 「たかが、二倍の数で優位に立ったと思っているのか?実力が判っているなら去れ。」


 俺達は、襲撃を知っても迎え撃とうとしているんだが、それでも勝つ気なのか?

 俺は、そう最後通告を行う。 


 「はぁ、兵隊相手なら兎も角、手前らみたいなガキ相手にビビる必要があるかよ。」


 「ははは、そうだぜ。俺らだって腕が立つ冒険者だったんだ。お前らごときが勝てるかよ。」


 「なぁ。」


 だが、帰って来た声は、そんな言葉だけだった。

 仕方がない。行くか。


 「では、交渉決裂でいいな。」


 俺はそう言うと、手前の男に『金縛り』の魔法を飛ばす。

 『金縛り』は、魔物相手だと、かなりの確率で抵抗されるが、魔力抵抗がない人相手なら、掛かりやすい魔法だ。

 手前の男は、一瞬にして脱力したように倒れる。


 「あの男、魔法使いだ気を付けろ。さっさと囲って動きを封じちまえ。」


 「魔法使いは、こっちですよ。」


 ミサは、反論するようにそう言うと、武器を抜いて近づこうとする男達に『魔力弾』を飛ばす。

 前掛かりになっていた一人の男は、躱し切れずに正面から魔法を受けて絶命する。

 躱した男達も一人は避けきれずに腕に一発撃ち込まれる。


 魔法を受けて怯んだ男に、リアは、飛び込み素早く前に立つと一撃を入れる。

 さすが、魔法で強化されているとはいえ、無駄のない素早い動きだ。

 魔法を躱した男も、ディートとパルマに行く手を塞がれる。

 数撃、剣を交え抵抗するが、実力差で動きについてこれずに、一撃、また一撃と攻撃され倒される。


 「ガキ相手に手こずっているな。もう半減したぞ。」


 俺は、そう言って、一気に距離を詰める。

 魔法によって強化された体に、向こうは反応しきれずに俺の杖の一撃を受けようとして、間に合わずに吹き飛ばされる。


 「畜生めが。」


 俺の横からそう叫びながら、剣を突き立てて来る。

 俺は、これに反応して後ろに飛びのく。

 男は空振りして、そのまま俺の前を通り過ぎる。

 そこへ、ディートが立ちはだかると、一刀を振り、切り裂く。

 今度は、リアとパルマが左右から、頭目とみられる男に詰め寄る。

 魔法で強化された二人を相手は、きついらしく。数度、攻撃を受けて、抵抗を試みるが、確実に一撃を数度叩き込まれ、倒れ込む。


 そこからは、総崩れだ。

 残った三人の賊は、頭目が倒れたのを見て、一目散に逃げる。

 逃げるなら、襲い掛かるなよ。

 俺は、『金縛り』を飛ばし、逃げる賊を止める。

 ミサも、魔法で残りの賊を仕留める。  

 こうして、初めての対人戦は危なげなく勝利した。


 さて、こうした場合どうするんだ?

 ディートに、盗賊の処遇を聞く。

 俺の金縛りで二名生き残ってるしな。


 「一応、賊が持っていたものは持ち主がわからない物については、私達の物になります。」


 「こいつらに拠点があれば、そこに隠し持っている物もか?」


 「はい。それと、盗賊に懸賞首が掛けられていれば、それも貰えますね。冒険者崩れと言っていたから、恐らくは賞金首でしょうし。」


 「それを貰うには、街にまた戻るようだよなぁ。」


 「ですね。ここからだと当然一番近いのはイオナの街ですからね。」


 「なんか。街を出たばかりなのに、また戻るのもパッとしないな。」


 「だよなぁ。」


 「でも、生き残った盗賊も引き渡さないとでしょうし、仕方ありませんよ。」


 「ですね。」


 「なら、仕方がない。生き残った奴から、アジトを聞いて、貰う物を貰って街に戻るか。」

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