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第38話 給仕と契約をしよう

 ティアさんには、翌日に宿屋の方に来て貰う。

 雇用条件を話すためだが、以前宿屋の給仕と話をしたときに、住込みは食事も付くが給料が安いのを聞いていたが、貴族仕えの給仕も似たような物なのだろうか?

 失礼とは思ったが、侯爵家の雇用条件を教えて貰った。

 まぁ、多少待遇は良かったが、はっきり言うと宿屋の給仕とさほど変わりがない。魔力を魔石に補給するための手当てがあるくらいだろう。

 その辺は、魔術師組合との絡みがあるから、賃金面でいいのだろう。

 労働者の人権意識などあまりない時代だから、俺が好待遇にし過ぎると次の職場が見つからなくなる。

 雇う方も決して楽はしていないので、それが当たり前というだけな場合が多いから、人を雇うにしても加減が難しいな。

 だが、俺は、みんなで幸せになろうよを信条に仕事をしてきつもりだ。

 ユーザーのために、不具合修正で徹夜進行もしたけど、なるべく人にやさしく労務管理をしてきた。

 なので、こっち等の世界でも出来る限り、無理のない雇用を行うつもりだ。 


 まずは、給金だが、銀貨一枚が、日本円換算で一万円から十万円くらいの価値がある。

 麦や豆とかは銀貨一枚が十万円換算でもいいが、衣服や食器とかは量産品が無いので、価値がどうしても値段が高くなるので、日本円換算だと一万円ぐらいになってしまうのだ。

 例えば、この間買い揃えた寝具類一式で、高級な物ではあったが銀貨七枚ほどだ。

 日本で七十万もする寝具などそうそうないので、一般的な高級羽毛布団や低反発枕など揃えるても七万もあれば買えるので、価値としては七万と考える。

 なので、賃金は月に金貨一枚とした。

 これは、食料は俺達が一緒の作るし、街にいる間は一緒に食べればいいので、食事代とかではなく、生活用の被服費や遊興費として十万円支給ということになる。。

 街にいる間の宿代も俺が出す事にするので、家賃と食費は俺持ちだし、街にいても実際のところ、娯楽がほとんどないので、使い道がまずない。

 これだけあれば十分だろう。


 俺の提示に、ティアさんは、「多すぎます。」と難色を示した。

 そこで、俺は納得して貰う様に説明をする。

 俺達は冒険者なので、ティアさんのいつ仕事がなくなるかわからない。なので、しばらくの生活の足しを貯めておけるようにと言うことと。

 それに俺達が遠征先で戻ってこれなくなったら、ティアさんも街に戻れる確率が下がるので、その危険手当も込みということを説明した。

 それで何とか、金銭面については納得して貰った。


 次に待遇面だが、遠征中は基本仕事がなくなったら休んでいいが、それ以外は働いて貰う。

 ただし、街に入ったら、休暇とする。休暇の間の食事と宿代は俺が持つということを説明した。

 これにも、ティアさんから難色が示された。ありていに言うと、遠征中の仕事については問題ないが、街での仕事がないというのは困るということだった。

 普通に一、二週間休みを取るしね。

 しかし、働く方がこうもブラック寄りの考えなのはどうしたものか。

 ただ、その辺の意識改革をし過ぎても、俺のところ以外では働けなくなるし、本当に難しいな。

 俺の良心の呵責に苛まれないようにしつつ、仕事を与えないとか。

 だけど、街にいる間は、人目に付きたくないから家はしまっちゃうし、一般人の俺には、給仕も必要ないし、どうしよう。

 俺がそう困っていると、ディートが助け舟を出してくれた。


 「では、街にいる間は、パーティーの買い物があるときは、私達に同行して貰うというのはどうでしょう。」


 買い物と行っても、大きなものは馬車を預けている牧場に届けて貰うし、小さなものは鞄に入れてしまうから、あまり必要ない気がするけど、それ位しか仕事がないのも確かだ。


 「わかりました。それでお願いします。」


 ティアさんも、宿にいる間は、そんな大して仕事がないのを察して、それに同意する。


 「では、お願いします。もちろん、私達の個人的な買い物にも都合がつけば付き合ってくださいね。」


 そうだね。その辺は、女性陣同士で仲良くやってください。


 最後に、守秘事項の確認を行う。

 これについては、今の侯爵家でも行っているので、俺達と一緒にいる間、見聞きしたことは他言無用という形で契約呪術を行使することに同意してくれた。

 ティアさんだけ、契約呪術を執り行うのも悪い気がするが、侯爵さんとこの色が付いているので、仕方がないと諦めておく。

 ちなみに侯爵家との間で結ばれた契約呪術は、侯爵家で見知った侯爵家の秘密は話さないことだそうだ。

 これって、侯爵家以外の秘密は話していいってことだよね?随分緩い契約じゃないのかな?

 契約内容は決まったので、後で契約呪術を使える人間を侯爵様が手配してくれるそうだ。

 この辺の魔法はゲームではなかったけど、扱いはどうなっているんだろうな?


 それと、ティアさんも馬に乗れないとの事なので、馬の世話や移動中も一人で騎乗して貰うこともあるかもしれないので、一緒に乗馬を習うことにする。

 ただ、給仕の仕事をしていたティアさんが、乗馬のための長ズボンを持っているか聞いてみたが、あいにく持っていないとのことだったので、明日にでもそう言った、うちで働くのに入用な物を女性陣で買いに行って貰うことにする。

 あー、給仕服とかどうしよう?侯爵様のとこみたいな地味なのでなく、メイド喫茶で働いている子が着るようなメイド服にしちゃおうか。

 でも、リア達に変な目で見られそうだし、無難に本人に選んで貰おう。

 いうことで、ついでにうちで働く際の給仕服も明日ついでに選んでもらおう。

 それと働くことになる家も一度、時間を作ってみて貰うといいか。

 とりあえず、後でアーベレ魔道具工房で、都合のいい日を聞いておこう。


 翌日、ティアさんの買い物の後に、今作っている家へ行くことが出来るとのことだったので、買い物の後訪問することにする。

 女性陣が買い物に行っている間、俺は牧場に乗馬の申し込みと、馬をとりあえず購入するための手続きに行くことにした。

 買い物に付き合うのは、面倒そうだしね。

 牧場に着くと、自分たちの馬の様子を見てから、商談を行うことにした。

 乗馬については、問題なく申し込みを終え、明日から始めることにする。

 ただ、馬の購入については、四頭の購入を希望したが、販売シーズンではないので、二頭までしか用意できないとのことだった。

 それと、買った馬や今、引馬をしている馬も乗馬に慣れて貰うために、それらを使った方がいいし、馬の利用料もかからないので、安く済むと勧められて、そうすることにした。

 あと、買った二頭の馬については、引き渡しまでの期間預かり賃は取らないことにして貰った。


 商談が終わり、正門を過ぎた最初の広場で、屋台料理で昼をすましていると、ティアさんの買い物を終えた女性陣もこちらに来た。

 彼女達は、別の場所で軽い昼食を済ませたそうなので、俺達は、そのまま家が造られている場所に向かった。

 馬房も既に作られ始めており、板塀も取り付け始めていた。

 おう、順調そうだね。

 馬房のところにいた棟梁を見つけ、声を掛けてから家の中に入る。

 今日は、結構な数の職人が中で仕事をしてるが、気にしないでくれと言われた。

 内覧の時は、大して職人が入っていなかったのは、手を止めさせていたのか。それは悪いことをしたな。


 ティアさんに一通り家の中を見て貰った。

 侯爵家よりははるかに狭いが、それでも中々の広さだ。一人で清掃ができるか確認したが、「問題ありません。」と返事を貰った。

 ただ、馬の世話については、経験がないので時間内にやり切れるかわからないと言われた。

 まぁ、多分掃除で手一杯になるよね。

 馬房の掃除や馬のブラシ掛け、馬も四頭いればそれなりに大変だ。

 馬の方は、乗馬ついでに手入れはみんなで覚えてみんなでやればいいか。

 とりあえず、ティアさんには、家の中のことを中心にやって貰い、それ以外は時間に余裕があればという事にした。

 それと、自分の部屋は、俺の部屋とリア達の部屋は決まっているので、使っていない部屋から選ぶよう言っておいた。

 すると、しばらく悩んでから、一階にある一室を借り受けたいとのことだったので、了承した。


 別に客人を招くつもりはないから、玄関近くの部屋でなくてもいいのだが、かと言って二階では、お互いの生活音が邪魔になる可能性もあるからな。

 冒険者なので、鎧や武器の手入れを夜遅く行うこともあるか。

 野営地なら、見張りの間にある程度行えるから気にならないけど、家の中じゃ、気になるよなぁ。

 そう考えると、リア達四人は、同じ部屋で平気だったのか?

 心配になり、その辺を彼女らに確認したが、うるさければ食堂兼居間になっているところで行うし、皆が一度にやるからそれほど気にならないだろうということだった。

 まぁ、ミサは、武器をあまり使わないので、手入れの間手持ち無沙汰になるかもしれないけど。

 そうこうして、見学が終わる。

 ティアは、思ったより大きな家に最初は戸惑っていたが、遣り甲斐も感じたようでやる気に満ちていた。


 次の日からは、みんなで乗馬の訓練を行うことになった。

 最初は、牧場の人が馬を引きながら、あぶみの付け方、使い方を教えてくれた。

 へぇ、もう鐙が使われているのかなど関心しながら、必死に馬の操り方を学ぶ。

 俺も、鐙という物があるのは知っているが、乗馬経験はないので、どんな物かは知らないので、色々学ぶ。

 そして、午後には牧場の柵内だけだが、俺達だけで並足でだが馬を扱えるようになってきた。

 もっとも、乗馬を牧場で教えている馬達は慣れているが、俺達の馬車馬と新たに購入した馬はまさしく人馬とも慣れていないため、時々危なっかしい場面もあった。

 そして、乗馬が終わると、改めて馬の世話や扱い方も合わせて教えて貰う。

 次の日は、初めての乗馬だし休みましょうということになった。

 何故かなと思ったが、冒険者で、体力にも自信があったのに、翌日は慣れない筋肉を使ったことで筋肉痛になった。

 俺達でさえそうなのだから、ティアさんに至っては、しばらく筋肉痛が残っていたようだ。

 そんな訳で、無理せず、休みを挟みながら乗馬にも慣れていく。

 二週間もすると、早駆けも普通にこなせるようになっていた。

 家の引き渡しももうすぐだし、これで遠征が快適に行えるぞ。 

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