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第31話 目的だった狩りをしよう

 俺達が、勝利の余韻に浸っていると、ディルクさんが近づき、俺達に話しかけて来た。


 「本当にお前ら、すげぇなぁ。魔狼を倒しちまうなんて。」


 「ありがとうございます。でも、本当に倒してしまってよかったのです?」


 「ああ、構わんよ。俺が生まれる前にも領軍が討伐したそうだが、しばらくした後、復活したらしいからな。領軍も復活するなら、討伐は無駄だと、以降放っておかれることになったらしい。」


 「そうだったのですね。」


 まぁ、危険な割に幾らになるかわからないが、見た所微妙なドロップだったし、それもやむを得ないかな。


 「では、儂は帰るからな。これで暫くは、暇な魔狼当番は休みじゃ。

 で、お前たちはどうするんだ?ここを通っていたと言うことは、村に用でもあるのか?」


 「いえ、ちょっとこの先の魔物を狩ろと思っていまして、それで、こちらに立ち寄った次第です。」


 「あそこの魔物をか。冒険者なんぞ、見たこともないが、あれを狩るのか?まぁ、頑張れ。」


 あの魔物?もしかして、場所を知っているのかな?

 ディルクさんに、魔物の場所を詳しく聞き、礼を言う。

 それから、俺達はディルクさんと別れて、少し距離を取ってから、その魔物のいる場所へと向かった。




 狩場は、ディルクさんのおかげで、すんなり見つかり、今日から狩りをすることができた。

 メインの魔物は、これまた見たことのないカマキリの魔物だったが、素早いが耐久力はないので、なんとか効率的に狩れた。

 ただ、ここのドロップは魔石だけと、狩りのおいしさという点では、落第点であった。

 それと、ここの鬼人は、槍の武芸の書と斧の武芸書を中級と上級を落とした。

 だが、一応俺が、斧を取ってはいるが、初期の雑魚狩り用のつもりだったし、今後の習得を考えると、ずっと冒険者をやる予定もないので使わずに保留として置いた。

 まぁ、覚える者がなくなったら、覚えようか。

 役立たない武芸書に普通の魔物も魔石のみのドロップだったが、せっかく来たので、ここで一週間ほど習得を進めて、別の目的地に向かうことにしたのだった。


 それと、この狩りから、俺は昼食だけの担当になり、朝と夕は、リア達が担当することになった。

 ただ、料理のレパートリーを考えると、俺が手は出さず、口を出すして指導するという、一番面倒な指導法となった。

そして、上手くやらないと、この方法は料理を作ってる連中からも嫌われそうだしね。

 彼女達の要望で、作っているのを見ながらより、作っているところを指導して教えて貰う方が、いいとのことで、仕方なく俺が了承をした。

 だが、俺は料理を感覚で適当に作ってるから、料理教室の先生には向かないんだよなぁ。


 以前、料理教室に友人に誘われて参加したことがあったが、決まった分量でその通りに作ると言うのに耐えられず、うちの班だけ醤油味が味噌味になってしまったことがあって、結局、それっきり、行かなかったんだよな。

 そんな訳で、なるべく嫌われないよう、イラつかず、口うるさくならず、仏の心で教えていこう。プログラムの指導と同じ、自分のやりやすいように作ってだ。本当は、誰にでもわかり易くが基本なのだが、我の強いのが多くて、理想どおりにはならない業界だった。

 そんな感じで、狩りと料理を楽しみながら、その後は、何事もなく習得は続けられた。



 目標の一週間も過ぎたことから、ここでの習得を切り上げ、リンデンブルクの街で再び補給をしますことにした。

 魔狼の魔石は、この街で売らずに、一応顔見知りの多いイオナの街の冒険者ギルドで売り、毛皮は目立ちそうなのでは、ディートのお父さんに話をして、問題がありそうなら、クライン商会で内々に処理して貰うことにした。

 なので、この街では、物資の買い足しだけして、さっさとオーベルマイヤー侯爵領に戻ることにした。

 そして、オーベルマイヤー侯爵のところで聞き込みをした、鬼人を狩るべく、次の目的地に向かったのだった。


 ここも、寒村が近くにあるだけの寂れた場所で、徒歩でどれくらいと言ったあやふやな指示のもと向かったのだった

 そこが、街道からかなり離れた場所だったこともあり、なかなか見つけられず。

 移動だけなら、馬車なら一日かからないはずが、二日と半日かかって目的の魔物を見つけたのだった。


 「あの魔物よね。探していたのは。」


 「ああ、そうだな。やっと、辿り着いたな。」


 「ええ、今回は近くに人もおりませんでしたし、目印もありませんでしたので、大変でしたね。」


 「はい、でも見つかってよかったです。」


 女性陣は、目的の魔物を見つけ、安堵と喜びの表情を交えてそう言った。

 ここの魔物は、随分筋肉質のどこか人間味あるアナグマのような魔物だった。

 遠目に見ても、なんか男前な獣だな。強いのかな?

 オーベルマイヤー侯爵のところで聞いた話だと、新米の騎士が試しに一対一で手合わせしたが、辛うじて勝てたとの記録があったとのことだった。

 魔物は、どれも単体で動いている様子だったので、五対一で戦うのだ。気を付ければ問題なくいけるだろう。

 残念ながら鬼人は、目の届く範囲には見つけられなかったので、どの武芸の書を落とす鬼人かは分からなかった。



 俺達は、少し離れた場所に、馬をつなぐと、周りの下草を刈り、キャンプ地の準備を整えてから、狩りに向かった。

 アナクマもどきは、大きさは1m50cmほどと大きくはなかったが、前足の腕周りは、俺よりも太く力強かった。

 また、爪も穴を掘るために発達していて、太く、鋭く、近接戦闘組は、魔狼ほどではないが、かなり苦戦しながら戦っていた。

 ただ、ドロップは毛皮と爪があり、毛皮もなかなかの丈夫さがあり、爪も強度があって武器にも加工できそうで、よさげな感じだった。

 肝心の鬼人は、今回は当たりで、刀と懐剣の武芸の書が上級まで出たのだった。

 本当は懐剣でなく、魔法なら言うことなしだったのだが、そこまで贅沢も言っていられない。

 それに身を守る技能が懐剣術には多数あるので、それの習得が進めば、それはそれで安全に戦えるようになる。

 何も悪いことではない。

 それに、魔法も上級は、範囲魔法がほとんどで、狩りには使わない物だし、急ぐ必要はないだろう。

 そうして、ここでも一週間ほど狩りを行う。



 ここでの狩りの一週間ほどが経ち、習得も中級の最終レベルを皆が後、一マスか二マス残るだけとなった。

 このままイオナの街に戻ると、まだ、貴族のパーティーの喧騒に巻き込まれることになる。

 そこで、俺達は街道をこのまま離れ、道のない場所を歩き、オーベルマイヤー侯爵領の情報にない魔物を探すことにした。

 運良く、鬼人の現れる魔物の群れを見つけることが出来ればいいしな。

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