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第29話 魔狼と戦おう

 ディルクさんが、三本の木が立っている場所を通り過ぎ、しばらく進むと手で止まるように制して、歩みを止める。

 俺も慌てて馬車を制止させる。


 「この辺りを、丁度、太陽が天頂に差し掛かった頃、魔狼はここを通過するはずだ。」


 「案内して貰って済まないな。」


 「何、どうせこれから村に帰るから、そのついでだ。」


 ディルクさんは、そう言うと俺達から離れ、少し戻って行った。

 俺達のこれからの打ち合わせを邪魔しないようにとの配慮だろう。

 俺も馬車を少し道の脇に寄せておく。

 リア達も馬車を降り、俺のもとに集まって来る。

 太陽が天頂に差し掛かるにはまだ一時間程があるようだ。

 今のうち、みんなと打ち合わせをしておくか。


 「よし、これから魔狼と戦うが、草原の草も立ち枯れしていて、戦うにもさほど邪魔にならない。

 だが、万全を期すため、ミサに『地形操作』で戦場となる地面を草を取り除いて、平らにならして貰いたい。

 地面が枯れ草がなくなれば、俺の『火球』も使えるようになるからな。」


 「うん、いいけど。あれ、結構魔力を使うよ。」


 「ああ、わかってる。魔法を使った後に、魔力回復薬を飲んで貰う。」


 「そんな物もあるんだ。」


 「戦闘中も使えるように少し多めに渡しておくから、遠慮なく使え。」


 そう言って、俺は、リアに五本程、回復薬を渡す。


 「わかったけど。そんなすぐ効果が出るもなの?ふーん、これは、液薬なのね。」


 リアは薬を受け取り自分の鞄にしまいながら、薬が薬瓶に入っているのに気付きそう言った。


 「ばっちり、飲んだら即回復だ。ああ、なので、戦闘中も現実だとそんな飲めないのかな?」


 「現実ってどういう事よ。まぁ、でも気を付けるわ。」


 おっと、変なことを口走ってしまった。適当に誤魔化すか。


 「いや、貴重な物なので、実際に使ったことがなくてな。」 


 「しかし、色々持っているわね。」


 ディートが俺に向かってそう言った。


 「ああ、ただ、補充が効かないのが、難点だがな。」


 「そのような薬が補充ができるのでしたら、それを売っていれば、楽な商売ができますよ。」


 「ただ、そんなことすれば権力者が囲おうと、手を伸ばしてくるだろうがな。」


 「そのような問題もありましたね。あ、すみません。話がそれてしまいましたわね。」


 「そうだな。あと、みんなにも、俺の回復が間に合わない時のために回復薬を渡しておくから、受け取ってくれ。ミサは、魔力回復薬と間違わないように使えよ。」


 そう言って、今度は、みんなにも回復薬を五本程、渡す。


 「ありがとうな。でもよ、これ戦闘中に激しく動いて、割れたりしないのか?」


 リアが、一本だけ手元に残して、薬瓶を目の前にかざして、眺め見ながらそう言った。

 ゲームだと戦闘中に消失ロストすることはなかったし、平気なはずだよな。


 「どうなんだろな。多分、そんなことないように作られていると思うぞ。」


 「貴重な物だから試せませんのね。」


 「そう言うことだ。

 それで戦闘の際の作戦だが、薬や付与魔法、防御魔法等かけられる強化は事前に使っておく。

 ミサも俺が指示をしたら、事前に補助魔法を使ってくれ。」


 「わかったわ。任せて頂戴。」


 「その後、魔狼が魔法の射程に入ったら攻撃を、俺は、効くかはわからないが弱体化魔法をかけてみる。」


 「おう、弱体化してくれれば儲けものだな。」


 「ですね。盾役としても敵の強さがわからないので弱くなる分には歓迎です。」


 「パルマは、くれぐれも魔狼を正面から受け止めないようにな。」


 「ええ、流石にそんなことしたら、こちらが吹き飛ばされてしまいますよ。」


 「リアとディートも、正面から切り込まずに、なるべく側面から攻撃するようにしていけ。」


 「ああ。」


 「わかりました。」


 「他に気付いたことはあるか?」


 「あの、『地形操作』で壁のような障害は作れないでしょうか?」


 「はい、作れますよ。」


 「なら、飛び越えられないように6mから8mの壁を用意する戦場の中央付近、右斜めに作ってくれ。」


 「わかったわ。」


 そんな感じで打ち合わせを行い、以前のように装備も貸し出して、街道から少し奥に入った場所に移動する。

 俺の索敵が魔狼を感知する。

 魔狼の進行方向を予測し、そこに戦場を構築していく。

 事前に強化薬を服用した後、ゲームと違って、俺とミサでハブ魔法を事前にかけるだけかける。

 魔力が減った俺とミサは、魔力回復薬も服用し、回復させる。

 魔力回復薬を飲んだが、不思議と胃に溜まった感はなく、体の中で魔力として吸収されていくような感じがした。これなら、いくらでも飲めるのか?

 そんなことを思っていたら、魔狼が見えて来た。向こうもこちらに気付いたはずだが、ゆっくりした足取りでこちらに向かって来る。

 俺達なんか敵でも餌でもないといった感じだな。


 魔狼が魔法の射程に入った瞬間に、俺は弱体化の魔法を魔狼に入れる。

 なんか、ゲームのようなエフェクトが入ったので、効果があったようだ。

 ミサも魔狼の足に『風刃』の魔法を撃ち込む。

 魔狼は、それに気付き、大きく跳躍を行う。

 『風刃』は空を斬り、躱される。

 だが、その着地点を狙い、俺は、『火球』を飛ばす。

 空を跳ねている魔狼は、今度は躱すことも出来ずに、着地点に向かう。魔狼の毛皮に覆われていない下腹部に『火球』が炸裂し、前のめり転がった。 

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