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第27話 鬼人討伐に向かおう

 リンデンベルクでも、取り合えず冒険者ギルドで魔物の情報を集めることにする。

 すると一件、鬼人の情報が引っ掛かった。かなり街道を外れた奥地らしく、領主からの開拓村の調査依頼で、たまたま冒険者が遭遇して記録に残っていたそうだ。

 川沿いを北上する感じだな。

 ただ、冒険者が見つけた報告がなされただけで、場所についてはその後確認のための調査も行われていないので、正しいかは疑問が付くそうだ 。

 他にも変わった魔物の情報がないか尋ねたが、これといった情報は手に入らなかった。隣の領地だからそんな魔物も変わらないか。

 こっちは、色々な情報を集めてるよ。って、宣伝のための聞き込みだから、空振りでも良いけどこれで、先にこっちを攻略することになりそうだな。

 それとレングラム公爵領にも、ダンジョンはなそうで、この辺だと西に馬車で半月ほど移動したところになるそうだ。

 往復で一カ月はきついし、遠すぎるため、魔物の情報もないから行って、勝てない魔物だったりしたら無駄骨すぎるから、ここも行く場所リストからは外しておこう。


 聞き込みが終わったので、買い物に出ることにする。

 ギルドのお姉さんの話だと、この街の市は三日置きに行われているらしく、昨日行われたばかりなので次は二日後だそうだ。

 市での情報集めはどうするかなぁ。

 骨休めでそれぐらい休んでおくか。

 なので、今日の買い物は、必要な物を無理に買い込みはせずに、質の良いものだけを選んで買うことにした。


 それと交易都市だけあって、米も売っていたが、イオナの街で買った物よりはるかに品質が良かったので、買っておく。

 この米は、なんでも普通の畑で作られている陸稲おかぼだそうだ。

 しかも、隣国でフランネル王国で作られているらしい。

 生産地が近いなら、入手には困らなそうかな。でも、買えるだけ買っておくことにする。

 輸入も舟や荷馬車などだけだし、何時流通が止まるかも分かんないからな。

 これで白米を食べさせられるが、白米に合ったおかずか。何にしようかな。


 次の日は自由行動とし、俺は、今後の身の振り方を考えることにする。

 このまま俺と彼女達が上級の目録を習得し終わるとして、それは俺達、個の強さの強化にしかならない。

 それでは、俺達の強さが知られた場合、軍隊が出て来ようものなら、簡単に制圧されてしまう。

 だからと言って、無闇に徒党を組んでも国への対抗勢力と睨まれるだけだ。

 やはり、どこかの柵の少ない新興領主に取り入って、そこで地盤を気付いて行くのが、領主以外、どこからも睨まれないで済むしな。


 ただ、そんな都合の良い領主さんがいるかだ。

 居ても俺達に協力してくれるかと言うのもあるしな。この辺は慎重に接触しないとだな。

 それにそんな領地だと、開拓村みたいなところだろうし、発展させて、成功させるのも大変だろう。

 俺達の個の強さがばれなければいいが、そんなことはないだろうからな。

 この辺も、あとでみんなと話しておくか。ディート辺りは、過ぎた力を手に入れてどうしたものかと悩んでるかも知れないしな。

 みんなに、話すにしても、周りに聞かれない場所にしないとだな。


 それとディート達が抜けた後の活動はどうするかだよな。

 人を増やして、冒険者を続けるか。

 ディート達のお抱え用心棒として一緒に商売をするか。

 はたまた、俺独自で商売をすると言うのもあるか。

 どれも、一長一短なんだよな。


 どこかの貴族の庇護下に俺達が一緒に入ることを考えたら、冒険者を続けるか、ディート達と商売をするかになるのかなぁ。

 寄生先の貴族が見つかったら、もしくは、ディート達が商売をする時にでも、みんなとその辺も、相談するか。

 それとも、さっきの件と合わせて考えて貰っておくか。


 あと、パーティーも今は五人だけど、増やす気はあるのかな?増やすとしてもあと三人くらいが限度かな。

 俺の探知スキルは、気配が分かる程度だから、本職の探索者辺りは欲しいのだけど、どうなのでしょうね。

 きっと、みんな当てがないから放置になってるんだだろな。

 こればっかりは、出会い次第になるのかな。


 そんなことを考えていたらいつのまにか寝てしまった。

 これは、夜眠れなくなるかと思ったが、意外にも夜もぐっすりと眠れてしまった。

 うーん、疲れてるのかな。


 翌日は、早起きをして、市に出向き、買い物を行いながら、情報も集める。

 新鮮な野菜や肉は買えたが、情報は得ることが出来なかった。

 そうそう上手くは行かないか。


 買い物も終えたので、俺達はそのまま、馬車でギルドで得たレングラム公爵領の鬼人を狙いに向かう事にした。

 行きに来た道を戻り、領堺の橋が見えたところで、北に折れる。

 そして、川沿いの道を進んで行く。


 「しかし、なんとか道がわかるって感じだな。」


 ほとんど整備されていない、轍の跡が辛うじてわかる道を進みながら、リアが俺に話しかける。

 今回は、俺とリアが御者台だ。


 「まったく、酷い道だな。」


 「この先ってなにかあるのか。」


 「聞いた限りだと、一応あの山に人が住んでいるらしい。」


 「へぇ。」


 「この先に人がいるな。」


 俺は、進行方向に気配があるのをスキルで感じ取った。


 「ん、盗賊か?」


 「いや、違うだろ。こんな先に村があるだけのところで、そんな非効率な待ち伏せはしないだろ。それに、一人だ。たぶん、この先の村の人間だろう。」


 進路上に1人、ただ、俺が感じ取ってから、動いていない。

 なんだろうな?

 リアは、一応馬車の中にいるミサ達にも、人の気配がることを知らせている。 


 やがて、気配を感じ取った人物が見えて来た。

 小柄な爺さんだ。仁王立ちでこっちを睨んでいるぞ。

 俺達の馬車が、こえの届く所まで来ると、その爺さんが声を掛けて来た。


 「おい、止まれ。」


 俺は、慌てて馬車馬を減速させる。

 隣のリアは、一応警戒して、腰の剣に手を掛ける。

 向こうは、無手だ。そこまで警戒することはない気がするのだけど。

 馬が、素直に止まらず。結局、男の5m位手前で、やっと止まる。


 「馬車の扱いが、まだまだだな。」


 「すまないな。まだ慣れてなくてな。で、何の用だ?」


 「この先は危険だ引き返せ。」


 「そう言われてもな。お前さんは、何者だ?俺はギリーだ。で、横にいるのはリアだ。2人とも冒険者だ。それと馬車の中に後3人いる。」


 「すまない。名乗り遅れたな。わしは、この先のラル村のディルクだ。この先にもうすぐ魔狼が現れる。危険だから帰れ。」


 「魔狼?」


 「ああ、大型の徘徊している狼型の魔物だよ。」


 お、フィールドボスと言うやつか。


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