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第22話 休日を楽しもう 1

 武器屋に寄った後、今度はクライン商会に顔を出し、アルノーさんに会う。目的は、魔道具を作っている魔道具師を紹介して貰うためだ。

 ついでにアルノーさんとお店の人へのお土産としてラングドシャの小袋をいくつか渡しておく。

 そして、魔道具師は、欲しい物を作るのに相談をしたいので、そう言った相談に協力して貰えそうな人をお願いする。

 アルノーさんは、いろいろ魔道具取り扱いの担当者と相談した後、ご丁寧に紹介状を書いてくれた。

 大手商会からの紹介だ、これなら無下にもされないだろう。


 工房の場所を聞いて、俺は、そこへと向かう。

 いろいろな工房が立ち並んでいる職人街にあるアーベレ魔道具工房に向かう。

 看板を見て、ここに間違いがないか確認する。工房自体は、大きさ的に中堅どころと言った規模だろうか。少し寂れている感もするが、それだけ長くやっているという事だろう。

 俺は、入口の木戸を叩く。


 「ごめんください。」


 「こんにちは、いらっしゃい。アーベレ魔道具工房です。」


 しばらくすると、そう声がして、中からは、中年の小柄なご婦人が出て来た。工房主の奥さんだろうか?


 「こんにちは。ギリーと申します。商会のアルノーさんから、紹介を頂いて、魔道具作成の相談を聞いていただきたく、訪問させていただきました。」


 そう言って、俺は、アルノーさんからの紹介状を差し出す。


 「随分立派な所からのご紹介ですが、うちなんかでよかったのでしょうか?」


 応対に出た女性は、そう言いながら、紹介状の蝋封を確認して、封を開け中を見る。


 「ええ、アルノーさんからの推薦です。問題ないでしょう。」


 「そうですか、では、中にお入りください。」


 俺は、工房の中の打ち合わせスペースのようなところに招かれる。

 ご主人のフリッツ・アーベレさんがここの工房主で、彼女はその奥さんで、カーリン・アーベレさんだそうだ。

 なんと彼女も魔道具師で、ここの工房は、夫婦二人で経営しているということだ。

 手を見れば、なるほど細かな作業が出来るような器用な指先をしている。

 今回は、カーリンさんが、俺を要望を形にできるかと言う形で、相談に乗ってくれるそうだ。


 俺は、どこにも設置できるトイレ、お風呂、キッチンなどができないか聞いてみる。


 「移動式のトイレなら作れなくもないですかねぇ。」


 「おう、それなら、是非作ってくれないか。」


 「それは構いませんが、お高くなりますよ。実際作ってみないと正確な金額はだせませんが、金貨10枚ほどになります。」


 「それくらいなら問題ない。よろしくお願いします。金は前金のほうがいいか?」


 「資金に余裕がないので、7割ほど前金で頂ければありがたいです。」


 「なら、決まりだな。他のはどうだ。」


 この規模の工房だと金貨10枚分の現金の余裕はないのか。結構大変なんだな。」


 「お風呂やキッチンですか。うーん。それって道具と言うより、もう一つの部屋を作るような物ですよね。」 


 うん、確かに道具の範疇を越えているね。そうだ、俺は、小屋をフローティングボードの上に作って、鞄にしまい、使う間だけ浮かせておくというのを思いついて、カーリンさんに尋ねてみる。

 小屋を、フローティングボードの上に置いて浮かせられないかと。

 カーリンさんは、しばらく考えて、可能とですと答える。

 ただ、いくつか問題点があるらしい。それだけ大きなものを動かすとなると場所が限定される。街中は無理だし、勾配がきつい所、段差があるところは動かせなくなる。それと浮かすにしてもかなり魔力が必要になるらしい。

 馬車の荷台のフローティングボードは大きいのにそれほど魔力を使わないが、何か違うのか聞いたところ、ボードを丈夫に作るのでそれ自体の重さが増えるのと上物の重さが違うからだそうだ。

 それと水が問題になるらしい。トイレの水くらいなら、魔輝石の魔力を利用して作れるが、生活用水全般となるとそれは結構大変らしい。

 うん、それはそうか。というかトイレの水の量なら魔法で何とかなることの方が凄いと思うのだが。


 ちなみにそれだけの魔力を魔輝石で賄うとしたら、どれくらいかかるか聞いたところ、浮かす方は一時間で銀貨5枚分、水の方は、風呂の大きさで変わるが、一般的な湯舟と食事で使う量を用意するとなると、一日分でやはり銀貨5枚分だそうだ。

 浮かす方は一時間で銀貨5枚だと、確かにかかるな。水の方は何とかなりそうだけど、ただ、魔輝石をそれだけの量、ただの冒険者が買うと目立つか。


 浮かせておけないなら、地面に直接置く必要があるけど、毎回、家を鞄から出すたびに整地して置くと言うのは現実的でないよな。

 それなら、家を置くくらいの広さを整地する魔道具があるか尋ねる。

 魔道具ではないが、魔法でなら可能だそうだ。

 ただ、中級魔法の『地形操作』が必要ならしく、貴族の配下の物しか使えないため、一般的でないらしい。

 『地形操作』って、ゲームの時には一帯の地形を変えて、敵のハブを打ち消したり、デハブ効果を与える魔法だったよな。現実だとそんな使い方が出来るのか。

 なら、ミサがもうすぐ覚えるから、お願いすれば、整地は可能か。魔力消費が少々お高い魔法だが、まぁ、どうにかなるどろう。

 ただ、移動できない板の上に作って欲しいと言っても怪しまれるし、それがその場所からなくなれば、それも騒ぎになるだろう。なら、多少金は掛かっても、フローティングボードの上に風呂や調理場を作るか。いや、どうせなら、寝室とかもあれば便利だな。そう考えて、俺は家自体を作るのをお願いする。


 「では、フローティングボードの上に家を作って貰いたい。間取りは、一階にキッチン、トイレ、風呂、広間を備えて、一階と二階に合わせて何部屋か設けて欲しい。」


 「あの宿屋でも開くつもりでしょうか。それだけの規模だと結構な金額になりますよ。」


 カーリンさんは、俺の要望した規模に驚いたようにそう言った。


 「ああ、問題ない。細かい間取りは後で、相談となるか、あと、大き目の貯水槽もあった方がいいな。」


 「それでしたら、手付金で取り合えず金貨80枚、引き渡し時に残りの金額、おそらく手付金と同額か金貨100枚前後かかるかと思いますが、よろしいでしょうか。正確な金額は再度、間取り等が決まったら出させていただくことになりますが。」


 「ああ、それで頼む。では、移動トイレと家の前金と手付金の金貨87枚だ。」


 俺は、そう言って、テーブルに金貨を置く。それとこの街に滞在する際の宿屋と今回の滞在日を知らせておく、それと伝言は、宿屋で受けられるようにしておくと、伝えておく。

 カリーナさんは、それを承諾する。そして、おおよその施工期間をこちらに伝えてきたので、それを了承する。

 その後は、雛形の契約前の合意書に必要事項を書き足し、双方合意して、サインをする。

 設置場所は、イオナの街郊外、設置のための手続等は、アーベレ魔道具工房で行ってくれることとなった。

 大きな契約になることもあり、手付金も即金で払われたたこと森、見送りは、カーリンさんだけでなく、旦那さんで工房主のフリッツさんもしてくれた。


 うん、これが完成すれば、ますます快適になるな。

 さて、彼女達にはこのことをどう話しておくか。どうせなら、彼女らの希望を聞いて、反映させよう。

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