第21話 得られたドロップを確認してみよう
いままでより、鬼人も強かったな。
ここから先は、強い魔物が多いのかな?
そんなことを考えながら、ドロップ品を見ると、魔石3つの他に盾が1つ、そして武芸の書が2個落ちていた。
おお、しょっぱなから幸先がいいな。
リアが、武芸の書を拾い中を見る。
なんか困ったような顔でこっちを見ている。どうしたんだ。
「なんかあったのか?」
「うーん。一個は盾の中級武芸書だったんだけどよ。もうひとつは、盾の上級武芸書ってなってたんだけど。これ本物なのかと思ってよ。」
「なに?」
俺は、驚いて、それを確認する。
間違いない、上級武芸書だ。でも、ゲームでは、フィールドでなく、ダンジョンで見つけられるものだったんだよな。
でも、危険なダンジョンに潜らないで手に入れられるなら、それはそれでいい。
「で、どうなんだ?本物なのかよ。」
俺が、それを見ていると、リアがそう確認してきた。
「ああ、見た限り本物だ。これは、パルマさんが持っていてくれ。」
俺は、そう言って、パルマに2つの武芸書を渡す。
「あ、あの?よろしいのでしょうか?」
パルマは、いきなり世間に出回ってもいない上級の書を差し出され、受け取るかを迷いこう尋ねて来た。
「パルマさんしか使えないから、問題ないだろ。受け取っておけ。」
俺は、迷うパルマに押し付けるようにして、強引に渡す。
その後も、戦闘を続けたが、小鬼は発見できず、薬の効果も切れたので、今から飲み直してもフルには戦闘が出来なそうだったので、そこで終わりにした。
翌朝からは、昨日と同じように薬と魔法で強化をして戦闘を続ける。
ミズチに苦戦はしながらも、順調に倒して行く。
nかなりの強さらしく、前衛の3人は、初級の武芸書の習得が終わり、中級に入った。
ただ、無理のある戦闘でもあるため、最初の薬の効果が切れるまでに、俺とミサは2回ほど魔力回復薬のお世話になった。
二日目の鬼人ははずれで、魔石と微妙な武器のみだった。
三日目は、鬼人から、回復の中級魔法書と盾の中級武芸書が出た。
そして、四日目になってとうとう回復の上級魔法書が2つも出た。
うん、出過ぎだよな。しかも、盾と回復職に上級の書が出たわけだ。偶然しては出来過ぎていないか。
でも、これで習得が進めば、かなり楽狩りが出来るようになるな。
習得についても、中級の最初のレベルではあるが、一日で終わるほどのスピードだった。なので中級の最初のレベルの4マスは、前衛はもう既に習得したことになる。これは、さすがに早いな。
こうして幸いにして目的以上の物が揃ったので、薬を使っての狩りはここで切り上げる。上級の武芸の書が揃っているわけでもないから、別に焦って習得を急ぐ必要もないからな。
なので、少し戻って、もうちょっと戦いやすい場所で習得をして、強化を行おうという事になった。
朝夕の料理も、調味料を試しつつ、いろいろ作って試して見ているので、レパトーリーが大分増えてきた。
それと、いくつかの料理は俺が居なくても彼女達だけで作れるようになってきた。
あと、毎日食べていた昼の食事については、ついに1マス調理レシピが解放され、こっちのレパートリーも増えた。うん、一応やっぱり習得は出来てるみたいだな。
ただ、これ料理にハブ効果がないから、このまま無理して覚えるべきか迷うよな。
絶対失敗しない料理としては貴重だが、食材の足枷で作れるものが多くないと言うのが問題だよな。
習得で倒す敵は、ディート達が言うには、ドロップもそこそこ高く売れるそうだ。
攻撃力は、少々強いがトリッキーな動きもなく、力技で押してくる戦いやすい魔物という事で、お勧めされた魔物で習得を始める。
いざ戦ってみても、確かに強いが、戦いやすい。俺達も薬も俺の持っていた装備も使わずに戦えている。
ここで、一週間程習得に費やして、イオナの街に戻ることになった。
馬車での移動の間は、風呂は入れず、体を拭くだけか、水浴びだ。今の時期はまだ水浴びでもいいが、冬はつらい、お風呂をどうにかできないかな。
水浴びもいいが、ちょっとみんな水浴び後は、髪が濡れて薄着だし、目のやり場に困るからな。
でも、風呂を作っても、それは一緒なのか。髪を乾かしたりするスベースとかもって、色々考えて取り付けるとどうしたらいいか迷うな。
あと、トイレもいつまでも周辺警戒というのもあれだし、ちょっと考えよう。
いままで通り、馬車を牧場に預けてイオナの街に入る。
宿もいつもと同じところを取る。
そこで、一カ月後からの三週間程宿が取りづらくなると聞いた。例のパティーのためだそうだ。もし、その間泊まるなら、予約をしておくように勧められた。
ここにいると面倒そうなので、その間は、狩りをしているか、別の街に行くことに決めた。
今回は二週間以上遠征に出ていたので、一週間宿を取ることにした。
そんなに休みを取っても、暇を持て余しそうだったが、体を休めることも大事だし、疲労が蓄積していくのも良くない。
リア達はそんな休みは、もったいないと言っていた。
だが、次回の遠征で借金も余裕で完済できるだろうし、無理をするなと言って休ませる。体は資本だよ。
さて、魔物の魔石の換金だがどうしようか。
貴族に情報を貰って、倒してきたが、ギルドで情報のない魔物の魔石もある。
ギルド職員に聞いて、問題なさそうなら、換金しよう。彼女らも金はあるだけあった方がいいだろうからな。
翌朝の少し遅い時間に冒険者ギルドに向かう。この日は、完全自由行動にしてあるので、俺一人で向かっている。
この時間はやはりほとんど冒険者が居ないな。そう思いながら受付カウンターに目をやる。
レジーナさんが、事務処理をしながら、カウンターに立っていた。丁度いいな。
そう思いながら、レジーナさんに近づく。
レジーナさんが、こちらに気付き声を掛けてくる。
「いらっしゃい。ギリーさん。久方ぶりですね。」
「ああ、また遠征に出ていたからな。」
「そうなのですね。するとまた、換金素材が沢山あるのでしょうか?」
そう言って、レジーナさんが少し身構える。
確かに二週間分だけど、移動も結構あったし、全部出してもそんなないと思うよ。
「それなのだが、冒険者ギルドの把握していないこの領内の魔物を倒したのだが、換金てしてもらえるのか?」
「一応、領外の魔物の換金もしていますので可能ですが、用途が限られていて輸送に不向きなものなどは、買取できない場合があります。」
「ここでは作らない物の材料で、鮮度が必要な物や値段が安く輸送に適さない物は買えないという事か。」
「はい、そうです。いかがしますか?」
「取り合えず、全部出すから換金して貰えるか?」
魔石と鬼人からのドロップを除いたドロップ品をテーブルの箱の上にそれぞれ取りだして置く。
それをレジーナさんが、カウンター奥にいる査定担当の所に持っていく。
その間に戻って来たレジーナさんに、ミルクを使ってバターを作り、それに同量の粉にした砂糖を混ぜて、卵の卵白一緒に攪拌して、小麦粉もバターと同量加え混ぜてから、フライパンに油を薄くなじませ、スプーンで小さくした生地を落として、弱火で10分程度蓋をしてじっくりと焼いて作ったクッキーのようなお菓子、ラングドシャを昨日大量に作ったので、ギルドの職員で食べてくれと渡す。
レジーナさんは、ラングドシャを興味深げに一つ摘まんで「では、先に頂かせて貰います。」と言って、口に入れた。
サクッとした歯ごたえから、すうっととろけるような舌ざわり、そしてバターの風味と甘みが口いっぱいに広がる。
「美味しい。これなんですかこの舌触りや味は。」
レジーナさんは、食べた後に思わずそう大声を上げてしまった。
それに気付いた手の空いていた職員が、何事かと集まり、レジーナさんが持っていたお菓子を、形ばかり俺に断って口に運んでいく。
わいのわいのと騒ぎになり、あっという間にラングドシャはなくなってしまった。
食べた職員は、物足りなそうな顔をしながらも俺に礼を言って席に戻って行った。
男性職員や、鑑定の仕事をしてた職員、事務を続けてた職員が食べられなかったので、何とも言えない表情でこちらを見ていたので、なので、もう一袋取り出し、食べられなかった職員にとレジーナさんに渡す。
レジーナさんは、顔を赤らめ、申し訳なさそうにそれを受け取る。
「すみません。こんな高そうな物をいくつも頂いてしまって。」
「気にするな。ちょっと卵を処分したくて作った物だ。」
「え、自作されたのですか。それは凄いですね。」
まぁ、確かに卵やミルク、砂糖は庶民には、かなり高価なものだ。それに甘いものも平民が利用する市や店だと果物くらいしか売っていないからな。
騒ぎになるのは仕方がないか。
今回は、旅の間に主に俺とリアで作ったメレンゲが大量に溜まってしまった。別に悪くなるものでもないが、俺にとっては、食べるより作るための物なので、適当に消費し解かなければならない。
そこで、昨日牧場でちょうどミルクが大量に売っていたので買い。俺が昨日リア達にラングドシャを作って振舞った後、彼女らにも作り方を教えた。
リアは、ミルクを密封した容器に入れて、ひたすら振るバターづくりを見て、面白かったのか大量にバターを作ってしまった。そのため、俺の考えていたより、今回かなりの量のラングドシャが出来てしまったのだ。お陰で低脂肪ミルクもたくさんできたけど、これは飲むしかないかな?
ディート達も楽しんで、味見と言う名のつまみ食いしながら、ひたすら焼いてくれていた。
それを受け取ったレジーナさんは俺に一言断り席を立つと、取りに来られなかった職員たちにお菓子を配りに行った。
レジーナさんへ日頃の感謝のつもりで渡したが、かえって周囲に気を回させてしまったな。
そんな訳で、戻って来たレジーナさんへお詫びの意味も込めて、他の人にわからないようにもうひと袋、レジーナさん用に渡して置く。
騒ぎも落ち着き、換金作業も終わったので、金を受け取り、ギルドを後にした。幸い今回は、買取不可のドロップはなかった。
あの魔物の干し肉もそれなりの味で食べられるそうだ。鞄に少し残してある生肉も食べられるという事か、どうしたものか。
そして、今度は、武器屋で鬼人のドロップのくず鉄を売り捌く。これもギルドに渡すと鬼人を集中して狩っているのを気取られるからだ。魔石だけなら、今回の鬼人は今までの鬼人の魔石よりランクが上で魔石の大きさも違うので、ギルドに捌いてもわからないだろうということで魔石は普通にギルドに売り渡した。




