第20話 ちょっと奮発して戦闘をしてみよう
馬車を順調に走らせながら、街道を進んで行く。
流れる田園風景、気持ちがいいね。
昼も過ぎると、行き交う人の姿も減って来る。
「そろそろ、変わろう。」
パルマにそう声をかける。
「はい、では、馬を休ませられる場所を見つけたら、休憩しましょう。」
こんな感じで、いつも通り進んで行く。昼は、いつもどおり、スフレパンケーキを食べる。
これ、スキルレベル本当に上がるのか?そもそも、スフレやカステラといった似たような物を作っても、本当に熟練度が入らないのか?
夕飯も新しく手に入れた調味料を確認しながら、新たなメニューを試しつつ、みんなで作って行く。
彼女らも、自分で作った料理を食べるのが楽しいようで、どんどん技術を吸収している。
そして、時々、今回情報を手に入れた魔物を試しに狩って、進んで行く。
一応、試しという事で、効率的な戦い方を模索しながら、2日くらい狩っていく。
火狐もそうだったが、ゲームの設定に無かった魔物もやっぱいるよな。魔物の設定は地域特色を出すため、かなりの数設定していたので、最初は、記憶にない魔物かと思っていた。
だが、今回狩った魔物にも見たことがない魔物、今回教えて貰った情報では、双角ネズミという、2本角の生えたカビパラみたいのが居て、ドロップも明らかに設定していない魔物の肉がドロップで出たため、そう確信した。
ゲームと違って広い世界だし、ラクシュアリさんだって、もっと多様性を出したいよね。
しかし、これ肉のドロップだけど、食べられるのかな?他の仲間も、初めて見たらしく、また聞いたこともないそうで不明とのことだった。
ギルドで聞くしかないけど、生肉で持っていけないから、どうしよう。取り合えず、塩に漬け込んで、干し肉にでもしておくか。
幸い、リアとミサは、干し肉を作ったことがあるらしいので、試しに作って貰う。
そのため、しばらく、馬車の幌の中で、肉が吊るされていた。
魔物なんて、よくわかんない肉だ、例え食べることが出来るとしても、食うかというと迷うな。
魔物だし、カピパラぽいし、どうなんだろね。
そうして、第一目標の鬼人がいる場所に着いたのは、イオナの街を発って2週間になろうとしている頃だった。
「大分、寄り道で時間を食ったが、目的地に着いたぞ。」
「ああ、今回は何が出るのだろうな?」
「領主のところにある記録でも、魔物の名前だけで、特徴まで記されていなかったようで、わからないが、それはそれで楽しみだよな。」
「でも、ギリーさんとパーティーを組んでから、恐ろしいくらい順調に来てて怖いくらいですよ。」
「そうか?ははは。」
リア達と馬車をしまい、馬を目的地近くまで牽いて行く準備をしながら、そんな会話をしていると、周辺警戒を名目に出かけていたディート達が戻って来た。
それなので、ディート達と交代にリア達が周辺警戒を名目に出かける。
「今回は、私の父のために協力いただき、ありがとうございます。」
リア達が居なくなると、ディートが俺にそうお礼を言って来た。
別に気にするほどのことでないし、こうして情報も得られたのだからと、こう返しておく。
「いや、いいって、こうして必要な魔物の情報を得られたわけだし、気にするな。」
「そうです。お嬢様。ギリーさんは、我々のためになると思って協力をしてくださったのでしょうから、気にすることはありません。」
いや、そこまで確信めいては居ないけど、得られればラッキーくらいです。でも、ここは、パルマの言葉のとおり、気にして欲しくないので、黙っておこう。
それにレシピの提供でお父さんの商会からこっちで消費した金貨と同じかそれ以上の金額を頂いちゃいましたので、こっちの方がありがとうと言うべきだと、思い直し、こう言っておく。
「そうだぞ。それにレシピの件で、こうして貴族からも情報が得られたし、クライン商会ともかなり懇意になれた。それと、金だって、ディート達と出会ってから使った以上、貰えたのだ。こっちが感謝こそすれ、ディートさんに礼を受ける謂われはないぞ。」
「は、はい。」
そして、リア達が戻ってきたら、目的地まで、俺達は歩いて向かうのだった。
俺は、周辺警戒に行かなくていいのかだって?
そこは、自由に馬車から飛び降りて、行っているので平気なのだよ。
目的にいるのは、鬼人の他にトカゲモドキの魔物、ミズチが1、2匹で徘徊している。
でも、ミズチって東洋系の魔物だよな?世界観的にはいいのか?ここは、異世界だからそう言った細かなことは、許されるの?
疑問はいろいろあったが、とりあえず狩ってみることにする。
うん?、へ!?、こいつ、魔法を使うぞ。
そうだ、思い出したぞ。こいつは上級の習得も可能な魔物だ。なので、結構強い。勝てるか?
と言うか、戦う前に思い出しとくべきだろ。油断しすぎた、敵の情報把握をなぜ怠った。
そんな、非難を自分に向けながら、咄嗟に指示を飛ばす。
「結構強いぞ。気を抜くな。全力で行くぞ。」
俺は、全力で付与魔法をかけまくり、戦闘を行った。みんなも使えるスキルを駆使しまくり、なんとか戦闘に勝つ。
うん、強いな。仕方がない。
一度、狩場から少し離れ、治療を行う。
「すまん、敵の実力確認を怠った。このままだと、ちょっと厳しいな。あまり使いたくなかったが仕方がない。」
治療を終え、そう言うと鞄から薬を取りだす。
「なんだそれは?」
リアが、取りだした物を不思議そうに見る。
「これは、強化薬だ。飲むことで体の能力を大幅に上昇させる。そして、魔法の効果とも重複しない。」
「そんな薬、聞いたことありませんわ。」
「はい。」
「まぁ、俺も今持っているだけしかないので、貴重だが、せっかくここまで来たんだ。狩りを続けるべきだと思い用意した。さぁ、飲んでくれ。」
「いいのでしょうか。」
ミサは、そうは言われたものの、そんな貴重な物を飲んでいいのか迷い、そう言って周りを見る。
「だよなぁ。」
リアも遠慮がちにそう言う。
困ったな、俺が先に飲むか。
そう考え、俺は、薬に手を付ける。
それを見たディートは覚悟を決めたようだ。
「仕方ありませんね。」
ディートは、そう言って薬を手に取り口にする。
パルマもそれに倣うように手を付ける。
それを見て、リア達も飲んでくれた。
それとなるべく生存率を上げるため、ディートとリアに旅人の靴(敏捷+15)を、ミサに知恵の指輪(知力+5)、パルマに不屈の指輪(体力+10)をそれぞれ渡し、俺は、炎の指輪(火魔法 『火球弾』)を装備する。
そして、俺は、武器を斧から錫杖に換え、俺とリアの魔力も魔力回復薬で回復させて、また戦闘に挑む。
俺の中級の魔法付与で能力を+25向上させて、薬で+50向上させている。彼女らの素の能力はわからないが、多分倍近く能力が上がっているはずだ。
多少苦戦はするものの、指輪のおかげで、魔法使い2人態勢になり、攻撃陣の火力も上がったこともあり、なんとか狩りの感覚で倒せるようになった。
さて、鬼人もつよくなってるのかな?
周りのミズチを狩り終えてから、鬼人を釣って貰う。
盾持ち剣士が2匹とメイス使いが1匹だ。
メイス持ち?聖騎士か回復持ちか。ミサに指示を出し、俺と二人の魔法でメイス持ちを先に屠ることにする。
魔法の集中攻撃を食らって、メイス持ちは何もできずに魔石となった。
残りは、盾持ち剣士が2匹。これには、俺も武器を錫杖から斧に換え、前線に加わり、数の優位と魔法による援護で、危なげなく敵を討ち取った。
すみませんが、書き溜めた物が尽きたので、ここからは不定期掲載にさせて貰います。
軽く書いている物なので、二、三日に一回くらい掲載できればと思っています。
これからもよろしくお願いします。
よろしければブックマーク、評価、ご意見、感想などよろしくお願いします。




