第115話 竜人と食事をしよう
俺達は食堂に入ると、ティアに事情を説明して、ドラッヘが風呂を使わないことを伝えるとドラッヘを食事の並んだテーブルに案内する。
最初は、俺達と同じ椅子を用意したが、体格差であまりに座りにくそうだったので、急遽、ソファーを移動させ、それに座って貰った。
それでも、ソファーも幅は問題ないが、高さ低いため、座りにくそうだった。
ただ、それでも、テーブルも俺達に会わせた高さなので、そこは我慢して貰うことになった。
ドラッヘも初めのうち離れずに、膝をテーブルにぶつけたりしてたが、やがて慣れたようで、何とか座って食事をすることができた。
食事についてはドラッヘは俺が思った以上に薄味が好みのようだった。
用意した調味料やソースはほとんど手をつけなかった。
うん、種族的に刺激が強い味付けはダメなのか。
でも、俺達が調味料やソースを使う料理ばかりというのはレパートリー的にもきついな。
「人の料理にしては美味いな。以前食べた料理は味が濃いし、ギドギドだったりで、閉じ口したものだ。」
ドラッヘは美味しそうに出された食事を口に運びながら、そう言う。
「気に入ってくれてなにより、でも、やはり調味料やソースはダメか。」
俺がそう言うと、ドラッヘは食事を口に運び続けながら、悪びれる様子もなくそれに応える。
「うむ、俺には味が濃すぎるな。だが、旅の中でこれだけ新鮮な肉や野菜を食べられるのだから、本当にありがたいぞ。それと食事に関しては味覚が人族とは違うゆえ、我に合わせず気にせず調味料やソースとやらを使ってくれ。」
「そうか。だが、一緒にいる間はこのような味付けの料理をドラッヘには用意しよう。」
「そうか。それは嬉しいぞ。だが、旅の間なのに、こんな新鮮な肉や野菜を用意できるのか?」
「ああ、そこは任せておけ。料理はまだある。せっかく出会ったんだ。目一杯食ってくれ。」
「そうしたいが、俺の一族のことを思うとな。なかなか食事が進まない。」
ドラッヘはそう言うが、体が大きいこともあり俺らの二倍近くは食べている。
本人の言葉が本当なら、本気で食べたら、これじゃすまないのか?
そう言えば、病気で大部分の一族が臥せているとはいえ、なんで一人で薬の素材集めに出て来ているのだろう?
まぁ、多少食事量が増えても鞄の中に食材を多めに買い入れてあるから、問題はないけどな。
「こんなこと聞いてもいいのかわからない。答えれなければ答えなくてもいい。なんでドラッヘ一人で薬の素材取りに来ているのだ?」
「うむ、一族の回復魔法持ちは治療のため、里に残っている。それに世話をする者も必要だ。本当は俺ともう一人で来る予定だったのだが、子供や年寄り以外にも病に罹る者も出てきたため、今後里で人手が足りなくならないように、里の外に出る者を最小限にしたためだ。」
「それで薬の方は間に合うのか?」
「ああ、俺の一族は人のようにか弱くはない。回復士もいる。病気になってもそうそう簡単にくたばらんよ。だが、俺もそうはゆっくりはするつもりはない。」
「そうか。なら、なるべく材料集めが早く終わるように俺達も協力しよう。」
「ああ、すまないがしばらくよろしく頼む。」
こうして食事が終わり、しばらく歓談した後、昨日まで一人で野宿をしていたため、あまり眠れていなかったとのことで、ドラッヘは眠ると言ってきたので、今日はそこで解散となった。
「さっきは部屋に案内して、そのままベッドを使って貰ったが、そう言えば、その体であのベッドは小さかっただろう?大丈夫だったか。」
俺はソファーから窮屈そうに立つドラッヘを見て、そう言えば先程は寝られたと言っていたが、ベッドは大丈夫だったか心配になり、そう尋ねた。
「問題ないぞ。俺らは体を丸めて寝る習性があるからな。心配して貰ってすまなかった。」
ドラッヘは俺の問いにそう答えると、先程の部屋に戻って行った。
残された俺達は後片付けを行うことにした。
片付けながら、いつもの仲間と違う人物がいるうえ、種族も違うとあっていろいろ戸惑いがあるだろうと思い俺はみんなに声を掛ける。
「まぁ、種族が違うので習性も違うだろうから、いろいろ大変だろうけど、短い間だ、よろしく頼むよ。」
「まぁ、ちょっとかわってるなぁ、とは思うけどよ。あれくらいなら問題ないぞ。」
「だよね。冒険者だって変わり者は多かったし、常に一緒な訳じゃないから平気よ。」
リアとミサは女性の冒険者同士で大部屋を借りて生活をしていたこともあり、他人が居てもあまり気にならないような答えがかってきた
「そうですわね。ちょっと変わってはいますが、今のところ問題ありませんわ。」
「はい。」
ディートとパルマは気になる点はあるようだが、許容範囲のようだ。
「私もお屋敷勤めをしておりましたので大丈夫です。それより、話し相手を務めて頂いてるギリーは、ずっと一緒で疲れません?」
ティアは問題ないと意思表示した後、俺が男同士と言うこともあり、ある程度気を使わせないで済むだろうということで常に一緒にいることにしている俺にそう聞いてきた。
「俺は大丈夫だ。ただ、男同士だし、いろいろ気付かない点はあるかもしれないので、その辺はフォローしてくれるとありがたい。」
俺の言葉にみんなは頷いてくれた。
その後、俺達も風呂をすませた後、明日の移動もあるので、寝ることにする。
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