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第110話 狩りの相談をしよう

 その夜、狩りに行く場所等についてみんなで話し合うことにする。


 「狩りに行くのに何か狩りたいとか希望はあるか?」


 「うーん、久しぶりの狩りだから、狩りができればいいから、特に希望はないな。」


 「うん、あたしも習得がもうすぐ終わりだから、終わらせられればいいかな。」


 俺の問いにあっさりと狩りができればいいと、リアとミサは答える。

 まぁ、基本そうだろうけど、習得値が入る近場で済ませるか。

 そう思っていると、ディートが提案してきた。


 「なら、まだ狩りをしていない場所でしましょうよ。新しい魔物と戦った方が新鮮でしょ。」


 そう言って、俺が作った簡易地図にで場所を指し示す。

 王都方面に習得しながら行った方向と逆の方向を指さした。

 確かに順当と言えば順当か。


 「でもよ、あまりイオナから離れて、そのトイレの方は大丈夫なのか?」


 リアはあまり遠くに行って、移動式トイレが使えなくなったりしないか心配する。

 まぁ、最悪家を出してという手もあるが、多分まだ壊れたりはしないだろう。

 そう思っていると、それに関しては、管理をしているティアがそう、問題がないだろうということがと伝える。


 「魔石は劣化はしていますが、今すぐ壊れるような状態ではないです。だから、往復の間の利用くらいなら大丈夫だと思いますよ。」


 「ですが、あと一技能とちょっとのためにあまり遠くに行くのは少しもったいない気がします。」


 堅実なパルマはあとちょっとで習得が終わるのに、あまり遠出をするのはどうなのかと言ってきた。


 「それに関しては、サブの武芸書を促成である程度上げてしまうのはどうかと考えているのだが、どうだろう。」


 「なるほど敵との相性もありますが、それもありかもですね。」


 「それもまた上級まで集めてあげるのかよ?」


 「今のところ、そこまではするつもりはないな。ただ、俺が今考えている落ち着き先が見つかるまでは流動的にはなるだろうけどな。」


 「そのことなのですけど、ギリーのその考えをよろしければ教えて貰えることはできませんでしょうか?」


 俺の言葉を聞いて、ディートがそう尋ねてきた。

 そうだな。俺の漠然とした考えがこの世界の常識と当てはめてもおかしくないかの確認も含めて話しておいた方がいいか。

 そう考え、俺の考えを話すことにする。


 「まずしがらみの少ない男爵辺りを取り込み、お抱えの商人になる。そして、そこで足場を築いて経営資金を貸したりしながら、その貴族の庇護下に入って身の安全を確保しようと考えているのだが、いろいろと知られたら不味い技能まで手に入れているから、その辺を知られないようにするためにもどうだろう?」


 「なぁ、ここの侯爵様とかじゃ駄目なのか?かなり、いい扱いをしてくれてると思うぞ。」


 俺の説明にリアはそう言ってきた。

 まぁ、目はかけてくれているのはわかるけどね。

 俺はそう思いながら、駄目な理由を上げる。


 「確かに有難いほどの扱いだけど、侯爵家では既に食い込んでいる商人は多い。例えばクライン商会とかな。つまり、敵も多くなる。それに侯爵家も俺達を護るという点で実力はあるが、本気度で言うとどこまで守って貰えるかと言うことがある。

 その点、出来れば新興貴族で領地持ちの男爵辺りに食い込めば、頼れるのが俺達だけという状況に近くなるわけだ。」


 「そんなもんなのか?」


 「どうでしょうかね。侯爵家でやっとまともな資金力と兵力を持てます。それを考えると男爵家は弱いような気がしますけど。」


 「そんなに違うのか?」


 「まぁ、王家が任じた男爵だと良くて農村を三つ支配とかですからね。オーベルマイヤー侯爵家だとこのイオナの街と周辺の直轄農村を十村と更に侯爵が独自に任命した男爵、子爵の街や村がおよそ二十ほどになります。」


 リアの疑問に対し、侯爵家に勤めていた経験でティアが立て続けにそう答えてくれた。

 完全な中央集権でなく、下位貴族を地方の長である上位貴族も任じることができるのが厄介だよな。

 王家の領地以外にには下位貴族を王家であっても任じれないし、王領で任じた下級貴族もどこかの貴族派閥に所属したりするから、王権が絶対でないからな。


 「なら、単純に支配している村の数が十倍になるのね。」


 「いえ、イオナのような街自体が村を十村以上集めた規模になるでしょうから、二、三十倍の規模になりますわ。」


 ティアの答えを聞いて呟いたミサの言葉を、ディートそうが訂正する。


 「なら、やっぱり、そんだけ力があるなら、余計に侯爵家の方が頼りになるんじゃないか。」


 「リアさん、そうとも言えないのが、難しいところなのですよ。例えばですね。ギリーさんも話しましたが、他の人により私達排除しようと悪評を立てられたりしますし、他家からの干渉も上位貴族だと多くなりますので、力が大きい分、そこで目立つと余計な敵を作る可能性も多くなるのですよ。

 それに侯爵家自体も大きくなりますので、侯爵が護ってくれようとしても、周りがそれを許さない状況もないとは言えません。」


 リアは単純に力がある者の下についた方がいいのではと感想を述べるが、それをパルマが俺が説明した内容をもう少し嚙み砕いて説明する。


 「面倒ねぇ。そんなの。」


 「だよなぁ。」  


 「でも、新たな貴族を王家が任じるのはそもそも滅多にないですよ。」


 「まぁ、それでも全くないわけではありませんから、その辺の情報を地道に集める必要があるでしょう。」


 「はい、その通りだと思います。」


 「まぁ、それと初めは小さな村だけでも、俺達が商品の開発が上手く行けば豊かになるし、人も増やせる。そして、領地が賑わえば、領主も金が必要になるし、それを俺達が貸せば、さらに俺達が領主から必要になってくる。そう考えれば最初から揃っている上位貴族に取り入るよりは、うまみもあると考えているんだ。」


 「確かにそう考えると、商売上でもそう言ったところで商売を始めるのも上手く行けば面白いかもしれませんわね。」


 「よし、そう言ったことはわかんねぇから、ギリー達に任せるわ。」


 「同じく。任せる。」


 「任せられても困るんだがな。まぁ、重要な所ではちゃんと話すから、一応話し合いには参加してくれ。」


 リアとミサが匙を投げるようにそう言い放ったが、俺はそれを許さずに話し合いには参加するように伝える。


 「わかったよ。」


 「はい。わかりました。」


 「まぁ、話はちょっと逸れたが、明日買い物と初級の武芸の書を手に入れて、翌日から狩りに向かうとするか。」


 俺はみんな小領主の元で商売をしても特に大きな反対はないと判断し、そう言うと、みんなは「はい。」と答え今日の話し合いを終えた。

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