第11話 魔王? 目覚める
また暗い世界で、さまよっていた。
状況は前と同じだ。だが、時間は前の何倍も長い気がする。
神様はなぜ私をダンジョンマスターにしたのだろう。確実に私のだした被害は前より多くなっているだろう。
......本当に厄介な人生だ。私の生きた時間が、そのまま、人様に迷惑をかけている時間なのだから。
◇
とっくに自分の人生についてあきらめていたころ、突然どこかから明かりがさして世界がうっすらと見えはじめた。
前は勝手に動くだけだった手足も、今は少しだけ、私の思い通りになる。
私は動く手足を全力で抑え込んだ。
だが、残念ながら長くは持たないだろう。
悔しいが、もう抑え込むのもう限界だ。
そんなことを考えていたとき、完全に外の世界がみえた。
目覚めた! 今度はどうなっているのだろう!?
周りには多く死体、、、はない。
建物が壊れている様子もない。
複数の小柄な男に取り囲まれているが、誰もが何かやり遂げたような顔をしている。
「やったぞ! つるはし君、影が完全になくなった!」
男が喜んでいる。前と違って剣がさされていたりということもない。
......代わりに頭から粉をかけられているようだが。
男が喜びようから、どれだけ大変だったかが私にも感じられる。
もしかしたら、もうあの暗い世界に戻らなくても良いのではないだろうか?
私の人生はここからやり直せるのかもしれない。
私は死体や壊れた建物のない、この景色をいつまでも眺めていたくなった。きっと私には贅沢な景色なのだから。
外は雪が降っているわけでもないのに、ふりかけられた謎の粉で、私だけが真っ白だった。




