第5話 ダンジョンバトル
『これより、魔王ダンジョンと、つるはしダンジョンのダンジョンバトルが開始されます』
『つるはしダンジョンは、圧倒的格下のため、キテレツダンジョンからの助っ人が受理されました』
これで、この腹の立つアナウンスも何度目だろうか?
俺は、ダンジョンバトル中に剣を探す作戦を実行していた。
ダンジョンバトルで無くなったものは、全て元に戻るというルールを利用して、何度も魔王のダンジョンを探索しているのだ。
初めはいい作戦だと思っていたが、負けたペナルティで、コアとよくデートした街道からだいぶ離れたところに、俺のダンジョンは飛ばされてしまった。
どうやら、思い出の場所に気がるに行けなくなってしまうというのは、それだけでもなかなか辛いものらしい。
これは、俺が思っていたよりずっとショックな出来事だった。
......だが、今は落ち込んでいられる状況ではない。
なぜなら、この作戦は、めちゃくちゃ難航しているからだ。
戦闘を仕掛けると見せかけて、魔王に見つからないように剣を探すつもりだったのだが、ダンジョンに入った瞬間に魔王が目の前に現れるのだ。
入っても魔王にすぐに全滅させられてしまうため、想定していたような探索時間は全く確保できなかった。
まったく魔王の強さとはバカげたものだ。
こっちの超級3人、鬼人、サクレ、ハチをものの数分で倒してしまうのだから。
さすが、史上最強のダンジョンマスターといわれるだけのことはある。
、、でもね、ダンジョンマスターってもっと奥に隠れているものじゃなかったの!??
前に前に出すぎなのよ!!
アンタがやられたら、負けなんやで!?
......あとでサクレに聞いたのだが、魔王は自身のスキルより暴走状態にあるもの、ダンジョンに対する防衛本能だけは残っているらしく、ダンジョンに侵入者がいると、ダンジョン内転移というスキルで、どれだけ離れた場所からでもダンジョンを守りにやってくるらしいのだ。
ただでさえ、金級相当の魔物がうろつく凶悪ダンジョンだというのに、魔王との戦闘を避けることは出来ない訳か......。
「しかも、みつからんね」
俺はこちらのダンジョン最下層の小部屋、通称マスタールームで、ひとり言をつぶやいた。
わずか数分とはいえ、何度も探索しているのにサクレからもらった魔道具に全く反応がないのだ。
正直、チュー太郎の予想が当たっているのかも疑わしくなってきた。
「チュー太郎、、、これ大丈夫なの? さすがに、、」
「大丈夫でちゅよ! 多分、魔道具が反応しないくらい深いところにあるでちゅ! 今回は、つるはしも行くでちゅよ!」
、、なんてこったい。
俺は鬼人に連れられて、魔王のダンジョンに入ることになってしまった。
俺も魔王のことを言えたものではない。
ダンジョンバトルのたびに相手のダンジョンに入ってるのだから、よほど前に前に出たがるタイプと思われていることだろう。
......やれやれ、ビビりな俺が史上最強のダンジョンマスターとやり合うことになるとはな。
俺のことだ、どうせ魔王と目があった瞬間に、気絶するのだろう。




