第2話 ヤバい事態
「......それで、協力を頼めるかい?」
久しぶりに俺のダンジョンに通信してきたサクレは、長い説明のわりに、やたら自信なさげに聞いてきた。
要は人を守りたいから、手伝ってくれってことだろ?
俺の思うに悪い理由ではないと思う。
他に友達がいないからってもっと堂々として欲しいものだ。
サクレの言う協力とは、魔王を倒す手伝いのことらしい。
説明の途中でコアとの思い出に浸っていたのでちゃんと聞いていなかったが、現在、ランク2位にまで登りつめたサクレでも、魔王とは厄介なやつなのだろうか?
ところで、、
「魔王って誰??」
「なっ、魔王を知らないの!??」
予想外の質問のようで、サクレは声を詰まらせた。
サクレの説明によれば、魔王とは以下のようなものらしい。
・史上最強のダンジョンマスター
・人かモンスターかを問わず、全てに敵対行動をとり、勢力を広げ続ける
「悪いことに、先日、魔王の侵攻を防いでいた金級ダンジョンのひとつがやられてね。
今は俺の勢力が出向いてなんとか魔王を食い止めているところさ。」
「サクレってランク2位とか言ってなかったっけ? 魔王ってそんな強いの?」
「......魔王の強さだけは、他のダンジョンマスターとは別次元なんだよ。困ったことにね。
ヤツ単体でも超級の強さを持つ上に、金級の配下を大量に召喚できる。あの強さは桁違いだよ。」
超級とは金級すらザコ扱いするモンスターのことらしい。
その上、金級を大量に召喚できるとなれば、やな予感しかしない。
「、、作戦はあるんやろか?」
正直、内心ビクビクしてきた。
サクレがむちゃなこと言ってきたら、即断ろう。
「100年以上前の文献に、魔王そっくりの怪物を倒したっていう話があってね。そいつを真似ようと思うんだ。」
なんでも伝承によると、そいつは"凶化スキル"を解除することで倒せたらしい。
「凶化の解除には"解呪の剣"っていうのが必要なんだけど、こいつが難儀なシロモノでね......。」
解呪の剣の作成には、希少な金属と、それを剣に鍛えるドワーフの名工と、剣に解呪の力を宿すエルフの祈りが必要らしい。
しかも、さらに厄介なことに、ドワーフもエルフも魔王誕生以降に姿を隠しているのだとか。
一説によると、魔王にビビって隠れているらしい。
、、ムリやろ。
魔王強すぎ、弱点の剣のつくり手もどっかいってる。
俺にどうしろと??
「サクレ、即ことわ「まつでちゅ、オイラに任せるでちゅ!!」」
即断ろうとした俺に、待ったをかける声のする方を向くと、そこにはチュー太郎がいた。




