第19話 お前はバカなのか?
「お前はバカなのか?」
俺が最終階層に着いたときの、向こうのダンジョンマスターからの第一声だ。
ご、ゴブリンが喋った!
向こうのダンジョンマスターは、王冠を付けた筋肉隆々のゴブリンだった。
周りには、強そうなゴブリンが立ち並んでいる。数で言うと500対2くらいだろうか?
最終階は部屋になっていて、この部屋だけ、天井が高い。
「なぜ俺がバカなんだ?」
「ダンジョンマスターが、相手のダンジョンに乗り込むのが普通だと思うか? ここは最終階層だぞ? お前がノコノコ進んでくるから、こっちは精鋭を集めてこの部屋で待っているだけでよかったんだぞ?」
鬼人が恥ずかしそうにしている。
こっちをみるな!
「主、私が戦っている間は、主が無防備になってしまうのでは?」
「大丈夫だ!上をみろ!」
俺たちが降りてきた穴には、ホブゴブリンを待機させていた。
俺は、村に待機させていたホブゴブリンを通話機能で密かに呼び寄せておいたのだ。
1階層に一体いるので、この穴が俺の逃走経路という訳だ。
「アバよ! バカ呼ばわりしたの覚えてるからな!」
鬼人が俺をつかんで、上のホブゴブリンに投げる。上のホブゴブリンがつかんで、さらに上のホブにというのを繰り返す。
こうして、俺は入口付近で待機していたホブゴブリンに抱えられ、俺のダンジョンに戻る。
何回もキャッチandリリースを繰り返された俺は完全にグロッキーだったが、まだ意識を失ってはいない。
「あとは、任せたぞ、、きじんーー」
俺は気を失った。




