第1話 神の説明
ギルドに誰にも見向きもされない依頼の紙切れがあった。
今や、ただの背景同然のその依頼は、張り出されてから1ヶ月というところか。
それは緊急とかかれた村の防衛依頼だった。
村は最近ダンジョンから出てくるモンスターに襲われるようになり、すでに怪我人だけでは済んでいなかった。
そこで、村人はできる限りの金をかき集めてギルドに依頼をだした。
しかし、危険な割に他と見劣りするその報酬に、その依頼が興味を持たれることはなかった。
「ーーすまんな。お前だけ隣町まで花を売りに行ってもらうことになってしまって.....。やはり依頼料を追加しないと人がこないようでな」
連日モンスターの群れを相手にして、傷だらけの壮年の男は、情けなそうな顔で言った。
「いいんです。私はこの村が好きだから! 私にもできることがあってよかったです!」
「、、宿はおばさんに頼りなさい。話はつけてある。その花が全部売れたら戻ってくるように」
「......無理しないでくださいね」
娘は名残り惜しそうにしていたが、やがて行商の馬車に乗って隣町にむかった。
馬車が見えなくなる頃、壮年はつぶやいた。
「あの子だけでも助かってくれたらいいのだが......」
◇
......声が聞こえる。
「ワイは異世界の神。君らにはガッカリしてます」
「君らにあげた初期ボーナスってすごいんやで! なのに、ダンジョンがおっきくなるどころか、何個かやられてるがな!!」
神としては、初期ボーナスを奮発したつもりらしい。
それなのに、すでにクリアされたダンジョンがあることにご立腹の様子だ。
「......しかもな、君らが駅近に住みたい生物や言う事で、ちゃんと街の近くにダンジョンを作ったんやで!」
神よ、それがあかんのや!
「こうなったらダンジョンバトルやで!!」
「勝てば追加ボーナスをあげるで! しかも、バトル中に失ったものは全部ワイの力で元通りやから、安心してや!」
「負けたダンジョンは別の場所に飛ばすから、そこは気いつけてな! 負けた方は駅近やなくなるんやで!!」
、、それはボーナスでは??
当然の疑問を無視するように、不思議な光が俺をつつんだかと思うと、もとの洞窟にもどっていた。
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