最終話 ダンジョンマスター!
どこだここは?
ああ、あれか、富士の樹海だったか?
こっちに来て地球での記憶が蘇った。
そうだ、俺、借金取りから逃げて富士の樹海に入ったんだった。
しかも、ただ逃げるだけでなく、徳川埋蔵金を当てるんだとか言って、つるはし片手に富士の樹海にいき、たまたま見つけた洞窟に入ったのだ。
......俺につるはししか召喚アイテムがなかったのはそういうわけだろうか?
やれやれだ。
こうして冷静に考えてみればいやでも自分のバカさ加減がわかる。
こんなところに、徳川埋蔵金などあろうはずがない。
前のダンジョン生活は楽しかったが、こちらで俺にできそうなことはない。
もう、このままいつまでも寝転がってやろう。
◇
コツコツ
ーーしばらくして、誰かの足音が聞こえる。
野生動物だろうか?
まさか、借金取りがここまでくることはあるまい。
音のする方をみるとそこには、人化したコアそっくりの美女がいた。
「マスター、お久しぶりです。」
コアだった。
あの後、コアは神に俺の元に転生するか尋ねられたらしい!
コアは俺の元に転生すると即答し、人間となってこちらの世界に召喚されたそうだ。
「主、お久しぶりです。」
鬼人もいた! コアのことが気になっていて、声をかけられるまで気づかなかった。
鬼人もコアと同じように、神に人間としてこちらに転生させてもらったらしい。
チュー太郎については、俺の代わりにダンジョンマスターをやっているそうだ。
まさか、完全に人化したコアと一緒に過ごせるとはな。こうなったら、俺ももうひと頑張りするしかない!
ザク!
急にでかい音がしたので何かと思えば、鬼人が洞窟をつるはしで掘り始めた。
やれやれ、こいつにはこちらの世界の常識を教えてやる必要があるな。まず、一つ目にこちらの世界にはダンジョンなどないのだ。
「マスター、あそこを見てください!」
コアに言われた方をみると、洞窟の壁が銀色に光っていた。
え? これって銀じゃね?
この洞窟って銀が取れるんじゃね?
何ということだろう!
銀が取れるというなら、この洞窟をどんどん掘り進めるべきだ!
これで、借金だらけの俺の人生も一発逆転できるというものだ。このまま、ザクザク鬼人に掘り進めさせてやる!
はっきりいって盗掘にあたるのだろうが、そんなもの後のない俺の知ったことではない。
俺は人類の敵、ダンジョンマスターだったのだ!
俺1人では当然ムリだろう。
だが、いつも俺のことを支えてくれるコアと鬼人がいれば、これからの生活も案外なんとかなりそうな気がしている。
ーーやれやれ、どうやら俺はこちらの世界でも、この狭い洞窟のダンジョンマスターをやることになりそうだ。
つるはしダンジョン完結です!
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それでは、次回作をご期待ください!




