3、引くって書いてあるのに扉ってつい押しちゃうよね!の巻
落ちた先の底は、真っ暗で何も見えませんでした。
そこで、ニャニャンはニャン法を使いました。
「ニャン法!ピカピカの術!!」
猫は暗闇で目が光ます。
すると、しばらく暗闇を歩くと、少し明るい場所につきました。そこには、鼻の折れた小さな天狗が寝ていました。
「誰ンジャー?」
天狗は起きると、明るい電気をつけました。
明かりがつくと、そこは、天狗の部屋のようでした。小さなベッドと小さな机、空のタンスがありました。
「オ~!イェ~!俺はカッパーのパッパだぜぇ~!」
「忍び猫ニャン」
「忍び猫ニャオ」
「2匹合わせて、ニャニャン!!」
今度もちゃんとポーズが決まりました。
「俺はオレンジ」
天狗は赤い色をしていましたが、名前をオレンジと言いました。
「お前達、誰ンジャー?」
誰ンジャーとは何レンジャーかと訊いているのでしょうか?
「僕達3匹だけど、戦隊は組んでニャいんだ」
ニャンがそう言うと、天狗はなるほどと頷きました。
「あのー、ここは、そこそこ、こそこそやる場所だって聞いたんだけど……」
「こそこそやってるぜ」
天狗はベッドの下を見せました。そこには、洋服がぎゅうぎゅうに詰まっていました。
「これはニャニ?」
「これは着た服だ。そこに、こそこそ隠してるんだ」
どうやら、天狗はここで、こそこそ洗濯物を隠しているようでした。よく見ると、天狗は汚い格好をしていました。きれい好きのニャンは驚きました。
「汚ニャい!これは洗わないと着られニャい!」
「汚いYO!」
「見ればわかるYO!」
しかし、天狗は少しイラついて言いました。
「こんなのめんどくさいから隠しちゃえばいいんだ!それより、他のオレンジを見なかったか?」
「他のオレンジ?」
「僕達、ここに着たばっかりで見てニャいよ」
すると、カッパーのパッパが時計を探して言いました。
「それより、オレンジ、今何時?3時、俺用事~!」
「あ、それって、韻を踏んだのかニャ?」
すると、地面にINと書かれた場所が現れて、今度はパッパが踏んでしまいました。
「また、踏んだYOーーーーーーーー!!」
「ニャーーーーーーーー!!」
「わーーーーーーーー!!」
こうして、ニャニャンの2匹とカッパーのパッパ、天狗のオレンジは、まっ逆さまに穴の中に落ちて行きました。