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  作者: アマチュアーン
3/9

 『忘年会』アホ口おバカ風味

 私の恥ずかしい実話を基にしました。


 時効でしょう?


 誇張率は………内緒。

 今から十数年前。

 

 私もそれなりに、おバカさんでした。

 今では、おバカさんをカモフラージュして、普通のオッサンの皮を被ってます。


 ただ時々『呼んだ?』とおバカさんが顔を出します。

 その時は『ハウス!』です。


 それでもたまに、私のタガが外れた時は、上半身裸でおしぼりを振り回してます。

 おバカさん100%になると、私も100%で安心できない芸を披露します。

 脱衣は最強です。


 

 あれは私が三十路手間で、会社の忘年会の時でした。


 上司から順にお酌をする訳ですね。

 お酌をしたら返杯。


 ビール。日本酒。焼酎。


 差しつ差されつしながら、一杯が二杯、二杯が三杯となる訳です。


 あら、あそこに見えるのは通信カラオケ。


 ハロー呼んだ?

 チラリとおバカさんが顔を出します。

 (ハウス!)


 が、回りは盛り上がりに欠ける。

 若い手は固いし上司もぎこちない。

 笑い声すら白々い。


 あら、布おしぼりが有りますね。


 このままだと、グダグダになるパターンです。


 おっ若手のお調子者が空気を変えようと『睡蓮花』を入力。


 『良いんか?彼は才能はある。しかし、まだ荷が重いぞ。しかも世代のギャップを理解してない、せめてバカ旦那がいなくては』


 おバカが真面目におバカな事を問かけてきます。


 失礼な、若旦那の歌唱力と声が半端なく、他人が真似すると、バカ旦那になるだけです。


 しかしおバカの言う事は間違っていない。

 確かに彼のキーは高いし、歌は上手いが、乗せるのは又別のテクニックがいる。

 しかも睡蓮歌の原曲は複数名で歌う為に難易度が高い。

 これでは折角の盛り上がりに、パワーが足りない。

 しかも、上司が『おっ』と彼に注目。

 彼もそれに気が付きガチガチ。


 『バカだな~、羞恥心を捨て、未来を捨て、刹那に生きないと無理なのに~』


 いや、おバカなの?

 バカにバカと言ってもしょうがない。

 他の若手の援護は?

 くそ、皮かむりやがって………モジモジ君か!


 私は内心冷や冷やしながらパカッと烏龍茶を飲み干す。


 烏龍茶と思ったら、ウィスキーやないか!


 『ヒャッハー!ウェェェイ!!』


 ハイ、おバカさんにニトロが入りました。

 ウィスキー。

 車にニトロ。おバカにウィスキー。


 『なんだ、なんだ、ネクタイはずせ!おしぼり用意しろ!◯◯お前は脱げー!』


 おバカが顔を出して、おバカな事を言い出しました。

 

 あら、マイクがもう一本有るじゃないですか~。

 デンモクもロックオン。


 あ、記憶が……失くならないよね。


 普通のオッサンに戻ったのは、駅のベンチでした。

 

 背広とネクタイは、確りと身に付けているのに、Yシャツと下着がない。


 変態だ!

 しかもノーパン。

 

 安心してください。スラックスは履いてますよ。

 余計に悪い!


 駅員さんが困った顔で近付いてきます。

 見慣れた柄の布を指でつまんで。

 オゥふ、マイトランクス。


 結局は、電車でなくてビジネスホテルへGo。


 いや流石に、ノーパン裸背広は難易度が高いです。


 怖いでしょ?


 Yシャツ無しのネクタイ姿のアラサーが一人でベンチに座っているんですよ。

 そこに駅員さんがトランクス片手に、そんな男に向かって行くんですよ。

 シュールですね。

 

 怒ると顔をピクピクさせるって、本当なんだと、初めて知りました。


 後日談


 何故か給料がアップしました。


 女将さん……サムズアップは止めて下さい。

 親父(おやじ)さん止めて!

 えっ、外回りに行け?

 接待係?

 マジで?

 いや、そろそろ落ち着きたいんですが………


 女将や社長は乗り乗り


 吉本紹介してあげるからね!


 行くか!


 結局、五年程お世話になりましたが、芸人扱いでした。

 ショータイムなんて要らない!ハードルがめちゃくちゃ上がりました。

 無駄に芸力が上がりました。


 駅員さんと仲良くなりました。


 

 


 

 


 

  

 お客さん…駅関係無いって、突っ込みは無しですよ。

 でも想像して下さい。

 絵面は怖いでしょ?

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― 新着の感想 ―
[良い点] いやー、目茶滅茶良いオハナシでしたよー♪…………懐かしい。
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