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四季娘っ〈しきむすめっ〉  作者: 神無 乃愛
〈side 晴海〉
4/9

親友が酷い件について

 六花と晴海の待ち合わせはその時の気分で決まる。本日は六花の通う大学の校門で待ち合わせ、現在はその大学構内にある食堂だ。

「部外者がいてもいいのかな」

「大丈夫、問題なし。身分証明書を提示したし、あたしの通う学科も全部登録したし」

 セキュリティ的にどうよ? と思ったが、その辺りは様々な申告をすれば問題なしとのことだった。


 昨今物騒なため、御曹司や令嬢が通うことの多いこの大学、セキュリティ関連を強化しているらしい。……一部学部内で製作した試作品も使っているらしいのだが。

「御曹司様の御一人がすっごい工学系大好きらしくてね……」

 それでいいのか、と思ってしまった晴海だったのだが。

「だって、PCを自分で自作どころか、工学系の論文書いちゃう御曹司様だよ? まずもって自分の身の回りで実験して、問題なかったら大学に導入させるようなおヒトだもん」

「マジか」

「うん。しかも某企業で役員になっているらしくてさ。その報酬全額学部に寄付」

「……はぃ?」

「学費は別の収入でしっかりまかなえるからいいんだってさ。さすがにあたしもめまいがしたよ」

 遠い目になりながら、六花が説明をしてきた。

 ……六花がこの目になるということは、かなりのものだ。


「りっちゃん、気づきたくないのだが」

「気づいてくれて助かったよ、はるちゃん」

「その御曹司様のご実家とやらは、此処の学校の理事に名を連ねてないかい?」

「その通りだよ。しかも総本山」

 ……総本山。

 この大学、名前を「琴織(ことおり)学園大学部」という。そしてこの琴織学園、西宮(にしのみや)という家が出資している。西宮家は四条院(しじょういん)グループの中核と言っても過言ではない家だ。

 総本山の御曹司様、とどのつまりは。

「四条院家の御曹司様かい」

「はるちゃん正解」

 知りたくなかった―――。そう叫びそうになるのを、何とか堪えた。


 うがぁぁぁと頭を抱える晴海を、嬉しそうに六花が見つめていた。

「はるちゃんじゃないと、このリアクションは楽しめないからね――」

「そのつもりでここを待ち合わせにしたんかい!」

「それ以外何がある!」

 ドヤ顔をした六花にデコピンをした晴海は、悪くないと思う。


 ぎゃいぎゃいと騒ぎすぎて、当の御曹司様に大爆笑されてしまった。どうやら、途中から聞いていたらしい。

「すまん、態度が新鮮過ぎた」

 番犬系なお顔の御曹司様が軽く謝ってくれた。


 ……その前にこちらも「失礼しました」と謝罪はしたが。



番犬なお顔の御曹司様……本編「魔術屋のお戯れ」にて婚約者共々夏姫を着せ替えをして楽しんでいる、独占欲の強いあのおヒトです。

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