54.お掃除タイム
お待たせいたしました!
「GYAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」
叫喚をあげて次々と崩れ去っていく魔物たち。
たった一人の男が放つ強烈な一撃の前ではどんなにタフな身体を持つ魔物であっても一瞬のうちに無力化される。
「まだ来る……」
ゲートからは未だに魔物が出てきている。
その殺意に満ちた目を向けてくる魔物たちに俺は容赦ない一撃を浴びさせ続けた。
だが……
「くそ、これじゃキリがないな……」
倒しても倒してもゲートから現れてくる。
しかも倒す度に出現する魔物が多くなっていっているような気がするのだ。
流石に数で押し切られると、全部を街の方へと行かないように食い止めるのは至難の業。
やりようによっては一気に殲滅できるが、その方法を使うと公園もただじゃ済まされない。
ここは国が管理している公園だ。
理由はどうであれ、無残な姿にするわけにはいかない。
と、なれば……
「あのゲート自体を壊すほかないか……」
面倒だが、奴らの進行を止めるにはそれしかない。
俺は剣を構えると、姿勢を低くし、目を瞑る。
身体中に巡る魔力を心臓部分一点に集中させ、精神統一する。
大量の魔力が一点に集中し始めているためか、身体がポカポカと温かくなってくる。
そして同時に込み上げてくるような力が俺の身体に活力を生み出す。
「一刀だ……一刀で決める……!」
俺はパッと目を開けると、一点に集中させた魔力を手足に流し込んでいく。
そして低姿勢はそのままに、俺はその剣先を魔物たちめがけて向けるのだった。
♦
時は同じくして、シェリーの方にも収穫があった。
「やっと、やっと見つけました!」
公園内を駆け巡り、ようやくそれらしき人物を発見。
黒い装束を纏った男二人がベンチに座り、何やら会議をしているようだった。
「あの怪しさ……間違いありませんね」
そもそも結界が張ってある以上、他の人間は公園内に入ることはできない。
犯人があの二人というのは明白な事実だった。
「ひ、ひとまずレインさんに伝えないと……」
シェリーはレインに貰った輝石を取り出すと、天に向かって高々と上げる。
「えっと、確かこれに魔力を……」
目を瞑り、自身の魔力を輝石へ。
少し前にレインに魔力コントロールを教えてもらったおかげもあって、魔力操作はできるようになっていた。
現在はパーティーに加わったこともあってか、空き時間に剣技も教わっている。
「えっと、まずは心を落ち着かせて……」
自分の魔力を少しずつコントロールし、輝石へと流していく。
するとレインの言った通り、輝石が徐々に光を帯び始めてきた。
「すごい、本当に光るんだ……」
輝石の光を目の前にして、少し驚きつつも。
シェリーは魔力を流し続ける。
……が、次の瞬間だった。
「おいおい、お嬢ちゃん。こんなとこでなにしてんだ?」
「……ッ!?」
突然腕をバシッと掴まれ、後ろを振り向くと、そこには目の前にいる男たちと同じ黒装束を纏った男がニヤリと笑いながら立っていた。