第1話 光る玉
(???side)
『名前 山田 太郎 年齢 17歳 性別 男 家族構成 両親と弟の4人家族
死の概要 居眠り運転のトラックと衝突しすぐに病院に運ばれたが手の施しようがない程損傷が激しくその後すぐに息を引き取った。』
???「ふむふむ丁度いい実験体が転がっておるではないか。」
少年の資料を見ながら淡く光る球体は呟く。
ここは日本でも地球でもない別の世界。
淡く光る球体は不気味に笑う。
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………『……ぃ……お…い………おーい。そろそろ起きぬか〜…。』
誰かの呼び声に奥深くにあった意識が浮上し意識がはっきりすると同時に俺はトラックに引かれた事を思い出しバッと目を開けた。
眩しい光に目を細めながら周囲に視線を彷徨わせる。
「…………!!…ここは一体…?」
見渡す限りの白い空間。異様な雰囲気に寝ていた体を起こす。俺が寝転んでいた場所は白い綿の様なものが一面に広がっている。
「俺トラックに引かれたはずだよな…。ここは病院じゃないのか?」
なにかとんでもない場所に連れてこられたのかと思い慌てていると起きる前に聞こえたものと同じ声がした。
『おーい。ここじゃよここ。』
声が聞こえる方に視線を向けると小さいピンポン玉くらいの光が動き回っているのが見えた。
俺に声をかけて来てるのはこの光る玉なのか……??
『お!ようやくわしを見てくれたな!そうじゃよ!この光る玉がお主に声をかけているのじゃ!』
…信じられないことだがどうやら声の主はこの光る玉で間違いないらしい…。
「お前は誰だ?ここはどこなんだ?」
『わしは神様じゃ!ここはわしが創り出した場所じゃ!お主とわししか入れぬ秘密の場所じゃ!』
神様ってこんな見た目なの…?しかも秘密の場所って………。
「……え、まってまって俺…トラックにひかれて……。それに神様って………俺…もしかして……。」
『あぁ。お主は死んだよ。』
信じたくなかった事を神様とやらはあっさり告げてくる。
『トラックに突っ込まれたんじゃ。即死じゃよ。』
「そうか……即死か…。」
信じたくない事実に頭が真っ白になる。
『お主が信じたくない気持ちも分かる。だが信じてくれないとこれから先の話が続けられないのじゃ…。』
「これから先……?」
これ以上なんの話をするというのだろうか。