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天然能力者の受難  作者: 岸辺 轍@中二病
天然能力者の受難
7/19

入学式Ⅵ

登校しませんYO★

投稿しますYO★

読んで下さりありがとうございます('ω')ノ

 “キーンコーンカーンコーン♪”


 校舎にホームルーム終了を告げるチャイムが鳴り響いた。


 ―—ガタガタッ


 クラスメイトが一糸乱れぬ動きで起立する。そ

 のまま、教室の外へと歩き始めた。その中には修一も居た。


 「な、なんだ…? どうしたんだ…?」


 訳が分からないず戸惑いを見せる圭吾を横目で見ながら周囲のクラスメイトたちはそそくさと教室を後にする。はじめは何だろうと疑問に思っていた圭吾だったが…


 (これって上田先生と…ふ、二人っきり!?)


 とポジティブな思考に切り替わり、むしろこの状況を楽しみだした。

 修一はそんな圭吾の姿を横目で憐れむような眼で見つめながら、クラスメイトの動きに続いて教室を後にした。修一は「達者でな…!」と小さく言い残し神に拝みながら教室を後にするのであった。


 圭吾はクラスメイトが全員退室したのを確認して、教壇に目を向ける。そこには我が一組の絶世の美女教師、上田愛美先生がいる……と、思っていたが、教壇の方に目を向けると既に上田先生の姿は無く、何故かそそくさと教室から出ようとしていた。


 「あ、ちょ、ちょっと愛美先生! まってくださいよー!」


 必死に上田先生を呼ぶ。しかし、上田先生は教室の扉から出るところで振り返り、手を合掌しお辞儀を一つしてスッと教室から出ていってしまった。その意味不な行動に圭吾は(なんで祈ってんだ…?)と若干疑問に思ったが、あんな美人が担任なんて俺は幸せだぁ!と未来への期待に胸を躍らせていると、後ろから不吉な気配を感じてバッと振り向く。


 「あ、あああ…あ、あ、あああぁああ………‼」


 身体が恐怖に震えだす。奥歯がガチガチとなり、全身から冷汗が止まらなく流れる。圭吾の理性が、いや本能が身体に「今すぐ逃げだせ!」と電気信号を送るが、恐怖によってそれが巧く伝わらない。

 今圭吾の目の前には席からゆらりと静かに立ち上がり、「ふふふ…」と不気味な笑い声を発している般若が…‼ いや違った。刀を構えた般若を背にゆらりと禍々しいオーラを漂させながら立ち上がる夢原夏樹の姿がそこにあった。幻覚だろうか、夏樹の手に包丁が見える…。


 (あ、あれ…?もしかして俺って今、とんでもなく危ない状況なんじゃ…?)


 そう思ったが、既に手遅れだった。


 「………圭吾くん?」


 「はい!」


 突然声を掛けられ、直立不動で圭吾が答える。

 お淑やかで安らぎボイスだった夏樹の姿はもう居なかった。代わりに、其処には地獄の門番でも勤められそうな鬼が居る。圭吾は必死に頭を回転させる。どうしてそこまで怒らせてしまったのか、と。そしてようやくそこで、クラスメイト達の合点がいった。


 (修一の奴… に、逃げ出しやがったな…いや、裏切ったなぁチクショォ……!)


 「……圭吾くん?」


 「は、はい!何でしょうか夢原さん!」


 「……覚悟はいいわね?」


 その言葉と同時に教室に圭吾の悲鳴が響き渡るのであった。他のクラスの生徒たちは何だ何だ?と興味本位で近づこうとするが、それを一組の生徒たちが必死に止める。いくな!あそこは地獄だ!裁きだ!と必死に止める一組の姿を見て他の組の生徒たちは、ますます疑問が膨らむだけだった。


 「た、たすけてくれええええええ!!」

 「うぎゃああああああああああああ!!」

 「お、おれが悪かったぁあ!だから赦してくれぇええ!!」

 「ぎゃああああああああああああ!!」


 教室から引っ切り無しに聞こえてくる男の悲鳴。 

 そして悲鳴の後に聞こえてくる女の怒号。

 つまりは〝修羅場〟


 扉についている小窓から教室内を除く。

 そこには修羅と化した夢原夏樹と、その修羅に首根っこを掴まれている近郷圭吾の姿が見える。


 「「「「………」」」」


 小窓から覗き見た生徒たちは、一様に顔が真っ青になっていた。そのままゆっくりと帰り始めた。覗いた生徒たち皆が真っ青になって帰っていく姿を見て、見に来た野次馬生徒たちは恐れおののき、又は興味本位か、或いは野次馬根性で覗くのだったが、例外なく覗いた生徒は全員顔を真っ青にして帰宅していったという…





 終わりを告げるチャイムの音を、今か今かと待ち焦がれていた僕たち一組の新入生たちが、そのチャイムと同時に先生の合図を待たずして一斉に教室から退出していく。修一も他のクラスメイトに続いてすぐに教室を後にした。一糸乱れぬその迷いなき動きに教室に残された圭吾は「なんだ?どうした?」と頭を捻っていたが、すぐにご執心相手である上田先生へと顔を向けていた。


 (相変わらずだな…)


 と思っていたが、今回は運の尽きだろう。なんせ、今回の相手は夏樹だ。普段から女癖の悪い圭吾だけど、それも許容している夏樹だったけど、まさか年上の、ましてや担任の上田先生に対して鼻の下伸ばしてフガフガしている圭吾を見てついに堪忍袋の緒が切れたようだ。今まで見たことない禍々しいオーラとその背後に化物まで召喚している…


 (……圭吾、今までありがとう。 君のことは… 忘れない…‼)


 未だ夏樹の気配に気づかない圭吾に修一は心の中でご愁傷様と合唱して教室を後にした。


 圭吾は僕たちが教室を出た後、ウキウキしながら教壇の方に目を向けた。しかし、其処には既に上田先生の姿はない。クラスメイトたちと同じようにすぐに教室から退室していったのだった。

 それは、おそらく、これから教室内で起こるであろう惨劇を見ないように、そして巻き込まれないようにするために… 圭吾を除いた一組の生徒たちは全員、教室を後にしていた。


 僕たちと上田先生が教室を退室した後、教室からは男の悲鳴と女の怒号が響き渡っていた。それを尻目に僕は学校を後にしたのであった。





 

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