入学式
よかったら読んで下さい!
投稿します(´▽`*)
※第一章まるまるプロローグのようなものです。と〇るみたいな感じですΣ(゜д゜lll)
第二章からテンポよく進めるので勘弁してくださいΣ( ̄ロ ̄lll)
大阪府立泉州砂川高等学校
これから僕が通う高校の名前だ。
高校受験を無事合格し、新しく通う学び舎の校門の前で、入学者の一人である少年は顔を引き締め直した。これから始まる青春という名の尊く貴重な三年間を夢見て校門をくぐった。
少年の身長は周りの生徒たちより頭一つ低く低身長で、髪の毛は黒髪だった髪を少しでも大人びて見えるように茶髪に変え、短く切り揃えている。顔は童顔であどけなさが残った中学生、見ようによっては小学生に見えるほど幼く見える。その外見からは、とてもじゃないが高校生には見えない。中学生が紛れ込んだのかと周りは勘違いするほど小柄でその小さな背中は頼もしさの欠片も見えない少年だった。
周囲では今日の入学式という晴れ舞台を見るべく保護者同伴の生徒たちがほとんどだが、少年の周りには誰もおらず、保護者の姿も見えない。入学式を前に、新入生達が意気揚々とこれからの新しい学校生活に心を躍らせていたり、一緒に来ている両親や家族と仲良く写真を撮っている人達も散見された。
そんな周りがワイワイと騒がしい中、少年は晴れの舞台に似つかわしくない寂し気な顔で周りで見ている。その視線の先には楽しんでいる新入生たちを見ている。そんな新入生たちの楽し気な姿を見て少年は一つ小さなため息を吐いて呟いた。
「……本当だったら今でも僕の周りに居たんだろうな」
語尾の言葉が風に負けるほどか細い声で「家族が…」と少年がつぶやいていた。そのまま少しの間、少年は周りの楽し気にしている新入生やその家族を見た後、一人、とぼとぼと入学式が行われる講堂へと歩いていった。
この寂し気な少年の名は鬼瓦修一。
今年から大阪府立泉州砂川高等学校に入学した新入生だ。大阪私立泉州砂川高等学校、通称、砂川高校は創立五十周年を迎える古き高校だが、偏差値は然程高くはなく、いたって普通の高校だ。校風のゆるい感じで地元からの入学者がほとんどの地元交流が多いのが強みの高校である。
寂しげな顔をしていた修一は、辺りを見渡した。
校内の敷地はとても広く、立派な校舎の裏側には、大きな木々が鬱蒼と茂った裏山があり、その裏山を含めて校内の敷地だそうだ。辺りには桜の木が植えられており、花壇には色とりどりの春の花が植えられており、まるで新入生を祝福するように綺麗な花を咲かせている。自然豊かで景観は悪くない。
「お父さんもお母さんも、確か桜大好きだったな… 見せてあげたかったな…」
修一が校内の風景を懐かしむように見ていると…
「チャーッス、修一!」
「いてっ!」
突然後ろからバシッと背中を叩かれ、前のめりに倒れそうになった。
軽薄な声からして誰がやったか薄々分かっていた。振り向きざまに文句の一つでも言ってやろうかと思って振り向くと、予想通り中学からの悪友であった近郷圭吾がそこに居た。
「朝から悪ノリが重たいよ、圭吾…」
「そういうなってっ! 俺たちの中だろぉ!」
そういって圭吾は馴れ馴れしく肩に手を回そうとする。否、圭吾の方が僕より身長が高いので、回そうとした腕が僕の頭の上に乗っかる形になってしまう。まるで僕の頭は圭吾のひじ掛けの様になってしまった。
「そもそも何を朝から何辛気臭い顔してんだよ! 冴えない顔は前からとして」
「……冴えない顔は余計だよ。」
「今日は待ちに待った入学式だぜ!そんな辛気臭い顔するよりもこれからの事を考えようぜ! 高校生といえばなんだ! そう、青春だ、友情だ、彼女だ! 中坊という保護者という名の監視から抜け出して、日本社会から一人前の男として認められる高校生に俺たちはなったんだ! あぁ、朝日が眩しいぜ!まるで日本社会が俺を祝福しているようだ! これから始まる青春という名のドラマの幕開け!そして何時しか隣を歩く美女という名の彼女! この素晴らしく黄金に輝く未来へのまさにドラマ! 高校生活の幕開けがお前には分からないのか!それでも男か!?」
「えーっと…何で僕は怒られてんだ? そもそも何言ってるか分からないよ…」
全身で喜びを表現している圭吾の姿に修一はさらにどんよりとした表情になっていた。
朝から悪ノリの激しい圭吾だが、同じ中学からの友達で、僕が小学校の時に突然転校してしまった後も地元に帰ってきて同じ中学に通った時も、昔と変わらず同じように関わってくれた数少ない友達なのだ。親友と言っても差し支えない、見た目や態度とは裏腹に凄く内面は良い奴なのだ。
この近郷圭吾の見た目は金髪で耳にはピアスを着けており、どこからどう見ても不良に見える外見をしており、雰囲気から遊び人風の感じは否めない奴だ。だが、元々住んでた場所のご近所で昔から不思議と気が合い、幼稚園からよく遊んでいる仲良しなのだ。
圭吾は凄く話し上手で、見た目からは想像できない凄くなじみやすく、陽気な性格からクラスメイトたちから人気があった。何事にも積極的に取り組む姿から、いつもクラスの中心人物になっていた。外見からは想像できないほど凄く良い奴で、人の細かい所に良く気付く…所謂「勘の鋭い」奴なのだ。
そんな圭吾とは正反対に位置している修一が、圭吾と仲良しなのがクラスメイトから面白がられており「凹凸コンビ」とよくバカにされ、よく話題にされてきた。しかしそれを嫌に思ったことはない。圭吾には感謝を感じているからだ。巻き込まれるという形だが、それでもクラスメイトたちと仲良くなることができたのだから、圭吾と同じ高校に通えるのも悪くないなと思う。
「けど修一… 一つだけ残念なお知らせがある…!」
「…? どした、圭吾?」
突然、改まって真剣な表情になって見つめてくる圭吾。いつにもなく真面目な表情で話しかけてくる圭吾に対して、少しだけ警戒心を持つ。こういう時の圭吾は、大体、碌なことを考えていないのだ。
「周りの女子生徒を見てみろよ。ほとんど知ってる顔ばかりだ…!」
その言葉に修一は「いまさら何言ってんだ?」という表情になる。
「はぁ…? そりゃ地元の高校だからね。それがどうかしたの?」
「バカヤロゥ! お前、それでも男か! 男なら新たなる出会いを求めるもんだろ! どいつもこいつも見知った女だからけじゃねぇーかよ! これじゃ新たな出会いって楽しみが無くなっちまうだろぉお!! 新鮮味が、そう、新鮮味が足りねぇんだよ!うぉおおおお!!!」
修一は汚物でも見るような冷ややかな目で騒いでいる圭吾を見ている。しかし圭吾は止まらない。
「女子高生だぞ! おんな・こども・こうこう・せいと、と書いてジェーケーと呼ぶんだ!略して女子高生だぞ!つまりはJKだぞ、JK! 男のロマン!それがJKだ! それなのに…それなによぉ!! どいつもこいつも同じ顔触れで…新鮮味が足りない!新たな出会いという赤い糸の出会いが足りないぜ!無い無い尽くしの高校生活になってしまうじゃないかぁああ! 俺の夢見る華やかなJKライフが早速、終焉を迎えてしまいそうだあああ!!」
目の前で、未だ「あぁあああー」と鶏を締め上げたような苦しそうな呻き声を上げる圭吾をまるで見下すような、この世の生物、否、同じ人間なのかと疑うような、汚物を見るような眼で眺めていた。
(こいつは地元の高校に何を期待してんだ? そんなに新しい出会いとやらに興味があるなら猛烈に勉強でもして、他県の高校でも行けばよかったのに… なぜ地元癒着の強いこの高校をに進学したんだろう)
周りを見渡すと仲のいい友達同士で楽しそうに笑いあってるグループがいくつも見られた。中には圭吾と同じように騒いでいる生徒もいるようだけど、今日は入学式なので、周りの先生たちも「今日くらいは大目に見よう」と、やれやれとばかりに放置していた。
圭吾じゃなくても浮れている生徒は多い。それは男子に限った話ではなく女子生徒も同様だ。気分も高揚しすぎているのかもしれない。とりあえず圭吾が落ち着くまで待ってあげようと思ってたら後ろから声を掛けられた。それも恐ろしくドスの聞いた低い声で。
「そんなところで何をはしゃいでいるのかなぁ~?」
「「——————グフッ‼」」
ギッギッギ、と錆付いた首を回すように後ろを振り返る僕と圭吾。
そこには能面を被り、手には包丁を持った般若が! 否、違った。そこには俺や圭吾との幼馴染に当たる夢原夏樹が立っていた。心なしか手には包丁を持っているように見える。
((キャアァァアア―――――!!!))
声にならない悲鳴を上げた二人であった。
「面白い!」
「続きが気になる!」
と思ったら、是非ともその清き指先でご評価してくださると嬉しいです!
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