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天然能力者の受難  作者: 岸辺 轍@中二病
天然能力者の受難
13/19

バイトを探そう!Ⅵ

投稿しますね。

最近、バイトが忙しい…それでもがんばって編集して投稿します!

読んでくれてありがとう!

お願いします。Σ(゜д゜lll)

 修一が悩み悶えていると、担任の上田愛美が朝礼チャイムが鳴り響くと同時に教室に入ってきた。

 上田先生の号令でクラスメイトたちがそれぞれ自分に席に戻り朝のホームルームが始る。先生はとてもお話上手で、しっかりと要点を伝えながら、少し脱線した面白い話をしながらも今日の予定を的確に伝えていく。さすがは出来る人だ。


 朝のホームルームが終わると、一時限目の体育の授業だ。


 この高校では時間割では同じ体育の科目だが男女別の体育の授業を行うので、それぞれ受講場所が違うのだ。本日の男子は外のグラウンドでソフトボールを行い、女子は屋内講堂でバレーボールをするそうだ。


 クラスの女子達は講堂にある更衣室に移動を始めた。男子移動せず、女子達が教室を出るのを待って一斉に着替え始める。グラウンドにも一応更衣室が設けられているのだが、使う生徒はほとんどいない。なぜなら、外に設置されている更衣室は風が吹けば砂埃が窓から入ってくるし、何より気温の温度差が激しく、夏は暑く、冬は寒い。それに埃と砂埃塗れで汚くて、掃除しても綺麗にならない場所なのだ。そのため人気がない。グラウンドで体育を受ける場合は、ほとんどの生徒が教室で着替えるのだ。




 中々アルバイトの面接が通らないことで落ち込んでいた修一も立ち上がり、ハァ~、と深く大きなため息をはいた。机の横に掛けてあった学校指定の青色のスポーツバッグを開けて体操服を取り出そうとする。


 鞄を開けて中をまさぐる。今日の朝、出発前に今日の時間割の教科書や体操服、財布などをバックにひたすら詰め込んできたので、鞄の中がごっちゃごちゃになっていた。とりあえず、ごちゃごちゃになっている鞄の中から取り出そうと底の方にあった体操服を一気に引っ張り出した。


 底から引っ張り出した反動だろうか……皺のよった茶色い紙が体操服と共に外へと飛び出した。

 何だ? と思いながら、授業開始の刻限が迫っていたので、急いでそれを拾って鞄に押し込もうと紙を拾い上げると修一は「あっ……」となんとも間の抜けた声を発した。


 その紙はA4サイズの茶封筒だった。

 裏側には日本政府のマークとWEDAのロゴが入っているかなり上質な封筒。確かこれは、先生が僕の収入源になるかも、と何処からか持ってきた世界能力者派遣協会の新人試験の案内状が同封された封筒だった。


 その床に落ちた茶封筒を持ち上げてジーっと見つめる。

 


 修一は先生が帰った後のことを思い出していた。


 確か…先生が帰った後に、とりあえず近くにあったバッグに入れた覚えはあったが、今の今まで忘れていた。どうやら学校のバッグに入れていたらしい。すっかり忘れていたよ。知らず知らずのうちにカバンの奥底に追いやられていたようだ。




 たっぷり三十秒ほど凝視していただろうか。


 修一は真剣な顔で茶封筒を荒っぽく、バッグの中に戻した。 

 その顔には、先ほどまでため息を吐いてやつれていた修一ではなく、何か決意をしたかのようなキリッとした凛々しい表情をしていた。



 (もう……これしかない!)





 その日の昼休み。


 修一は学食へと出かけた圭吾らを見送った後、一人で屋上へと来ていた。校舎の屋上は解放されており、誰でも入れる自遊空間になっている。転落の安全対策で一面がフェンスで覆われているが、比較的広くて開放感あふれる場所で、ちょっとした告白スポットになっている。


 今の時刻、ほとんどの生徒は学食を食べるために食堂に集まっているため、屋上はガラガラだ。

 修一は誰もいない屋上で一人、屋上に設置されているベンチに座りながら、世界能力者派遣協会からの案内状を取り出して、規約書を読んで確認していた。


 やはり能力者という世界規模の機関だけあって注意事項にはびっしりと仰々しい言葉や物騒な言葉が並べられていた。


 曰く、激しい戦闘地域や紛争地域への治安維持活動や要人警護の派遣なども依頼には含まれており、戦闘巻き込まれることがあるらしい。派遣現場で負傷をした場合などは協会から全額、治療費が支給されるが、死亡した場合は、一切の責任がその派遣員の自己責任となる。さらに国内外問わず派遣依頼が協会に届くため、学生で派遣員登録している人は依頼内容によっては長期間の拘束などがあり、学校を長期欠席する可能性があることや、依頼内容によっては学校を自主退学することもあるそうだ。


 (怖いけど… これもお金を稼ぐためには仕方が無いんだ…!)


 しかし、すでに覚悟を決めた修一は、署名していた。


 誓約書や同意書記入についての注意事項をとにかく念入りに読み直す。


 誓約書・同意書の記述欄には派遣場所で知りえた情報は許可なく口外しない事や協会の規約書に同意するかなどの記載が多く、任務を受けるにあたっての心得や至極当たり前のような内容がズラッと五十項目ほど並べられていた。すべてに同意分の横には確認しましたかのチェック欄があり、全てにチェックを入れて行く。最後にはすべての項目を確認しましたのチェック欄にチェック印を入れて、名前を書いて印鑑を押して終わりだ。


 これで同意書と誓約書の記載は終わった。後は派遣協会の登録用紙に必要事項を記入するだけだ。

 すぐ茶封筒から登録用紙を取り出して必要項目を記載していく。


 名前、住所、連絡先といった個人情報を書くだけで、別に特別な項目はない。普通の何かしらの会員申込書と大して変わらないが、唯一特別といえば得意異能という項目があるくらいだ。


 修一は得意能力の欄を見て少し悩んだ。


 一番初めに思いついた得意能力は『剣術』だった。

 先生に少しでも武術に触れておけと言われて、教えてもらったが先生から「才能(センス)なし!」と烙印押されてから、今はたまに体を動かすときに素振りするくらいだ。

 ……剣術はダメだな。


 次に思いついたのが霊力操作(コントロール)だった。

 僕の霊力は訳合ってめちゃめちゃ少ない。全力(フル)で霊力を使えば一、二分でガス欠を起こしてしまう。そのために、要所要所に必要な分だけの霊力を使えるように操作訓練を積んできた。今では、それが手の感覚の様に扱える。だが、それでも僕の総量の差は覆せない。最後に行きつくのはやはり霊力総量(スタミナ)の差だった。

 ……異能ですらなかった。


 結局修一は、悩んだ挙句、得意異能の項目に『治癒霊力(微弱)』と書き込んで一息ついた。





 新人ランク試験の申込に必要な同意書や規約書と言った必要書類を、案内状と一緒に同封されていた郵送用の封筒に全て同封する。後は開かないように糊付けして完了だ。


 「…よしっ! これで後は投函するだけだ」


 「あ!修一、こんな所にいた! みんなでお昼ごはん食べようって約束してたでしょ? 昼休みになった途端にいなくなるんだから!」


 「お!やっぱりここに居たか、修一! いつまでたっても食堂にこねぇから、わざわざ探しに来てやったぞ!」


 予想外の夏樹と圭吾の登場に祐人は慌てて新人試験の申込書を鞄に押し込んで隠す。


 「あ!ああ、ごめんごめん! すぐに行くよ!」


 「まったく… 何をしてたの? こんな所で」


 「な、何?」


 「それと修一…? 今、後ろに何隠したの?」


 「―—ギクッ!」


 彼女はいつもこうだ…

 ちょっとした動きも見逃さないし、納得できる回答があるまで追求してくる。僕がこんなわけ分からない派遣バイト始めるって言ったら、絶対反対してくる…。かといってここで誤魔化せば、永遠に追及してくるだろう。苦し紛れの嘘も言い逃れも出来ない。


 (……何とか、誤魔化す理由を探さないと…!)


 一生懸命辺りを見渡すが、こんな何もない屋上に都合のいい言い訳が落ちているはずもない。

 夏樹と圭吾が詰め寄ってこようと一歩踏み出すと同時に修一も一歩退く。

 退いた足が何かにぶつかり足元を見ると、其処には、先ほど僕の学校指定の青スポーツバッグが。急いで申請書の封筒を押し込んだため、まだチャックが開いている。中には詰め込んだ封筒や体操着などがごちゃ混ぜになっていた。その自分の鞄の中を見て、修一はコレだっとばかりに閃いた。


 すぐに鞄から取り出す。そして取り出したソレを夏樹と圭吾に見せつめるように出した。


 「バ、バイト雑誌を見てたんだよ! それでね、結構いいバイト見つけてね! これに応募しようと思って… そ、その…そう!履歴書書いてたんだ!」


 「ふ~ん…。 それじゃ別に隠す必要ないんじゃない? なんでわざわざ隠すのよ?」


 「だ、だって誰が来たか分からなかったから…とっさに、ね。 だって、ほ、ほら!履歴書って個人情報の塊でしょ! ほら個人情報って大切じゃん! 個人情報の漏洩はダメ絶対っていうでしょ! だ、だから…そ、その…急いで隠しちゃってね」


  いつにもなくめちゃめちゃキョドって慌てている修一の姿に夏樹は若干怪しいと睨みながらもここでこれ以上追及しても意味ないと今は納得することにする。


 「ふ、ふーん。まあ分かったけど…」


 (よ、よかった… 苦し紛れの言い訳だったけど…なんとかなった…)と安堵のため息を吐いている修一にビシっと夏樹の言葉が突き刺さる。


 「でも、もしも! もしも、怪しいバイトだったから………絶対に止めさせるから!」


 (あ、あれ…? もしかしてバイトの方が睨まれてる…!?)

 厳しい視線を修一にむける夏樹。その気迫はいつもより恐ろしかった。その気迫に押され、たじろぐ修一。やがて、修一は何度もコクコクと頷いた。


 「よし!それなら許すわ! ただし、バイトだからって無責任なことしちゃダメだからね! しっかり頑張るのよ? 応援しているから」


 そう言って夏樹はニコッ可愛く微笑んだ。

 修一はその笑顔に、思わずドキッとする。胸が高鳴り、数秒間、その頬笑みに思わず見惚れてしまった。思わず、抱きしめたくなる衝動に駆られ、愛を囁いてしまいそうだ。

 その可愛い微笑みを僕だけに向けてほしい。僕の為だけに君の愛を捧げてほしんだ。

 それほどのまでの強い独占欲の衝撃に駆られてしまったが、すぐに我に返り、衝動を理性でグッと抑え込む。傍から見れば危ない奴だけど、僕はこういった欲望を抑えられず、膨張させてしまいやすい体質になってしまっているのだがら、仕方がないのだ。要するに超惚れっぽい男なのだ。情けないことに…。


 (あぁやっぱりこの心は誤魔化せるものじゃない… 本当に夏樹が愛おしく思えるんだ…)


 そんな僕の心を知ってか知らずか、夏樹はすぐに後ろを向いて歩き出す。


 「早く行くわよ」


 「……なんか、オレ。空気になりかけていたような…? まぁいいや。 とりあえず修一!早く来いよ!」


 夏樹は修一を急かすように屋上の出入り口のドアを開けて先に行ってしまう。その後に続くように空気となりかけていた圭吾も先に行ってしまう。

 そして、夏樹の後を追うように修一は急いで荷物を纏め歩き出す。だが、その足取りは重く、目は遠い。


 (僕って奴は… やっぱり最低だな…)


 親友の恋心を知って尚、親友の想い人に恋慕の情を抱いてしまっている。

 夏樹と圭吾は、お互いに知られないようにふるまっているようだが、お互いに想い合って居る。両想いなのを僕は知っている。それなのに、僕は夏樹ちゃんのことが好きなんだ。親友を蹴落としてでも手に入れたい、とそうおもってしまっているんだ。


 独占欲という言葉が脳裏にチラつく。まったくもって、今の僕が感じていることだ。

 それを感じてしまっている自分に嫌気がさしてくる。何が親友を蹴落としてまで奪いたいだ。ふざけるな、僕! 僕にとって親友は家族と同じくらい、かけがえのない大切な存在だと言うのに…!


 ——本当に僕は醜い存在(ぼく)だ。


 そんな自分の醜い欲望に嫌悪感を抱いていた。



 (ダメだろ… 僕は応援するって決めたじゃないか!)


 心の中で強く願う。自分自身を戒めるように、そう強く願う。



 「ハァ。 僕って奴は…」


 この少年に珍しくその表情は自戒そのものであった。






 新人試験申込書を送って数日後、修一のアパートのポストに世界能力者派遣協会から封筒が届いた。中には、新人試験についての案内や受験者ID、そして宿泊ホテルの案内などが投函されていた。

 修一はその封筒の中身を確認する。日時は五月の初旬のいわゆるゴールデンウィーク中の三日間で行われると記載してある。宿泊費から食費、申請すれば交通費(ランク取得者のみ)まで協会が全て負担してくれるそうだ。


 スケジュール表を確認すると、試験日の前日の夜六時から宿泊ホテルの会場にて立食パーティーが開催されるそうだ。そこで説明会も同時進行で行われる。そして、次の日からの三日間で試験を実施して最終日の夕方に結果発表とランク取得した者のみでまた祝賀パーティーが開催される。


 「なんか意外と派手だなぁ。場所は品川駅から徒歩十分… 『グランドホテルSiBuYa』にて開催か。 ちょっとまて…! 超高級ホテルじゃん!」


 まさかの会場が日本でも有数の超高級ホテルであることに、ワクワクとドキドキが止まらない。その高鳴る鼓動を抑えるようにその書類を大切に鞄にしまった。

 


 


 

「GYAAAAAAA☆おもしろい!」

「KYAAAAAAA☆きになる!」

と思ったら、是非ともご評価お願いします!


読者様の純粋なご評価をお願いします。

文章構築がイマイチだけど、ストーリーが面白い!と思ったら、その通り評価してください!

次回話の勉強にもなりますので、是非、読者様の素直なご評価をお願いします。また、気になる点やアドバイスなどありましたら、お気軽にご感想下さい。返信は出来る限り早く返したいと思います。


これからも『天然能力者の受難』をよろしくお願いします。



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