バイトを探そう!Ⅳ
少し投稿が遅れました。ごめんなさい。
学校が始まり数週間。
修一はだんだん新しい生活のリズムが出来上がってきたのだった。
先生から能力者協会の新人試験を受けるかどうかの提案を受けているが、正直乗る気になれないというのが本音だ。確かにアルバイト感覚で働けるし、依頼もそのほとんどが高報酬だ。しかし、派遣場所や日数によっては学校を数日から数週間といった長期欠席をすることになるかもしれない。学校はアルバイト容認している、と言うよりも「どんどんしろ!」という校風なので問題ないのだが、流石にアルバイトの為に数日も学校を休むことは認められないだろう。
泉州砂川高校一年A組、修一の所属するクラスだ。
授業も始まってまだ三日程度だが、中学校の時からの顔なじみがほとんどのクラスメイト達は、あっという間に仲良くなり、気の合う仲間とよく喋るグループが出来つつあった。
みんながワイワイと楽しそうに話している中、一人雑誌を穴が開くほど念入りに見ている人間がいる。
「オース!修一。 何だぁ~?またアルバイト雑誌を見てんのか。良さそうなのは見つかりそうか?」
僕の親友で幼馴染の圭吾が一心不乱にアルバイト雑誌を眺めている僕に話しかけてきた。
結局、あれから僕はアルバイトを見つけることが出来ずにいるのだ。今日も求人サイトやアルバイト雑誌を一心不乱に見ているのだった。
「…ん?あぁ、なんだ圭吾か。 おはよう」
「お、ぉぉお~い…! なんだ、その気の抜けた挨拶は!?」
「いや~… 中々いい条件のアルバイトが見つからなくて、とにかく稼げるのがいいんだけど」
「ふーん。でもお前、かなり蓄えがあるんじゃなかったっけ? 急ぐのは分かるけどよ~ もっとじっくり時間をかけて探してもいいんじゃないか? 別に一年生の間くらい、遊んだっていいだろ」
「ん~…… 出来るだけ早くアルバイト初めて仕事覚えたいんだよねぇ~」
僕と圭吾がアルバイトの話で悩みあって居ると、僕の辛気臭い雰囲気をものともしない元気な声と共に一人の女生徒が話しかけてきた。
「おはよう! 鬼瓦君! それアルバイト雑誌? アルバイト始めるの、鬼瓦くん!」
「あ、南野さん おはよう!」
このアグレッシブな彼女の名前は南野静香。
夏樹ちゃんと同じバレー部に入部が決まっている夏樹ちゃんの女友達で親友だ。僕と圭吾のような悪友ではなく、清き仲でお互いに悩みの相談などできる本当の意味での親友同士を体現したような彼女だ。
僕との出会いは中学の頃に、夏樹ちゃんが夏祭りの日に連れてきたのが出会いだった。
初めて見た彼女は黒髪を短くカットしたショートヘアに控えめのリボンを付けた髪型に青色で金魚の柄が印刷された浴衣を着ていた。圭吾は既に知った仲だったようだけど、僕はそれが初対面だった。思わず見とれてしまいそうになるほど美しく、可愛らしかったのを覚えている。
そんな彼女は凄くアグレッシブで元気いっぱいの子だった。そんな彼女に振り回される夏樹ちゃんも圭吾も皆、笑顔だった。僕もいつの間にか彼女の笑顔にあてられて笑っていた。不思議と彼女と一緒に居るだけで人を元気に、笑顔にしてくれる。そんな不思議な力を持った子だった。
「何か稼ぎの良いアルバイトとか…在学中の高校生でも雇ってくれる仕事とかってないかな?」
「ふーむ、俺はまだ、アルバイトとかやろうっておもってないしなぁ。 まあ、そういうことなら俺も知り合いとかに声かけて聞いておいてやるよ」
「うん、私も聞いといてあげる」
圭吾は、祐人の後ろの他人の席に座ると静香に顔を向けた。
「そういえば、夏樹は? 今日はまだ見てないんだよなぁ。朝練一緒に行ったんだろ?」
「ああ、夏樹はさっき顧問の高岡先生に職員室に呼ばれてたよ。なんでも夏樹ね、今年の春の新人大会の出場選手に選ばれたそうよ。まあ、才女のつらいところだよね。昨日、バレー部の体験入部の時もすごい先生から勧誘されてたし、『わが校の期待の星だ!』とも言われたしね」
「ハーッ!さっすが〝稀代の才女〟と呼ばれるだけあるなぁ~ 高校デビューと同時に高校のスター街道一番乗りってか!? かぁー!羨ましすぎて嫉妬すらできねぇよ! なぁ修一!」
「……あっ うん…そだね。 さすが夏樹ちゃんだよ。本当に凄い」
圭吾に突然、話を振られて一瞬たじろぐがすぐに返事を返す。
修一はその話を聞き、夏樹のことを本当に凄い、さすがだと心から感心していた。それは出会った時からそうだった。
何でもこなしてしまうが故に人から頼られる。彼女自身も人から頼られたら必ず答えようとする人柄から、中学時代から三年間学級委員長を張っていたし、三年生の時には生徒会長に抜擢されていた。また部会でも女子バレー部のキャプテンを務め、チームを全国大会まで導いた才女だ。
なんでも、聞いた話では…女バレの名門高から何度もスカウトが来るくらい地元ではちょっとした有名人だった。顔も良くて人柄もいい。非の打ち所がない完璧美少女の夏樹ちゃんは学校中の憧れの存在でもあったのだ。
そんな彼女の傍に居て、ずっと彼女の姿を見てきたからずっと思う。
早く僕もしっかりしなきゃいけない、と幾度も思ったものだ。
すぐそばに居るのに、本当は凄く遠い存在…それが夏樹ちゃんだった。
そんな姿をずっと近くで見てきたから、僕もしっかりしないと思う。
僕も早くバイト初めて、仕事覚えて、学校行事にも積極的に参加して……僕だって、あんなかっこいい存在になりたいんだよ。そのために早くバイトを始めないと……と、何度も思っているのだが、中々良い条件のものが見つからない。
時給が良くても立地的に遠すぎたり、時間が合わなかったりというものばかりだった。
体力には多少自信があるので登録制の短期バイトや工事現場の手伝い系の体力勝負もののバイト求人を見るが、それは午前中からの日雇いか丸一日拘束が続くものが多く、休日の時以外は働けないし、当然ながら高校生不可や年齢制限もある。
頭の中では先生の言葉がチラつく。
“財力無くして女子はよってはこぬぞ?”
“女子は、金のある男に惚れるものじゃ!”
(何とかしなくちゃ! でも、高校生にそんな良い条件なんて…!)
修一は頭を抱えて考える。
圭吾と静香はそんな修一の姿を見てお互いに顔を見合わせてた。一悟も静香も修一が心配なのだ。
実は圭吾は調べたから知っていて当然なのだが、静香も修一の過去に何があったのか知っているのだ。
それは静香が初めて修一と出会った夏祭りでの日のこと。
静香は予め鬼瓦君について夏樹と圭吾から色々と聞いていたのだが、初めて会った修一君は二人の言っていたこととはまるで真逆。元気でおしゃべりと聞いていたのだが、私たちの話にただ相槌を打ってニコニコしているだけの鬼瓦君に「緊張してるんだろう」と和み易いような話題を振ってみたり、話しかけてみるが中々会話が弾まなかった。それどころか、夏祭りを見ながら時々暗くなる修一の顔に嫌気が差しかけていた。
(なにコイツ~! 感じ悪ぅ~!)
と内心でめちゃめちゃ愚痴っていたけど、それを表に出すことはしなかった。
夏祭りの途中で鬼瓦君が用事があるからと言って先に帰ってしまったので、帰った後に夏樹と圭吾に詰め寄ったのだ。全然聞いてた話が違うじゃないか、と夏樹に言っても「ほ、本当はもっと明るい子…だったんだけど、ね…」と語尾を濁すだけで、あははと乾ら笑いを浮かべるだけだった。
その横では圭吾がばつの悪そうな顔でそっぽ向いていた。
その圭吾の姿に、何かを感づいたのか、今度は夏樹が圭吾に詰め寄るが知らない知らないと必死に白を切る圭吾を見てついには「何を知ってるの!吐きなさい、圭吾!」と華奢な身体からは想像も出来ない腕力で圭吾の胸倉を掴み、持ち上げてしまった。その時に圭吾は自分が調べたことを全て教えてくれたのだった。
『———とはいっても…! その話が本当だとは分からんよ! ほ、ほら…もしかしたら同姓同名の別人って可能性もあるし! 俺の調べミスかもしれないし、ね!』
圭吾は必死に誤魔化そうとしてたけど、私は確信にも似た強い思いを抱いていた。
昔の三人で仲良くしてた頃の話、転校が突然訪れた話、帰ってきてからの鬼瓦君の姿や様子を聞くに、あんなに明るくお喋りだった鬼瓦君が、あんなに憔悴しきった顔になるはずがない。なるとしたら、それはきっと…とんでもないショックを受けた人か心に大きな傷がついてしまった人だけだ。きっと鬼瓦君は私たち、親友である圭吾や夏樹にも言えない心の傷を抱えてしまっているんだと確信にも似た思い抱いたのだった。
悩む修一を見守るように見ている圭吾と静香。
そこにチャイムが鳴り響き、A組担任の上田先生と職員室に呼び出されていた夏樹の二人が教室へと入ってきた。授業開始前の予鈴チャイムだったようで、急いで静香はA組の教室を出ていった。静香はA組ではなく、D組なので遅刻しないように急いで教室へと戻っていった。
「や、やばいよぉ☆彡」
「お、おもしろい☆彡」
と思った「そこのYOU!」
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