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レベル1・ホワイトグリモワール

　厳しい冬が過ぎ春が到来。

　今年で20歳になるニートの俺は、ネットゲームにどっぷりとハマっていた。

　俺を夢中にさせているそいつは、今年でサービス開始から11年目を迎えるネトゲで”ホワイト・グリモワール”と言う。

　年季の分だけゲームシステムやバランスの面は丁寧に改良されていて、プレイにストレスを感じる事は少ない。

　接続しているユーザー数は平日の昼間であるというのに1サーバで2000人を超えている。ユーザーから愛されている証拠だろう。

　そんなネットゲームの中にリジー・オールドフィールドは存在している。

　”リジ―・オールドフィールド”

　彼女はネットゲームの中で俺が作成した”プレイヤーキャラクター”で、架空の人物である。

　架空の人物なのでリアル、つまり現実世界には何の影響も及ぼさない。及ぼしようがない。

　ところがどっこい！

　俺が昼食のカップラーメンを作って自室に戻ってきたら、思いきり影響していた。干渉していた。

　つーかＰＣのディスプレイから這い出て来やがった。ネトゲの自キャラが！