予兆……聞かず
こんにちは。今日で腰痛休みは終わりです。本当に読む人が少なくてテンションが下がります。
そんなときは、チート聞いて無いのですが……を読んで改めて「面白いなぁ」と思う日々です。
では、どうぞです
「すいません。教会へはどういったら良いでしょうか?」
私は宿を出て道端で売っていた果物屋に聞いて見ることにした。果物屋の主は、活気のよいおばちゃんで
「遅れて朝の礼拝に行くなんて関心しないねぇ!?……ま、先に良いことをすれば神様も許してくらるだろうから。」
そう言うと、一つの果物を手に取りアピールしていたのに気付いたキュウキはラファエルから貰ったお金で買うと
「いやー。まいどあり!教会だけどね、この街一番大きい屋敷の隣だよ。……この道をずーと進んだところさ。」
「ありがとう!おば様」
そうして一番大きい屋敷へ向けて歩いていると突然『ムゴゴゴ』と地震が起きた。
地震はかなり大きく、街の至るところで悲鳴など聞こえる。
「キャア!」
「っと。大丈夫ですか?」
ある女性が買い物をしていたが、地震のせいで躓き倒れそうになった所をキュウキが支えた。
女性は慌てていたものの塚の間で、次の瞬間には更に事態が悪化する。
それは、天井の空気の層が『ゴポォ!』と音をたてて大きな雫が落ちてきた。
丸くなっていた最も天井が高い位置からの大きな雫は、たまたま街の一番大きな屋敷が街の中央にあったお陰?もありキュウキの真上らへんに落ちて来ていた。
女性は落ちてくる巨大な影に気づいて『きゃーー!』となっていたが、キュウキの『大丈夫ですよ貴方一人くらいなら守ってみせますから』と言うと手を上げ、一瞬でとてつもなく大きな雫はキュウキの手のひらの上の粒になってしまう。
その、水の玉を自分の耳飾りにして
「どうですか?似合うでしょう!」
女性の心の中は、非常の救急事態が一瞬にして萌えなのか恋なのか分からなくナニか爆発してしまった感情に陥る。
しかし、周りの散々たる崩れた街並みを見て我に返るのはそう遠くは無く
「あ、あなたは何者ですか!?」
「……いえ!助けて頂いててすいません。ありがとうございます。」
キュウキの名を聞くと、そそくさと帰ろうとする女性は『アウッ!』と声を出すたかと見ると地面にへばり付いて動こうとはしなかった。キュウキは、まさか!?と思い考え
「はいっ……と!」
「送って行きますね」
どうやらキュウキの考え観察眼でも理解したように、彼女は腰が抜けて動けないようだ。
お姫様抱っこをされた彼女は『アヒャヒャヒャイ』と慌てるものの、腰が動かないと知って
「変な声を出してしまい、すいませんとしか言いようがありません。」
「助けて頂いて遅れてましたが、私の名前はリクといいます。街の中央にある教会のシスターをしています。」
「おお!?」
「ななっ?なんですか!?」
「いえ、私も教会のシスターに一目会ってみたかったのですよ。私の願い叶えさせて貰えましたね。ラファエルには後でお礼を言わないと!」
「では是非、私の教会へ来てください!」
「はい。今から行きますよぉ」
『いえ、そう言った訳ではなくて……』と顔を真っ赤にしてワタワタとしていた。
そんなシスターリクの目の前には、キュウキが小粒にした水の耳飾りに目を行く。そんな行動を把握したので一つ注意点を聞かせる。
「リクさん?その耳飾りですが、水の粒には触らない方がいいですよ。もし触れば、手が千切れますから。」
[千切れる]の言葉にビクッとした上で『どうしてでしょうか?』と質問されたので正直に
「あの大きな雫を小さく圧縮しただけですから。なので、触った所から勢いよく水が出ますと手が吹き飛びますね。」
「手だけで終わってくれれば良いですが……正直、危ないです。」
それ以降、目線は耳飾りでは無くなり目の前が教会?って所にたどり着いた。教会は、地震で半壊しており窓も激しく割れていた。
そんなことお構いなしで『お邪魔します』と入って行くキュウキの姿に驚きながら
「あ!ソコの椅子に座らせて下さい」
椅子に座ったシスターは、痛いながらも腰に回復魔法を宛てている。
「リクさん、本当の回復魔法はね揉みながら回復すると魔法量が少なくて済むのですよ。……ま、筋肉の痛みのみですがね。」
そう言うとリクの腰に手を宛て揉みって行くと『あひゃん!……イエ違うのです』に対し笑顔で答えるキュウキは
「了解です。人は意思に反して身体と全く違う反応をしてしまうものです。だから、あの声は貴方の身体が直される喜びを表現したモノなのですね?」
「……私、回復魔法ついでに教会を直しますね。」
そう言うと、御得意の土魔法で教会を直していくのだった。
汗だくになったシスターはお礼に一晩泊めてくれる事になった。
……
私は眠らない。目を閉じるとシスターの心音が聞こえてくる。とても早く、とてもじゃないが寝た形跡は無いのが分かる。
耳を済ませていると、大きな戸が締まる音が聞こえると段々近付いて来ているのが分かる。
そして、教会と戸を叩き開けてくれと声がする。
しかし、その声にはシスターは反応せず逆にナニか糸が切れたかのようにその後熟睡され始めた。仕方がなく出ることにした『はーい?』と出ると
「な!?なななな!リクと一夜を過ごした冒険者とは貴様のことか!?」
「はい。私はリクさんの御厚意により一晩泊めて頂きました。」
「リクは!?リクは大丈夫なのか!?」
「ええ。腰の痛みも取れて元気で、今眠ったところですよ。」
訊ねて来たのはシューマイヤだった。キュウキの[今寝た所]を聞いていてもたってもいられず走ってシスターの寝室まで入り込むと
「リクゥ!……俺はお前の事が大好きなのだぞ!?私の思いが届かないのは知っているが、つい最近入って来た商人にお前の初めてをやるなんて……神が許しても俺が許さんからな!」
ドタドタと喧しく入り込んで、更に大声で言われれもすれば睡眠不足のリクも起きてしまう。
「ちょっと!勝手に私の寝室にまで入らないで」
「な!?なんだぁその格好は?そんな色っぽい服あったのか。」
「ちょっ、勝手に見ないで!出てってよ!!」
シューマイヤに五メートルの置物が当たると『すまん。出ていくから』と言い、シスターの寝室から出ていった。
……
「で!聞かせて貰おーか!」
「わかりました。」
今、男子二人でカフェにいる。周りはカップルか、仲の良いご年配の夫婦が沢山いる。
ぶっちゃけカップルしかいない場所で、カンカンに怒り浸透のシューマイヤと意外と真面目に……場違いな真面目さを出すキュウキがそこにいた。
次回は、夜になります。当然、仕事終わりに、なりますから。