裏路地
こんにちは。再び腰痛で休みです。明日は、もう仕事に復帰です。名残惜しいです。
この作品を読んで頂いている人!ありがとうございます。
「急に街が騒がしくなったな?どうしたんだろう?」
突然、街中に声が鳴り響く。声の内容は、街にモンスターが入り込んだ為に、街を覆っている空気の層が少し破れてしまった事だった。
それと付け加えて
「これから被害を最小限に留める為に、市民及びギルドに登録をしていない冒険者は速やかに宿の中に入るようお願いします。」
「なお、……」
街人に警戒を呼び掛けている。
「なるほど!外で怪我をすると保証してくれないのか。……では、私達も宿に戻ろう!」
「それはそうと……さっきから思っていたのですが、メタトロンは羽を納さなくていいのかい?」
「ふぇ?これは、しかたがないんです。私が気をそらすと勝手に出ちゃうんです。」
メタトロンはそう言うと羽を納して始めるのだが、宿へ向かう数分後にはもう羽は出ていた。羽に気付いた他の天聖十王が指示するのだが……時間が経てば再び出るってのを何度か繰り返していると
「もしかしたら、羽の筋肉が弱体化しているかもしれないな。よし!そうなら」
ということで、メタトロンを家と家の隙間に連れ込み命令する。
「これから背中の筋肉をほぐすから、皆はメタトロンの羽を見られないようにブロックして欲しい!……さあ、背中を見せてくれ」
……
「ひぁっあうん。あ、あ、あー!痛い痛い!うぅーん。うん、うん、うぅーん、あーー……」
「キュウキ様痛いです!」
「大丈夫だ。痛いというのは、ほぐれて無いということだ。暫くすれば……」
「てすが!痛い痛いー!のぉ。」
「ギリギリの所で止めるてあげるから。大丈夫!死にはしないから、ゆっくり優しくするから」
「本当です……ここは気持ち良いですぅ。はぁ」
「ここは柔らかいな。では、全身の揉みほぐしを行くぞ!痛いかもしれないが我慢するんだぞ。」
「う、うう。我慢するぅ」
「私は、私の創造して頂いたオッサン達にもコレは評判だったんだ!では一番評判だった微弱な電気を流すぞ。」
『ひゃぁあ……熱い!熱いのがぁ!』と叫ぶメタトロンは、家と家の間の路地でやっているのだが、何故かは分からないのだが見張りを頼んでいた天聖十王達からの注目が、強すぎる事に気付いたのは既に遅く
「コラッ!路地裏で若い女性を集団で襲いよって。私シューマイヤが、お前達を捕まえてやる!」
周りに気を散らせてしまっていた。
「いや。違います私は……私は、商人です。」
「日々の私を守って下さる冒険者にお礼も兼ねたマッサージをしているところでした。」
「勘違いさせたようですいません。」
そういって信用して頂こうかとしたのだが、シューマイヤがズイズイとメタトロンまで駆け寄ると『それは本当のことか!?』と何度もたずねておられた。
メタトロンの返事は一貫して『その人は私の御主人様です』と言っていた為に難無く終わる。
「早く宿へ戻られよ。」
「じきに街の安全確保の知らせが来よう!夜の街中は、若い女性が路地裏には来ては行けない!失礼ですが御名前を?」
「はい。ありがとうございます。気を付けます。私の名前は」
「いや!お前には言うとらん。」
「わ、私シューマイヤはソコの彼女に言っておるのだ。」
私はメタトロンの顔を見ると、少し困った感じの顔をして『私の名はトロンと言います』と名乗ったので『え!?……』と言い出しそうになった所を天聖十王の誰かに口を塞がれる。
シューマイヤは納得したのか、私達を見送っていた。その後、直ぐに宿に着き私の口を覆っていた手を退ける
「あらん!ごめんなさい。」
「そんなにジロジロ見なくても知っていますよ。初めまして私の名はサタナエル。こー見えて、豪傑無比の無双で乙女なのよお!よろしくネッ御主人様。」
「キュウキ様、誠にすいません。私達は、他者にはミドルネイムを名乗っており御主人様のみが真名を知らせるのが天聖十王の決まりなのです!連絡が遅くなり申し訳ありません。」
私が、メタトロンの名の事を気にしていることは分かったらしくミハエルはそう言うのだった。
「まて!謝るのは私だ。……知識の無い無知な私を許して欲しい。夜とはいえ、家の裏路地に女性を連れ込んだように見せるなんて恥ずかしい。」
……
話し合いで両者の心にスッキリ感が戻ったのはもう朝の事だった。
話し合いの中で、天聖十王の全員が召喚されているのは多すぎることとなり私がランダムで選ぶ三人のみと決まる。
更には、キュウキの質問の中には『お前達天聖十王は私の友達なのか?』の質問に対し
『いえ残念ながら友達ではありません』と言った上で『しかし貴方は御主人様!私達を道具の様に!血や肉を使って頂ければ……と』ミハエルは言っており皆も頷いていた。
「皆に一つ、聞いておきたいことがあるのだが」
「なんなりと!」
「私は……大人だよな?ということは、大人の誰かを友達にするということだよな?」
「私の意見ですが、御主人様の姿はまだ成熟していない身体と思います。それにいきなり、大人の女性と友達になるのは難しいかと。」
その時!ラファエルが『アッ!』と何か閃いたのだが黙ってしまう。それに対しては、包み隠さず答える様に促すと
「誠に不本意ですが!」
「この街に教会があります……」
そうラファエルが言った途端に天聖十王達が『それはもったいない!』と口々に言う。意味が分からないキュウキは『良いよ。続けてラファエル』を聞いて話始める
「教会のシスターの夢に預言を流します。そして御主人様と一緒に旅をしなさいと御告げをすれば……」
「なるほど!旅を一緒すれば、見馴れない私でも警戒する大人は心がほどけて来るというわけか!?」
(ちがう!私のマッサージ券の使用するタイミングがドンドン遠ざかって行くじゃないの!)
(というか、皆も分かっているの?……それは、シスターとキュウキ様をくっつけようとしているのよ!?)
「頼めるかラファエル?」
「わかりました。では、今晩にでも」
「キュウキ様?召喚されといてなんですが、少し私達で話し合いがあります。少し離れます事をお許しください。」
「夜にシスターには、予兆を授けますから夜に召喚してくだされば。」
頷くと天聖十王達は消えて行く。消える間際、ラファエルから『これ街のお金です』と幾らかお金を頂いた。
(ふぅ。一斉に居なくなると静になるものだな。この思いこそが寂しいという奴かもしれない。)
私は眠らなくても平気だ。早朝なので、[朝ごはん]という物を取るために階段を降りると冒険者達が賑わっていた。
宿の人が私に気付いたのか『あら一人かい?』と聞いてくる。
一人前の朝食を食べ終えると、夜まで時間が有り余っていたので街を散策することにした。
いや!目的はある。目的地は教会であり、一目シスターに会いに行くと決めていた。
(これから私が御世話になるのだから当然挨拶は行きますよ……安心してください!全てラファエルに頼みませんよ。)
【天聖十王会議】
「はぁー……ラファエル?貴方のヤろうとしていることは重大な事と知っていますよね?」
「私は、キュウキ様の事を思って……」
「まあまあ。ガブリエルちゃんもラファエルちゃんも落ち着いて。でも分かるわぁ、ラファエルちゃんもガブリエルちゃんの心も!私だって、キュウキ様と離れるのは嫌ですもの。」
「しかし!しかしだ。私達は御主人様には嘘は言わない。有言実行だ!」
「たが、旅には天聖十王からランダムで三人召喚されるのだったら……」
「サダルフォンちゃんの言うとおりね!これは私にも、まだまだチャンスがあるじゃないの!?」
「サタナエルには私も賛成だ。……で?ラファエル、シスターにどんな予兆を授けるつもりだ?」
「ミハエル!?そんながっつかないで欲しいです。シスターの名はリク。リクには、こう伝えるつもりです……」
【海底都市ナリア】
(宿から出てきたのは良いが、教会はどこだろう?)
いろいろと御世話になっています。読んで下さる人がいるのは嬉しいことです。明日もよろしくです。