天聖十王
こんばんは。書いていましたら遅くなりました。では、どうぞ!
やあ!私の名前はキュウキという。私はある地震がきっかけで、封印されていた場所を去って早一週間が経過した。
私のデータには地図がインプットされているのだが、やはり数百年もの時間が経過すると風景や土地の雰囲気も変わってくる。
今、私は漁業都市でも有名だった街についているのだが、いかんせん数百年間の歴史を知らないので、どういう経緯でコノ漁業都市が無くなったのかは分からないが、船の残骸も無ければ建物も存在しないのだ。
「コノ辺りに人の気配はないのか!?」
「……いません。ここは、もはや無人島になっております。恐らくですが、月一のペースで定期船が来ますから。」
「山が噴火する前に、この究極島を出て行ったのでしょう。」
かなり落ち込んでいる私なのだが、人が人っこ一人いないのにショックもあったのだが、自分の知る島の名前では無いのにも衝撃を受けていた。
先程から話している御方達は一週間前に召喚した聖天十王達である。
「ここから一番生命反応が強い場所は何処だ?」
「ここからですと、海底都市ナリアが一番近いかと。……私の使い魔を呼びましょう。」
誰が発したのか特定できないが、使い魔が来る間に天聖十王と遊ぶことにした。
「およばせながら、このミハエルが剣術を至難しましょう。先にこの剣を、キュウキ様に渡しておきますね……受け取ってください。」
戦う為にミハエルは被っていた布をガバッ!と脱ぐと、どっからともなく剣が増える。
ミハエルは、ショートカットで目と髪は燃える炎のような赤をしていた。
そんなことよりずっと天聖十王と呼んでただけにショック過ぎて
「お前!名前があったのか!?」
素の疑問を投げ掛ける。
「……私もそうですが、全員名前がありますよ。」
『ではキュウキ様!参ります』と言い斬り込んでくる。少々慌てながらも持ち直し『ミハエルって女性なのか!?』と少しやりづらそうに受け合いをしていると
「この胸を見て、男であるはずがないでしょ。」
「キュウキ様は、男の方が好みでしょうか?」
首を横にふった後
「私はバケモノ級とは知り合いが多いのだが、女性との繋がりが一切無いからな。私を創造してくれた方達も全員男性だったし……」
「なるほど。では、せんえつながら手解きをして……」
(あ!……ミハエルに借りた剣が。海に……)
「!!」
(早い!この動作の回避……どうすれば!?)
私の剣を弾いたかと思いきや、呆気に取られていた私を素早く抱き寄せて唇が近くに迫ってくる。
「やあ!!」
「ふぐぅ!」
「す、すまん。手加減をしたんだが、痛かったか?」
ミハエルの腹辺りにエルボーを食らわせたのだが、食らわせた時に判明する。ミハエルの腹筋が緩くなっている事に、瞬間キュウキは急遽手加減をした。
ミハエルの方は『ケホッ!ケホッ……』と咳込んでおり恐らく大丈夫と理解にいたる。
そして気付いたのだが、周りの空気が変な状態なことに。
「ん!?……近くから殺気が漂っているぞ!ミハエル早く立って私の後ろに下がってて。他の十王も気を付けて!」
突如海面がザザァと音が鳴り出す。海面が盛り上がり、出てきたのは赤と灰色が混ざった何かが出て来た。一言で言うとタコである。
ミハエルから借りた剣は海に落ちてしまったので、魔力で剣の形を整形する。
名をオーラブレード
右手でブレードを持ち、左手で天使達を後ろへやろうとした時!
「やんっ!」
柔らかな温かい物を押す。
チラリと見ると、ミハエルでは無く他の天使の胸を押してしまったようだ。しかも、かなり大きい。
未だ殺気が漂っているからか『早くこの場を何とかしたい!』という思いが
「すまん痛かったのか。……とにかく、後ろに下がるんだ!」
その時、胸を触られた天使がズイズイと歩いてタコの方へ歩いていく。キュウキが声を出すも『大丈夫!』と言いスタスタと歩いて行くと
「お久し振りですガブリエル様。して?……どの船を沈めましょう?」
「昔の事は忘れて。……今は、海底都市ナリアに向かいたいのよ。」
「私に乗れば、御主人様が汚れます!」
「なるほど。そこの男を使うわけですな!」
「そんなことはどーでも良いから早く!乗せなさい!……因みにだけど、この方は私達天聖十王の主様なので……」
タコは何かを察して、白くなったり紫になったりと色々な色に変化していた。
おそらく、焦っていたと思われる。何故かは、分からないが。
「さぁ!乗りますよキュウキ様。」
「いや、まだミハエルの剣が海にあるからなっ!取りに行ってかえさないと。」
「ミハエルの剣なんかは、そこら辺にポイポイと出せますから。剣を無くされたなんて思ってもいませんよ。きっと……ねえ?ミハエル?」
「私はミハエルに借りたんだ。ミハエルの物はミハエルにかえさないと行けない!」
「少し待ってろよミハエル」
「ちょっと待ってください。ガブリエルの馬鹿の言い分は無視してもいいですが、キュウキ様自身が海に飛び込まなくても大丈夫ですよ。」
そういって、ミハエルは何か念じていると手が光出したかと思えば、先程海に落ちた剣が手元に戻っていた!
「おお!それは、魔剣という類いなのでは?」
キュウキの質問に対して、アッサリと『違います』と言っていたミハエル。更に『私と一日過ごせばお礼に同じ剣をあげますよ』と言われたのだが
「一日なんて、というか俺らは何百日って時を過ごしただろ?」
「いえ。私と単品で!……とうことです。」
「十人いる方が楽しいのにか!?」
こんな話をしていると、対曲線状に胸が大きいガブリエルがキュウキとミハエルの視線を遮断する。
「ミハエルの剣、見つかってよかったですね。」
「では、海底都市にいきましょう。そうそう、このオクトの上はヌルヌルしますから私を椅子代わりにして頂くとよろしいかと。」
「大丈夫です!私はコレの主ですから……慣れてますから!」
『アレ?コレって私とお前しか乗れないよ?』と聞くと『他の者は勝手に付いてくるでしょう!……なんせ召喚された者達ですから。』と言う。更に『天聖十王は、海の中なんてヘッチャラですから』と言っていた。
「そうだな。天聖十王は、何処へでも付いて来れるからなっ!」
「ヨロシクな!ガブリエル。」
「違いますよ。今の挨拶では、手と手を高い場所で叩くのが若い世代に広がりつつある挨拶です。……やってみましょうか。」
早速やってみたのだが、ぬるんっ!と手と手がすり抜けガブリエルに抱き付くような感じとなる。そこで再び感じた『殺気だ!』と叫ぶのだが、『大丈夫です。ただの底辺の争いですから』と言った後でオホホと笑っていた。
その後『滑りますから、私がキュウキ様の体を持って起きましょう』と言ってくれたので
「ありがとう。こんな乗り物も用意してくれて、私のデータだと……何かお礼を渡さないといけない!っと出ているのだが。」
「なんせ、昔の通貨はあるのだが買えるかどうか……」
「私は、お金で買えないナニかを所望したいですね。」
と、耳元で囁いていた。
最後まで読んで頂きありがとうございます。明日もよろしくです。