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封印者は心の友を探す  作者: ふ~ん
ジャンルは恋愛では無い!
2/8

刈って来い

こんばんはございます。まだまだ、序の口ですが今後ともよろしくおねがいします。

 『いつでもこい!』と言ったがやはり来ないのである。最初は、直ぐに来るだろうと思っていた。だけど、一週間なんて一瞬で過ぎ去るほどに年月が経過した。

 私は思った


(なぜに来ないのでしょうか?外でナニかが起きていて人間が容易に入れない……もしくは、いくさは終わったが再び始まって全滅したのかな?)


 とにかく、原因究明の為には外の様子を見ないと始まらない。私は、さっそく意識を外へ飛ばす魔法をする。

 正式名称は知らないが、私の中には名称よりどうすれば発動に至るかがインプットされている。だから、やりたいと思い考えれば発動できるのだ。


(ん?……なんなのだろう?)


 意識を飛び出した先は、私から見て目の前に扉があったので扉を潜ると……そこには、それはそれは大きな竜がそこにいた。

 その竜は、全身が黒い鋼のようにキラキラと光っていた。黒いのにピカピカなんて!なんて綺麗好きなんだと言える竜である。

 そんな竜を見ていると


(なんほど!私は封印者なのだから当然か。)


 と、納得した。

 だけど……扉をくぐればくぐる程に、次から次へと門番の様な奴等がわんさかと待ち構えているじゃないか!


 黒の竜の次は、三つの首を持ち角がはえた犬。その次は、五つの首を持つ竜!次は何故か棺桶に入っている奴。次は、何千何万といる人程サイズのアリは小さな場所に有象無象としている。その次は、着物を着た女性なのに、何故か鬼のお面をしている奴。最後になるが、背中に武器を数十本と背負い両手に武器を持った鎧騎士がデン!と中央に陣取っている。

 全部で、七人もいた。人?


(っていうか、多すぎでしょ!?来るわけ無いじゃん!)

(友達は夢のまた夢だな。)


 その時、私の中の記憶の一端が思い出された!


「お前は、やれば出来る子なんだ!出来ないって端から決めつけは良くないよ。……根性だよ!私達もお前を作る時には根性を出したモノだよ。」


(……そうでありました。ありがとうございます!根性でなんとかします。)


 七人の刺客?は、ほっといて意識を外へ出てみる。そこは、火山になっており出た先は火口であった。更に先へ進む、山の頂きから見下ろすと深緑ふかみどりの森が長く下の方まで続いていた。


(これが開放感というのか?ドキドキしっぱなしではないか!)


 そんなワケで、目的も無しに森へレッツゴーである。その日は、鹿を発見したので追いかけて遊んだ。次の日は、再び鹿を探し鹿の生活を見守りながら遊んだ。その次は、再び鹿を探し見つけて追いかけ回し遊んだ。

 [追いかけて]とあるが、鹿からは私が見えないので実際は[追いかけて]はいない。鹿が走るので、着いて行っている方が正しい。


 半年は過ぎたか、鹿は家族が増えていた。姉と弟の二人の姉弟きょうだいである。見ていて本当に癒される、私の本当の家族みたいなのだ。実際は見ていただけだが……。

 ある日、いつものように鹿家族が森を散策していると親鹿が急に周りを警戒し始めた。耳を前後左右にと振って、体も静止している……突然!


 森の影から、赤茶色のオオカミが襲撃してきたのだ。親鹿はオオカミよりも一瞬で早く逃げたのだが、子鹿達は親より出遅れて逃げ出した!だが、弟鹿だけが遊んでいた為に先に捕らえられた。その後、姉の方もオオカミに回り込められて捉えられていた。

 親鹿は、逃げれることが出来ており最初から子鹿のみ狙った犯行とも見えた。


 涙が出た。


(こんなオオカミ、私が出た時には滅ぼしてくれる!)


 そんな思いで、奴等の巣を探すべくオオカミの跡を着いて行った。姉弟きょうだい鹿を持って帰った赤茶オオカミ達は子供達へと餌を分け与えているのを見て、私の怒りはゼロになっていたのは後で気付いた。


 あれから、一年が経過した。

 私はオオカミとの生活を共にする中でオオカミが人間によって狩られるのを見て以来、人間の街に興味を抱くようになった。

 [生活を共に]とあるが、私は未だに意識を飛ばし続けている身なだけで、オオカミ達から見れば怨霊に取り付かれて暮らしているみたいと言えよう。


 それもこれも、次は人間の街なのだから怨霊ともオサラバなのである。


 最初の人間を見ていると


「あー、ここらで雨が降ってくれねぇと作物が育たねぇだ。」


 回りの人達も同じ様な事を言っていた。

 だから、天候魔法を発動!


「おひょー!?雨だぁ!雨が降って来ただぁ。」


 人間の感情は勉強になる。その後、雨が多くて困った時はお日様を出したり、風でなぎ倒されれば緑魔法で作物を元気にして元に戻してりしてたりしていると


「これは山の神様のゴンガージャンバー様にちげぇねえ!」


「おい!ゴンガー様はわかるが、ジャンバーってお前の孫の名前じゃないか!」


「最近は噴火も無いしな。ゴンガー様も、大変気を良くしてくれているのだろう。」


 心の底から『ゴンガーでは無いよ』と思ったのだが良しとした。


……

 それから、幾年か経ったある日の事


「ゴンガー様お聞き下さいませ。お聞き下さいませ。なにとぞ!なにとぞお助け下さい」


(この雰囲気は雨だな!?……ん?ちがうのか?じゃあ、お日様だな。)


「ゴンガー様ありがとうございます!」

「ですが違います。幾千幾万の悪魔を抹殺して欲しいのでございます。」


 『悪魔!?』と思いビックリしたのだが、次の言葉を聞いて少し納得する。


「その幾千幾万の悪魔は、私達の血と汗と根性で育てた作物を守って下さい。今尚も!悪魔共に喰われ続けています。どうかお助け下さい。」


 私は最近、街へ入らずに街の人達が建てた神殿へ向かうようになっていた。何故なら、直接的に街の人達の願いが分かるからだ。だから、街を見回す事がかなり減った。

 『今も尚!』と言っていたので、作物の様子を見に行くとソコにいた。


 有象無象のバッタだった。


 私は意識のまま、ある奴を召喚魔法で呼び出すことにする。


「私はお前を呼ぶ!お前は刈る事が、人の命よりも好き!好き過ぎてガリガリの骸骨になってしまった。出てこい!死神ぃ」


「……あのぉ?」


「ん?出て来ないな。……ああ、そうか」


 召喚物は、召喚した者の前に現れるのだったのを忘れていた。意識を飛ばしていたのを中断し封印されている場所へと戻る。

 当然の如く、私の目の前には召喚した死神がいた。いや、直ぐ目の前にいた。


「あのー。召喚の呪文は自由と知ってますが、もっとこう……カッコイイ呼び出し方有りますよね?」

「毎回、こー……ダサいとさ。ね?こう見えて死神なんですよね。結構強い部類に入るんですよ」


「検討しとこう。」

「お前に命ずる!」


 そう言うと死神は『ハッ!』と言い、片膝を地に付け主な頭を垂れる。


「近くの畑に行き、バッタの命を刈ってくるのだ!」


「え?……バッタ?」

「虫の??」


「お前は、人の命を刈るのが好きなのだろ?」


 頷く死神。


「だったら、バッタの命を刈るのも好きだろ?」

「不本意かも知れないが、命を刈るのは同じ事なのだ!」


「バッタですかぁ」


「命を刈る!同じだな!?」

「なら、行け!」


 それから始まる阿鼻叫喚の地獄絵図。街の畑には、幾千幾万の死神軍団が!そして街人達の言う悪魔バッタは刈られて行った。


「はい!バッタを刈って来ましたよっ。」


「私はお前に刈って来いと言ったのだが?まさか、部下に全てを任せたのでは無かろうな?」

「お前、まさか一匹も刈って無いのでは??」


「いや!刈りましたよ。最初の一振りで、何千ってバッタを殺りましたよ。」


「そうか。ありがとうなスッピーよ。」


「……本名、普通に言うの止めてもらえませんかね。」


「私には名前がない!だけど、お前には……」


 長くなるのを知ってか「じゃ!命令は終わったんで帰りますね」と言いそそくさと帰って行った。

また、明日です。

仕事場で、腰を痛めました。スマホ充電するのも一苦労です。汗もかきます。

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