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白い馬
空駆ける白い馬
心に浮かんだのは 昨日のことでした
白馬がつんのめって 闇夜に消えて
悲しくなるのは その夜ばかり
いつか 消えかかろうとする感情だけど
たまには その感情と心中したい
それはつまり
悲しくって 悲しくって
だけど その悲しみすら
捨てられないのだから
また
捨てたくもないのだから
だから 今夜は あの白馬と
夜空を駆けてゆく
山を越えて 野を越えて
いつしか忘れた あの日の丘へ
そうして 星空の下から
見下ろす オシラサマ
もう忘れちまった あの白馬
だけども この星空を見れば
思い出すのは
やっぱり あの日のこと




