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純粋性
心の中の ミステリーは
どうしたって 解けない謎だらけ
フーもハウもホワイもなくて
ただ ただ 困ってしまうのだった
猫は一匹 もの言わぬ
ものを言わぬ中に 多弁である
本当に 不思議なことばかり
猫は 純粋なれども 純粋は淀んでいる
淀んでいるは 純粋の純粋である
心に浮かぶは 雑念ばかり
けれども 雑念なきは 矛盾である
矛盾の先には 純粋経験など ありはしない
雑念は 心に咲く花かもしれぬ
一体全体 猫は何思っている
何思っているか 知らぬから
僕は あいつを純粋だと思う
だから 僕は自分を 濁っていると思う
濁っているも ただ純粋に濁っている
純粋でないものなど ありはしない
そう思うと 猫というのは
本能に従順であるからといって
純粋とか 純粋でないとか
そういうことは あまり関わりがない
ただ 純粋とはそのものということ
それだけであって
良いとか 悪いとか
そんなことは 問題ではないのさ




