21
なんか、うまく書けない…。変だったらすみません。
12/20、大幅に修正しました!
前よりは分かりやすくなったか、な?
元気になった小鳥を見ながら満面の笑みを浮かべる少年を見てもう大丈夫だろうと思えば蒼麟は立ち上がる。そしてそのまま静かにその場を去ろうと少年に背を向け、歩きだそうとした。
「あ、まってください、しるふさん! 」
ちょっと名前が違うも呼び止められたため、振り返ると少年は顔を真っ赤にしていた。幼いとはいえ、シルフィと言えなかったことが恥ずかしいようだ。
このまま行ってしまっても良いが、なんとなく気になったのと、そのまま帰ってしまっては可哀想かと思ったため、また少年の前に戻ればしゃがんで視線を合わせた。
「どうして、私の名前知ってるの? 」
「えっと、その…かあさまとの、えっけんのときに…。」
「…もしかして、君、王子?」
「はい!ルークといいます!」
王子と呼ばれ、肯定するように頷きながら笑顔でルークと名乗る少年。彼の言葉を信じるのならあの謁見の時にいたのだろう。
だが、何故王子がこんなところで一人で、しかもこんな端にいたのだろうか。
「どうして一人でいるの?その…侍女とか護衛は?」
「…えっと、ぼくはすえっこで、おべんきょうも、きょうはなくて…それにメリアもいそがしそうだったから…こっそりへやをぬけだして、あるいていたらことりが…。 」
ルークが口にしたメリアという名前は多分侍女だろうと思いつつ、手の上で大人しくしている小鳥を優しく指先で撫でている相手を見ればどうしようと悩む。
本来なら部屋まで送ってあげれば良いのだろうが、自分も部屋を抜け出した身であるため、目立つといろいろと面倒なことになるのは目に見えていた。故に話題を変えることにした。
「そと小鳥は巣に戻す?それとも飼う?」
「えっ…あそこにもどせるんですか!?」
「うん。フェリス、お願いできる?」
「お任せください!」
高いところに巣があるため諦めていたのだろう。蒼麟の提案にルークは驚きながらも嬉しそうにし、それを見て姿を隠していたフェリスに蒼麟がそう頼めば頼まれた本人は嬉しそうに了承し、ルークの手の上にいた小鳥に近づくとそっとその体を持ち上げる。
何処か楽しそうな小鳥をしっかりと掴み、フェリスは軽々といった感じで小鳥をつれたまま巣がある木の幹へと飛んでいく。
「…あれって、妖精、ですか?」
「違うよ?あれは一応、下位精霊。名前はフェリスって呼んでる。」
「しるふぃさんのけいやくせいれいですか?」
「うーん、ちょっと違うかなぁ…。」
フェリスを指差しながら妖精かと聞いてきたルークに下位精霊であり、この国の人間のように契約した精霊でないと言ったは良い。
しかし、では何かと聞かれれば、なんと説明すれば良いのだろうと首を傾げていることになる。自分でもこの力がよく分かっていないのだから。父である彩麟やセファ達は【人型付与】というスキルだと言ってはいたが。
そんな風にいろいろと考えていると、フェリスが小鳥を巣に戻して降りてきた。
「親鳥にきちんと説明して返してきました。」
「お疲れ様。」
「ありがとうございま…。」
「ルーク様ー!」
「王子ー!何処ですかー!」
ルークが二人に礼を言おうとしたとき、彼を探しているであろう者達の声が、その言葉を遮る。蒼麟が声のした方角を見てみれば数名の侍女や騎士達が名前を呼びながら目の前にいる彼を探している姿が見えた。
そっと視線をルークに戻すが、探されている本人は姿を見せる気はないようで、茂みに身を隠し、言わないでと言うように泣きそうな顔で此方を見ていた。
「…大丈夫、私も部屋を脱走してきたから。良かったら一緒に散歩する?」
「でも、みつかるんじゃ…。」
「大丈夫大丈夫。フェリス、私とルーク王子の二人を隠すことは可能?」
「もちろんです!むしろ皆喜んでやらせていただきます!」
小声で話しながらも、側にいるフェリスに尋ねると楽しそうにそう言い、それが合図のように周囲に控えていた他の精霊達が蒼麟とルークの二人の体ににくっつきはじめた。
二回目の蒼麟は慣れたが、突然のことにルークは驚き、助けを求めてくるが、大丈夫だというように蒼麟が頭を撫でると大人しくされるがままになった。むしろ頭を撫でられ、気持ち良さそうに目を細めている。
先程と同じように水精達の力が纏い、その姿が消える。だが、お互いの姿は見えるように側にいる精霊達が気をきかせてくれたためにお互いを認識することが可能であった。
鏡がないため本当に自分の姿が消えているのかという不安を纏うルークの手をそれなはそっと握る。突然のことに驚きながらも、何処か楽しそうなルークをそのまま手を繋いだまま茂みから出る。
不意に茂みが動いたことに騎士の一人が此方に視線を二人の方角に向けた。視線が自分のところに向けられていることにルークば見つかったと思い、ギュッと目を閉じるも名前を呼ばれることもなく、その騎士は気のせいだと思ったのか視線を別なところに向けるのだった。
それにより、自分達の姿が本当に消えているという状況をなんとか飲み込むも探している者達の前を通っても気づかれないことに唖然としてしまっている。それでも、慣れてしまえばルークは自分の側にいる精霊とコミュニケーションを取れるようにまでなっており、その順応力に蒼麟もさすがに驚いた。
しかし、そのままルークは蒼麟と手を繋いだまま城の中を説明しながら案内したり時には遊んだりしており、終盤辺りには常に笑みを浮かべながら蒼麟にくっつきながら移動しており、気づいたときには外はオレンジ色に空が染まっており、夕方になっていたのだと初めて気づく。
「ルーク王子、そろそろお部屋に戻らないと大変なことになるんじゃ…。」
「やだ!シルフィともっとあそぶ!こんなにあそんでくれるひといないもん!」
この数時間ですっかり蒼麟に懐き、名前もしっかりと呼ぶこともできるようになっていたルークはさらに蒼麟にくっつきながらそう愚図る。だが、このままでは面倒なことになると蒼麟は理解しており、それはルークも同じだろうが、離れたくないという気持ちが強いのだろう。
「でも、皆さん心配してると思いますよ?戻りましょ?」
「…シルフィがいっしょなら、かえる…。」
「良いですよ、だから、帰りましょう、ね?」
「うん…。」
やはり離れたくないらしく、一緒にという言葉に同意すれば、渋々ながら頷いたのを確認する。こんなに懐かれるのは予想外だったが、蒼麟は嫌ではなかったため、自然と笑みが浮かぶもそれを自覚することはなく、肩に座っていたフェリスと精霊達に頼み、周りに誰もいないのを確認してから姿を隠していた力を霧散してもらった。
またルークの部屋を知っているという風精に案内され部屋に向かおうとするが、ルークの足はその場に縫いつけられたかのように動かない。
どうしたのかと思っていると、抱っこというように両手を広げ、蒼麟を見上げてきた。子供を抱っこする経験など今まで子供同然だった蒼麟に分かるはずもなく、動揺してオロオロとするが、側にいた精霊の一人である上位精霊に教わりながらそっとルークを抱き上げる。
見た目よりも少し重いことに驚きながらも抱き上げられ、嬉しそうに抱きつくルークの姿にまあ、これも悪くないかと思えばそのままの状態で風精に案内されながらルークの部屋へと歩を進めた。
「貴様、何者だっ!どうやって王族の外宮に入ったっ!」
風精に案内され、ちゃんとした道を通り、ルークの部屋があるという外宮という場所の廊下を歩いていると見回りと思われる騎士と出会い、警戒するような声をかけられたのだ。同時に向けられた敵意に大きく蒼麟は肩を震わせる。“人”から向けられるそれは、蒼麟にとって嫌いなものであり、恐怖を思い出されるものだ。
様子がおかしくなった蒼麟に抱きついていたルークが心配そうに顔を見れば、血の気が引いており、体も少し震えている。このままでは駄目だと本能的に思ったルークはキッと兵士と睨む。
「このひとにぶれいなしせんをむけるな!」
「お、王子!?何故そのような得体の知れぬ者といるのですか!お離れください!!」
抱き上げられているのがルークだと気づいた兵士は大きな声でそう言い、動揺するも敵意は消えることなくさらに強められる。そしてその声が聞こえたのか周囲から此方にやってくる足音が聞こえると、蒼麟はそっとルークを降ろしてから優しく頭を撫でた。
「王子、ここからはもう一人で戻れますね?…今日はとても、楽しかったです…。」
「シルフィ??」
声を震わせ、顔色が先程よりも悪くなっていく蒼麟の撫でている手を掴み、ルークが心配そうに近づこうとするが、掴まれた相手の手をやんわりと離し、蒼麟は距離を取るように下がる。
だが、後ろに違う兵士が現れるのが見えれば近くの大きめな窓へと寄り、ルークに一度笑みを向け、すぐに顔をそらせばそのまま窓を開け放ってそこから飛び降りた。
「シルフィ!?」
「王子、いけません!?」
「さわるなっ!」
蒼麟が飛び降りた窓に近づこうとするルークを止めようとする兵士の手から逃れながら、蒼麟が飛び降りた窓から顔を出す。そこは相当な高さがあり、慌てて下を見る。
だがそこに蒼麟の姿はなかった。
昼間から行方不明になっていた王子が正体不明の真っ白な女といるのを外宮の廊下で発見され、その女が王子を解放した後窓から飛び降り、姿を消したという報告がクリスティーナとアークスフィアの元へすぐ伝わった。
その真っ白な女が蒼麟だとすぐに理解し、アークスフィアは彼女に与えられていた部屋へとすぐさま向かう。
部屋の前に着くと昨日まで自分でさえも侵入を許さなかった遮断結界が消えているのに気づき、扉を開けるもそこに蒼麟の姿もなく、慌てて城全体に意識を飛ばすが蒼麟の気配はなく、城にいた多くの精霊達もいなくなっているという状況に愕然とすることになった。
一方クリスティーナは彼女と最後にいた息子のルークの部屋にやって来た。
そこではいつも大人しい末息子とは思えないほどに取り乱しながら泣きじゃくる姿とその様子に動揺を隠せないでいる兄王子、姉王女達、彼付きの侍女がいた。
兄や姉、侍女が声をかけていても泣き止むことはなく、母であるクリスティーナがやって来ても変わることはなかったため、クリスティーナが強制的に魔法で眠らせる手段をこうじることになったのは言うまでもない。




